【感想・ネタバレ】密着 最高裁のしごと 野暮で真摯な事件簿のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月14日

■学んだこと:現地取材の重要性
■アクション内容:現地に行って情報をとる

我が子と思いきや、赤の他人だったの章は、とても面白く、また考えさせられる内容だった。

親子その本質は、血のつながりか、育てた日々か。

DNA鑑定されたら、科学的に親子が分かっているわけだから、法律も変わっていくと思ったら...続きを読む、そう一筋縄ではいかない。確かに考えてみたら、そうだよなと。

「あなたの子どもじゃない、なんて言われても、一度でも抱き上げたら、情は移ります。それなのに離婚して、しかも『血がつながってない』という理由で子どもとさえ離れ離れになるなんて、つらすぎます」。写真を撮った時のエピソードなども交えながら、何度も何度も「つらい」という言葉を繰り返しました。

北海道まで行き、直接本人に会い話まで聞きにいっているからこそ、行き着く考察。

親子って何かという事を考えさせられると共に、法律とは、憲法とは、何かについても深く考えさせられた。これは、良本です。

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Posted by ブクログ 2022年01月10日

民事編と刑事編に分かれて構成されており、最高裁がどういった過程で判決を下していくのか読み応えがあった。特に刑事編では裁判員制度が導入されて民意を取り入れることの意義や変遷までも書かれていて、自分だったらどのように考えるか悩ましい事件を取り上げていた。被害者に同調して感情的になる面もあるが、整合性や合...続きを読む理性を無くしてはならない。最高裁のしごとが素人ながら知れてよかった。何より浮世離れした人たちのイメージがあったが、そのイメージも良い意味で変わった。いろいろ考えさせられる本は面白い。

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Posted by ブクログ 2017年10月17日

著者の川名壮志さん、これから『ポスト池上彰』として引っ張りだこになるんじゃないかな。

めちゃくちゃ理解しやすくて且つ面白い!

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Posted by ブクログ 2017年08月11日

最高裁のことだけでなく、家裁や高等裁判所と裁判員制度のこともよく分かる。
そもそも裁判がどういう流れで一審、二審…と進んでいくのか。1・2審までが証拠や証言をもとに事実関係を確認していく事実審。最高裁は1・2審の判断が法令解釈の誤りや判例違反ではないか、ある法律が憲法に違反していないか、と言ったとこ...続きを読むろを審理するので法律審。へ〜。
量刑の決め方、犯した罪に応じて、刑の重さが決まっている「罪刑法定主義」のこと、よくできた仕組みであるなぁと感心。

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Posted by ブクログ 2017年04月23日

最高裁とはどんな場所なのか、大法廷・小法廷の違いは何か。 我々がよく理解していないような事柄が判りやすく書かれています。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年04月01日

最高裁担当の新聞記者の筆者が最高裁の興味深さを力説。なるほど、確かに最高裁が扱う事件は興味深く感じる。時代の変化に司法がどのように対応しようとしているのかがよくわかるし、裁判官も悩みながら判決を出しているのだなと知ることができる貴重な新書だと思います。

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Posted by ブクログ 2022年12月05日

普段ニュースでしか意識しない最高裁だが、人の下に法があるのではなく、法の下に人がいて、それに一番従順なのが最高裁だという。例えば婚姻後の男女はどちらか片方の性を名乗るという法がある限り、男女別姓は合法だという判決を出すのはかなり難しいらしい。ジェンダー論や少子化対策を早急に進めるには婚姻後の男女別姓...続きを読むを認めるべきだと私は思うが、最高裁は裁判に持ち込む前に立法権を司る国会で民意を汲んだ審議を十分にすべきだという。

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Posted by ブクログ 2017年01月29日

新聞記者である著者が、「下世話で知的で、ロジカルでウェット」な最高裁について、その仕組みを解説。著者が取材した中で、とりわけ俗っぽくて、なおかつ最高裁のしくみがよくわかる裁判を厳選して4つ紹介している。例えば、DNA型鑑定が証拠となった親子関係不存在確認訴訟や裁判員裁判で出た死刑判決を破棄した刑事訴...続きを読む訟などである。
本書は、一般人には縁遠く思える最高裁について、非常にわかりやすく、また、(知的に)面白く解き明かしていて、最高裁を身近に感じることができるようになること請け合いである。著者が優れた新聞記者であることがよくわかる。
一つ一つの最高裁判決(決定)に、裁判官も含めた人間ドラマが潜んでいるということがよく感じられた。DNA型鑑定と親子関係、また、夫婦別姓の問題について、現行法の解釈を前提とする裁判で決着するのはなじまず、国民的な議論を踏まえて、立法政策の問題として検討すべきという趣旨の個別意見が出されていたことが印象に残った。立法府の責任というものを感じた。

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Posted by ブクログ 2022年03月11日

新聞記者が最高裁判所への取材から、その機能や裁判官の仕事、判決の背景にある裁判官の立場や、時々難しくなる判決文などをわかりやすく解説している。

特に裁判員制度で出された判決が最高裁で覆された事例において、法の番人としての最高裁判所裁判官の立場や考え方から、なぜ覆されたかの説明が細かくされている。一...続きを読む見「世間の良心」と解離があるのではと思わされる事例でも、そこには明確な根拠があり、それでも杓子定規に法律・過去の事例に当てはめるだけでなく課題を投げ掛けるなど、三権分立とも関係してくる裁判所の考え方が説明されている。

そういえば裁判員制度、最近あまり耳にしなくなった気がする。結構な高い確率で回ってくるはずだが、私の周囲ではいまだに経験した人がいない。

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Posted by ブクログ 2019年09月17日

親子関係の確認、夫婦別姓、死刑をめぐる量刑の問題について、最高裁の判例を見ながら、最高裁の仕組みや具体的な仕事などを、親しみやすい筆致で解説していく。最高裁に関する最初歩の入門書としては悪くないかもしれない。

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Posted by ブクログ 2016年12月30日

最高裁判所を取材対象にしてきた著者が、一般にはほとんど縁がない最高裁についてわかりやすく説明した解説書。
まず、親子関係不存在確認訴訟から解き明かしてくれる。何やら小難しい言葉だが何のことはない、子供が夫の子か不倫相手の子か、という裁判。
このような身近な事件も扱うと、最高裁を身近に引き寄せてくれる...続きを読む
一方、最高裁が、下級裁判所(地裁・高裁)と全く違ってユニークなのは、「評議の秘密」の縛りが緩和されること。確かに、裁判結果を掲載した新聞に、各裁判官の意見が載っている。
そして、最高裁が他の裁判所と違う大きな点は、「憲法の番人」であり、最大の武器は「違憲審査権」であると。

しかし、それらがどの程度有効に機能するのかな~。裁判所も国家機関の一つだからね・・・

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