『今昔物語集』は、原文では部分的にしか読んだことはない。
定番だけど、芥川龍之介の翻案もの、それから田辺聖子のアンソロジーなどで親しんできた。
本書は杉浦明平のリライト。
若い読者をターゲットにしたレーベルだからか、痛快で勢いのある話が多い。
怪力坊主実印僧都の話とか、狐や鬼と渡り合う話はもちろんだ
...続きを読むけれど、稲荷詣でで妻に浮気をとっちめられる重方の話や三豪傑が牛車に酔ってしまう話は、(お下品だけど)文句なく楽しい。
田辺聖子のだと、親子関係の話や信心の話の印象が強かったのだけど…このあたりが編集の妙なのかも。
編者の個性が見えて面白い。