周藤蓮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
生存に必要なあらゆるものが生成され、住民の望む形にその内部を変化させる住宅が発明された未来が舞台のSF。
バイオスフィアⅢ型建築という存在やサイボーグなどが出てくるものの、その技術的背景などが掘り下げられることは少ないので、そこに物足りなさを感じる人はいるかも知れない。
すべてが自己完結する空間が実現してしまったが故に起きた他者との断絶や、社会の崩壊をバックグラウンドにしながらも、全く異なる様相を見せる個々の住宅がロードトリップのような感覚にさせる。
それぞれの論理や壁を持ちながらも前に進んでいくアレイ・ユキオの存在が強く物語を牽引していた。
ストーリーとしてはもっと広げられる余地があるし -
Posted by ブクログ
ミステリ仕立てのSF。バイオスフィアⅢ型建築とは、内部で資源とエネルギーの全てが完結し、そこ住む人に恒久的な生活と幸福を約束する、未来の住居。言い換えると、死ぬまで外に出なくてもすむ完全引きこもりを可能とする住宅である。元ネタはバイオスフィア2実験だろう。
主人公であるアレイとユキオイはバイオスフィアⅢ型建築の管理を担う後香不動産でサービスコーディネーターとして働く社員である。まあユキオは正確に言うと備品(デバイス)扱いだ。彼は人間ではなく「機械」なのだ(ちょっと訳あり)。その姿は表紙カバーのイラストにあるとおりで、あたかも黒いマネキンにセーラー服を着せたよう。
彼らは要するにクレーム -
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ネタバレ 購入済み
このコミカライズで一番好きなシーンが今巻の、ブラックチョコレートハウスの手下がラザルスの家を訪れ、偽札流出の容疑者としたリーラを攫ってゆくまで。原作ではこの場面はラザルス視点で語られるのでリーラがどう感じていたか窺えないが、コミカライズでは自分が容疑者とされていること、リーラを回収したいと話すブラックチョコレートハウス側に対してラザルスがきっぱり反論したことなどをリーラが扉の向こうで聞いている、その様子が描かれている。原作では視点が描かれないリーラの心が動いているのを表情で見られるのがコミカライズならでは。お互いに手を伸ばす場面もとても良かった。この2巻には描き下ろし小説もあるのでおすすめ。
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購入済み
賭博師と、儲けすぎて目を付けられないためにという理由で主人公に買われた奴隷少女にまつわる話、事件と顛末。コミカライズが良かったので買ったが面白い。とても良い。他では見たことがない話で素敵だった。
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ネタバレ 購入済み
倍プッシュだ…!
男が生きるためには守るべき女が一人いればいい。ただそれだけで生きる活力が湧いてくるものだ。
「どうでもいい」が口癖のコインを投げれば常に女神が微笑む神に祈らない主人公もそんな"男"の一人だった。
"父親"の意思を引き継ぎ賭博師として目的もなくただ日々を生きていた彼も、守るべき少女と出会うことで人生が大きく変わる。
ホコリの積もる彼の心は少女によって、鮮やかな色を放ちはじめる。
そんな心温まる優しき青年と少女の物語。 -
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Posted by ブクログ
1巻でリーラという奴隷の少女を助けたため
帝都ロンドンから都落ちすることになった
賭博師のラザルス。
次の落ち着き先はバースと決めたのは
良いのですが、道中で事故に巻き込まれ
地主の少女、エディスに出会って…。
という導入。
今回は、リーラを『買いたがって』いた人物と
勝負がつきます。
但し、彼が怨敵となりそうなのは
この時点で明白なのですが…。
リーラも、そして今回彼に助けを求めた
エディスも、頗るいい女です。
聡明だし、心優しいし。
ラザルスも、ここという勝負どころでは
とても格好がいい。
義侠心とか男としての血の熱さが、理性の下に
ちゃんとあって、守るべきもののために勝負 -
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