柴田治三郎のレビュー一覧

  • 日本の弓術

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    ネタバレ

    大正から昭和にかけて東北帝大に滞在したドイツ人哲学者(作者)が,日本をより深く知ろうと考え,弓道(本書では弓術と表記)を学ぼうと決意,幸い日本でも指折りの指導者から学ぶことができることとなった.
    武道はどれもそうだと思うのだが,その根本には禅の思想が深く絡んでいる.我々も普段は意識しないが禅の思想に無意識に絡め取られている.これに論理や合理を生業とする哲学者がいどむのであるから,なかなか難題である.
    しかし,かれは5年間これに真摯に取り組み,帰国時には5段と認められ,指導者からは秘蔵の日本刀も贈られた.
    こういった到達点は作者の努力のたまものであるのだが,一方,指導者にも恵まれたこそであるとも

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    2021年09月03日
  • 日本の弓術

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    ヘリゲル氏が書いてるとこより、後半の日本の方が書いてるところが読みやすかったけど、色々と感心する内容だ。

    ネットなんかで「〜の方法」みたいなのが検索すれば出てくる世の中になったからこそ

    「いや、もう感じるしかないんやで」みたいな、弓を極めるみたいな経験って大事なのかもしれない。

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    2021年03月21日
  • 日本の弓術

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    ほんよもで紹介されていて、弓道経験者と気になって読んでみました。
    競技者だったので、求道としての弓道は共感できないところもあるけれど、面白かった。
    離れがどういうものなのか悩む著者に、そこが分からないのかと新鮮。

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    2018年05月12日
  • 日本の弓術

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    本編としては”騎士道的な弓術”と題してなされた講演内容。これは角川ソフィア文庫の"弓と禅"に付録されている講演録と同内容。ただ、本著は著者が日本で弓を習っているときに通訳をしていた人が書いた”ヘリゲル君と弓”や訳者のあとがきが、同じ物語を視線を変えて見えるようで面白く読めた。

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    2016年05月29日
  • 日本の弓術

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    高校時代は弓道部でした。精神性に興味があったというより、的に当てるというゲーム性や女の先輩の袴姿が良いなと思ったのが動機でした。
    これを読んで、ああその感覚分かる!というのもありながら一方で弓道が本来目指すものを考えると、三年間とい限られた時間しかない高校に弓道部を設けることの意義に疑問が生じるのでした。
    高校時代にこれを読んでいたら何が起こっていたのでしょうか。

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    2014年11月07日
  • 日本の弓術

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    弓道の世界がこれほど高い精神性を持つものとは知らなかった。しかも日本語を解さないドイツ人が、その精神をここまで理解するとは。師との交流がストレートに記録されている。
    弓と禅も読んでみたい。

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    2014年06月01日
  • 日本の弓術

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    論理的なドイツ人哲学家が、日本の不可解な哲学に出会い、理解を深めていく話。
    弓術の師匠と海辺の避暑地で、片言のドイツ語と片言の日本語で語り合う場面はBL的な世界を連想してしまう。

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    2014年05月11日
  • 日本の弓術

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    非常におもしろい。日本的なものをドイツの人が解明していくという内容が、日本人にも新鮮。ここで書かれていることは、今でもいろんなところに顔を出しているのではないでしょうか。暗闇の中で矢を2本的に射るところが圧巻です。そしてこの著者の文のあとに、通訳の方の文章がついているのがまた面白い構成と思います。ただ、前半のヘリゲルさんの文章の訳文がちょっと固くて、意味のわかりにくいところがあるのが残念です。あと、最終的にこの師匠が弓道から宗教的な方向に行ってしまうのが、なんともまあ、そうなっちゃうのね、という感じである意味納得したりします。

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    2014年02月20日
  • 日本の弓術

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    前半は翻訳、後半は通訳者の話。前半の翻訳部は少し難解な部分があり苦労した。日本の精神的な読み合い・禅の精神は、言語至上主義の西洋人には理解しがたい。日本人のそうした精神は仏教により深化させられた部分が大きくある。

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    2013年07月14日
  • 日本の弓術

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    ページ数は少ないものの、とても内容の濃い本だった。
    タイトルは「日本の弓術」という名前になっているけれども、この中で語られているのは、「弓術」というよりも、的中を重く見ずに一射一射に全精神を込める「弓道」についてだった。
    この本は、弓道についての技術的な解説はまったくない。だからこの本はハウツー本ではなく、「弓道」の精神を通じて、その根底にある禅的精神・日本的精神を、日本人以外に向けて紹介している本だと言ったほうがいい。

    日本人は、禅的な文化が浸透している空気の中で生活をしているので、「自分で射ようとしないで、自然に矢が射られるにまかせる」というような無意識の心境について、外国人よりは理解が

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    2020年07月15日