薬師寺克行のレビュー一覧

  • 岡本行夫 現場主義を貫いた外交官

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    優秀な外交官だった岡本氏もコロナで亡くなってしまった。
    国益を守り、戦争を回避し、アメリカとの同盟関係を維持するために尽力したエピソードが列挙されている。もちろん、話してはいけないことも多いと思うが、すばらしい業績だと思う。
    佐々さんの書籍でも良く出てくるが、省益、縦割りの妨害(両者から話をきかないとフェアではないが)はなんとかならなかったかなぁと思う。

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    2022年08月12日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    公明党について、客観的に深掘りした良書。良くも悪くも、公明党が日本の産んだものであることが歴史的に良く分かる。

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    2022年01月15日
  • 岡本行夫 現場主義を貫いた外交官

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    【国際会議に共通しますが、日本の場合、一の矢はいいんです。しかし、あとの自由討議になっていくと、気の利いたコメントを言えるかどうか。議論は進化しますから、大学教授同士の討議を聞いているようなもので、用意してきた紙だけでは対応できないんですね】(文中より引用)

    日米外交のプロとして長年にわたって外交官を務め、退官後も民間で活躍するとともに総理大臣補佐官などを務めた岡本行夫。徹底的に足を使った現場主義で知られる人物の証言を収めた一冊です。著者は、『日米関係史』などの五百旗頭真他。

    日本外交の節目節目に携わった人物の語る言葉だけあり、一般に知られていないエピソードやそこから得られる教訓がふんだん

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    2021年08月11日
  • 岡本行夫 現場主義を貫いた外交官

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    読むほどに、熱さに引き込まれる。自らの身の回りのことだけを自分の思うように快適にせよと主張することだけが民主主義と誤解している視野狭き人も多い世界で、否応なしに満ち溢れるコンフリクトをリアリスティックに落ち着かせる辛い役割こそが、心ある人の行うべき仕事である・・と腹に落ちる。

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    2020年12月25日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    創価学会の文化部として誕生した公明党は2014年に結党から50年
    を迎えた。本書は巨大な支持母体を持ち、政権与党に名を連ねる
    公明党の50年の変遷を辿っている。

    公明党本部でも党史を出版しているようだが、俯瞰した党史として
    読むなら本書は良書だろう。

    結党当初は創価学会の教えを反映しての宗教色の強い主張をして
    いた公明党だったが、1969年に明治大学教授だった藤原弘達が書い
    た『創価学会を切る』に対しての言論出版簿外事件を契機に政教
    分離を打ち出す。但し、学会色を前面に押し出すことをしなくなった
    だけで、現在でも票田は創価学会信者であることに変化はない。

    この大票田が

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    2017年08月23日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    今年ベスト5に入りそうな良書。公明党を扱う本なんて身内本と身内ダミー本(佐藤優)と誹謗中傷でほとんどな中で、まともに偏らず穏やかに、しかも新聞記者出身なのに取材秘話みたいなものにも頼らず、資料に依ってきちっと書いてある。過去はよかった最近はなんだ、という論調で、これが偏りなのか事実なのかはわからないが、今後の公明党と創価学会の関係はあるいは、重要な人物の去就によって変容することもありそうだなあ。

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    2016年05月01日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    自公連立解消を機に読んだ。公明党の概史を知るための良書だった。
    公明党が外交・安全保障といった大きな国家観を持っていないこと、日中国交化の架け橋になるほど日中関係を重視していること、目先の選挙に勝つことに特に力点を置いていることはよく分かった。
    当初は共産党と票を取り合うリベラル政党だったのが、政権与党になるために、左から右に180度イデオロギーを変化させたのは面白かった。
    ただ、公明党の各議員はとても真面目というのは、ちょっと好感を持てた。
    あと、自民党が選挙や政治戦に強い猛者であること、小沢一郎が当時の政治を掻き回していたこともよく分かった。
    自公連立解消で、これからの党勢は衰退するのかし

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    2025年11月13日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    自公連立の解消と言うことで、せっかくなので読んでみた一冊。よく考えると公明党と言う政党については何も知らないに等しい。

    本書を読んでかなり意外な部分が多かった。
    第一に創価学会が目指す方針に違いがあることだ。流石に結党後数年の創価学会幹部が公明党幹部を務めていた時代は政策的に一致していたが、67年の竹入-矢野体制の確立及び70年の言論出版妨害事件を機に政教分離の原則を守り始めるとその方針にかなりの差異が見られ始める。というより公明党が他党との連携のために方針を不フラフラ変えてしまうのである。自民党との連立後、特に第二次安倍政権以降はさらに顕著になり、自民党の主張に異を唱えるものの結局は追認し

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    2025年10月13日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    あるようで無かった公明党に関する分析本。結党から第2次安倍政権に至るまで、公明党と創価学会に関して分析を行っている。公明党がなぜ集票力が強いのかという点よりは、自民党を激しく批判する政党から、現在の連立政権の蜜月関係に何故変貌したのか、そのような変化をもたらした政界構造は何かという点に着目している。
    読んで中身を理解するというよりも、手元において何か気になった時に参考資料として役立つ本だと思う。もう少し、安保法制や特定秘密保護法等をめぐる現政権(安倍政権)とのやり取りにも触れて欲しい感はあったが、それは他の本や新聞の方が有用ということなんだろう。

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    2017年02月14日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    巨大な支持母体・創価学会を背景に持つ特異な政党である公明党の軌跡を辿り、その構造にメスを入れている。
    公明党の実像はなかなか見えにくいと感じていたが、本書を読んで、公明党発足の経緯やその変遷、特徴がよくわかった。まじめに「部分最適」を追求する政党だが、必ずしも「全体最適」にはつながっていないという指摘は言い得て妙だと感じた。
    ただ、そもそもなぜ創価学会の信者がこれほど多いのか、また、なぜ創価学会の信者は根強く公明党を支持するのかという点については、新興都市住民の支持を得たといった一般論的な分析にとどまっており、十分には理解できなかった。

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    2016年10月21日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    安保問題や、小選挙区制容認など、ブレているようで、母体(池田ファンクラブ)擁護では一貫している。もともと庶民感覚で左翼思想に馴染まない人々が構成要素として多かった

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    2022年10月16日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    知っているつもりになることも、知らないのにおそれることも、違うと思って、あらためて知ろうとすると、とても興味深かったりする。

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    2017年01月08日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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     「公明党」は、単一の新興宗教団体に全面的に依拠しながら、長期にわたって安定した組織基盤を形成して、終始一定数の国会議員を有し続けているという点で、世界に類をみない特殊な(国際比較が不可能である)政党であるが故をもって、これまで政治学でも歴史学でもまともに研究対象とはなっていなかった(巻末の参照文献を見ても学術的水準を満たす先行研究はほとんどないことがわかる)。本書の著者は研究者ではあるが新聞記者出身なので、アカデミズムよりはジャーナリズム寄りの内容で、学術的分析としては必ずしも十分ではないが、未開拓の分野であることを差し引けばやむをえないものがろう。支持母体である創価学会の会員の多くは草創期

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    2016年07月13日
  • 公明党 創価学会と50年の軌跡

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    手堅い書き口。新しい情報や分析はないが、公明党、日本戦後政治の基礎文献ではあるだろう。最後の方に出てくる山口のインタビューで、ふと、確かに自民党は続くのだろうかと思った。

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    2016年05月21日