あらすじ
二度と外に出なくていい家はいかがですか? 全てが内部で自己完結するコロニー、バイオスフィア3。そのクレーム対応を描く連作。電撃小説大賞金賞作家による未来の住宅SF
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Posted by ブクログ
なんか良かったよ。
星の平均を上げるために5つ星にしました。
セーラー服なのに中身はおっさん。
表紙よく見たら、バイオスフィアの家なんだ…
科学的な物事は軽いというかエッセンスで…
設定は良い
漫画的?なところが良いのか…
アレイの言動が気になったけど、未来の若者はあんな感じにぶっきらぼうなのかもしれない
Posted by ブクログ
生存に必要なあらゆるものが生成され、住民の望む形にその内部を変化させる住宅が発明された未来が舞台のSF。
バイオスフィアⅢ型建築という存在やサイボーグなどが出てくるものの、その技術的背景などが掘り下げられることは少ないので、そこに物足りなさを感じる人はいるかも知れない。
すべてが自己完結する空間が実現してしまったが故に起きた他者との断絶や、社会の崩壊をバックグラウンドにしながらも、全く異なる様相を見せる個々の住宅がロードトリップのような感覚にさせる。
それぞれの論理や壁を持ちながらも前に進んでいくアレイ・ユキオの存在が強く物語を牽引していた。
ストーリーとしてはもっと広げられる余地があるし続きを読みたいな、と思いつつも、きれいにまとまった結末だった。
Posted by ブクログ
ミステリ仕立てのSF。バイオスフィアⅢ型建築とは、内部で資源とエネルギーの全てが完結し、そこ住む人に恒久的な生活と幸福を約束する、未来の住居。言い換えると、死ぬまで外に出なくてもすむ完全引きこもりを可能とする住宅である。元ネタはバイオスフィア2実験だろう。
主人公であるアレイとユキオイはバイオスフィアⅢ型建築の管理を担う後香不動産でサービスコーディネーターとして働く社員である。まあユキオは正確に言うと備品(デバイス)扱いだ。彼は人間ではなく「機械」なのだ(ちょっと訳あり)。その姿は表紙カバーのイラストにあるとおりで、あたかも黒いマネキンにセーラー服を着せたよう。
彼らは要するにクレーム対応係である。住人に満ち足りた生活と「幸福」を提供するはずのバイオスフィアⅢ型建築で、なぜかクレームが来る?
この時代、社会のあり方が根底から変わってきている。「社会」とは、そもそも政府とか企業とは一体どうなっているのか? 旧時代との比較で、触れられている部分もあるが、全体像はつかめない。
そして人間のあり方、意識とかも変わってきている。果たしてユートピアとみるか、それともディストピアとみるか。ポストコロナの時代に読むべき作品だろう。