古川春秋のレビュー一覧
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原案/金城一紀、小説/古川春秋『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査4係』角川文庫。
なかなか面白い設定とストーリーの警察小説。ドラマのノベライズらしい。
捜査中に頭部に銃弾を受け、生死の境をさまよい、奇跡的に生還した刑事・石川安吾は死者と対話出来るという特殊能力を身に付けていた。
都内で発生した男性会社員の惨殺事件を発端に、相次ぐ変死事件は意外な方向へと向かう。石川は変死事件の被害者と対話しながら、鑑識の準キャリア・比嘉ミカと共に事件の謎に迫る。
強いて言うなら、惨殺事件の犯人が余りに有り得ないというか、現実味が無いというか、もう少しスッキリした犯人像を描いて欲しかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原案は金城一紀で主人公を端から「小栗旬」と決めてつくったお話だとか。主人公、確かにぴったりです。
設定がしっかりしているからということもありますが、なかなかに面白いです。初めて読む作家さんでしたが、文章はシンプル。抵抗なく読めました。(好き嫌い多いのです…)まああえて言うなら、なんてことない会話がもっとナチュラルだったらな!とは思います。伊坂幸太郎とかはその名手だと思う。どうでもいい会話をほんと面白く読ませるんですよね…伏線までもぐりこませるし。
ドラマでご存知のかたも多いでしょうが一応、設定ぐらいはさらっときましょう。
主人公は石川安吾。
警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係 -
Posted by ブクログ
ピアニストと挫折、殺し屋とボディーガード、日本刀と舞姫、与一と千手、運命と打開、と様々な対比によって彩られたエンタメ作品。
コンクール前に事故に遭い、4年間寝たきりで過ごした星子真琴。母も父も亡くなり、天涯孤独の身となった琴子に近付く女子高生。そして謎の女、舞姫。更に謎な男、与一。物語は二転三転して進んで行く。読者は誰もが翻弄され、ページを捲る手が止まらなくなるだろう。どのキャラクターも個性的で目に浮かぶリアルな描写。そして所々にコミカルな部分も。
よく練られたプロットだなと。強いて言うなら、もっと一人一人のキャラクターを掘り下げて展開してあると、もっとそのキャラに没入出来たはず。与一とは -
Posted by ブクログ
2014年に放送されたドラマ「BORDER」のノベライズ。
脚本は金城一紀によるオリジナルで、結末までプロットが出来上がった状態で撮影されている。
小説ではドラマのように結末までは描かれていない。
ドラマを見ていない人が読んでも「BORDER」の世界観は十分に楽しめる。
瀕死の重傷を負い、生死の境をさまよった結果得られた能力を、石川は戸惑いながらも捜査に活用しようとする。
手柄をたてるためではなく、無心に、ただ殺された人の無念を晴らすために。
殺人事件があった場合、事件解決のためには被害者から事情を聞くことが一番早い。
けれど、「死人に口なし」ですでに死んでいる人間からは何も聞くことができない