川名壮志のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ■学んだこと:現地取材の重要性
■アクション内容:現地に行って情報をとる
我が子と思いきや、赤の他人だったの章は、とても面白く、また考えさせられる内容だった。
親子その本質は、血のつながりか、育てた日々か。
DNA鑑定されたら、科学的に親子が分かっているわけだから、法律も変わっていくと思ったら、そう一筋縄ではいかない。確かに考えてみたら、そうだよなと。
「あなたの子どもじゃない、なんて言われても、一度でも抱き上げたら、情は移ります。それなのに離婚して、しかも『血がつながってない』という理由で子どもとさえ離れ離れになるなんて、つらすぎます」。写真を撮った時のエピソードなども交えながら、何 -
Posted by ブクログ
「少年」事件史が、時系列に分かりやすく書かれており、この切り口は目新しく興味深く読めた。
少年による事件は、壮絶な、かつ悲惨な家庭環境による人格形成が原因のことが多いため、更生を第一に考える少年法の理念を頭では理解しようとするけど…人生はただの一度きり、命は何より大切、そしてその命がなんの落ち度もないのに突然断ち切られる、それにより被害者の家族や周りの人の人生までズタズタにしてしまう、ということを思うと…大人気ないと言われるかもしれないが、心ではこの理念がどうしても受け入れられない。
筆者が書くように「加害者が、少年であろうと、成人であろうと、被害者の受けた被害は変わらないという現実」。本村 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学生の時、『兵士たちの連合赤軍』という本を読んだ。浅間山荘に立て篭もった植垣康博氏の書いた本。リンチの詳細も書かれていて、イラストも鮮烈だった。今はもうあんな残酷な描写は読めないと思う。体力があったんだと思う。後は、共感能力が不足してたのかも。
この少年事件史も、それほど強烈な描写はされてないのに、今回は読むのがしんどかった。
しかし、不思議なことに、時系列に書かれている事件を追うごとに、しんどさが減ってくる。
少年事件についてのマスコミの報道の仕方が年々変化しているというのがこの本の趣旨だが、それが関係しているんだろうか。
かつては少年事件は加害者の親の立場から報道されていて、それ -
Posted by ブクログ
新聞記者である著者が、「下世話で知的で、ロジカルでウェット」な最高裁について、その仕組みを解説。著者が取材した中で、とりわけ俗っぽくて、なおかつ最高裁のしくみがよくわかる裁判を厳選して4つ紹介している。例えば、DNA型鑑定が証拠となった親子関係不存在確認訴訟や裁判員裁判で出た死刑判決を破棄した刑事訴訟などである。
本書は、一般人には縁遠く思える最高裁について、非常にわかりやすく、また、(知的に)面白く解き明かしていて、最高裁を身近に感じることができるようになること請け合いである。著者が優れた新聞記者であることがよくわかる。
一つ一つの最高裁判決(決定)に、裁判官も含めた人間ドラマが潜んでいると -
Posted by ブクログ
●は引用、その他は感想
そう言えば、そういう「少年」事件があったね、という思いが多い。たぶん、その時は興味を持っていても、自分の日々の生活や、それこそ次から次へと起こる事件(少年だけでなく)で忘れていってしまう。
●新聞の紙面をめくってみると、戦後から現在にいたる過程で、世間がとらえた「少年」像は、そのイメージがはっきり変化してきている。少年事件に、不変の常識などない。「少年」は、常に時代によって相対的に位置づけられているにすぎない。その意味で、その存在はきわめて不確かで、曖昧だ。絶対的な「少年」の実像など、どこにも存在しない。
●これまでみてきたように、新聞は事実を報じているが、取り上げ -
Posted by ブクログ
新聞記者が最高裁判所への取材から、その機能や裁判官の仕事、判決の背景にある裁判官の立場や、時々難しくなる判決文などをわかりやすく解説している。
特に裁判員制度で出された判決が最高裁で覆された事例において、法の番人としての最高裁判所裁判官の立場や考え方から、なぜ覆されたかの説明が細かくされている。一見「世間の良心」と解離があるのではと思わされる事例でも、そこには明確な根拠があり、それでも杓子定規に法律・過去の事例に当てはめるだけでなく課題を投げ掛けるなど、三権分立とも関係してくる裁判所の考え方が説明されている。
そういえば裁判員制度、最近あまり耳にしなくなった気がする。結構な高い確率で回って -
Posted by ブクログ
最高裁判所を取材対象にしてきた著者が、一般にはほとんど縁がない最高裁についてわかりやすく説明した解説書。
まず、親子関係不存在確認訴訟から解き明かしてくれる。何やら小難しい言葉だが何のことはない、子供が夫の子か不倫相手の子か、という裁判。
このような身近な事件も扱うと、最高裁を身近に引き寄せてくれる。
一方、最高裁が、下級裁判所(地裁・高裁)と全く違ってユニークなのは、「評議の秘密」の縛りが緩和されること。確かに、裁判結果を掲載した新聞に、各裁判官の意見が載っている。
そして、最高裁が他の裁判所と違う大きな点は、「憲法の番人」であり、最大の武器は「違憲審査権」であると。
しかし、それらがどの