小川亮作のレビュー一覧
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この作品には背後世界を否定的に捉えて現世での生を重視し、しかし現世の生における成功も否定している点で、一種のニヒリズムが見て取れる。
また、神が定めた運命を「降りかかる」と表現しているように、生をただ虚しいもの・一場の夢と捉える厭世主義的価値感を持ち、また「母から生れなかったものこそ幸福だ!」という様に反出生主義の色も強い。
そうした遣る瀬無い無常感を満たすために、オマルは酒や酒姫に現世での刹那的喜びを見出した。その結果113番「明日のことなんか何を心配するのか?酒姫よ!さあ、早く酒盃を持て、今宵も過ぎていくよ!」のように、もはやそうした快楽で満ちているかの様に見える。
しかしそれは彼にとっ -
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イスラームの詩というと、難しそうだったり考えもつかないことが書かれているイメージだったけど、これは違った。
どの詩も身にしみるものばかりで、余計な感傷が一切ないのがかえって感情に訴えるのか、胸を打つものが多かった。その詩は無常観がありペシミスティックだけど、斜に構えたものではない。真理を追求し続けた学者が見るまぎれもない現実を写しており、酒、チューリップ、酒姫(少年)、歌が出てくるが享楽的な感じはしない。『明日なんてあると思うな、今このときを楽しもう、今日目を楽しませる若草が、明日きみの体から生えていないとは限るまい』明日も神も信じないからこその真実味、そこからくる美しさ、文化も年月も超えた良 -
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大いなる人間あるある、かつ、世界あるある的テクストの洪水。
しかしまあ、作者の視点の広範なこと!事物をどこからでも見つめる。
地中深くに潜ったかと思いきや、空よりも高くなる。
ぶれない4行詩。いつの間にか勇気付けられている。無常感もあり。無神論感もありはしないか?
4行詩というスタイルはTwitterとなって現代に息づいています……てきとーなことを言いました。「酒を飲め」なるフレーズが連発で読むだけて酩酊しそうになりますな。
「凄いです」という言葉はあまりに安易なので読後感をしたためる際には使わないことに決めています。
凄いです。
そしてありがとう青空文庫。 -
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オマル・ハイヤーム、この世界、現世、もともとつれだされた世界なんだ、何のために来て去るのやら、生きて得るところ何があったか、わかりもしないでしぶしぶ去るのだ。だからーサーキよ酒をもって来てくれ、いまこの一瞬を人生を楽しもう、明日は我が身、重ねた盃も歌い踊った美しい舞姫もいつのまにかいなくなって砂漠の砂の中にかけらとなって残るのみ、この淋しさは何処からくるのかまさに哲学的な問い掛けのようだ、生きる喜びと酒神と好きな女性がいればそれだけでいい、他に何を求めようか一瞬を楽しめ人生の若き時は短いゆえ夜を徹して飲み通す、この不可思議な世界に存在する、いまを、過ぎてゆく時間を、我を感じてみよう、この世のあ
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ネタバレ中学生の頃からこの人の詩の中で大好きな一遍があって、当時は大きいハードカバーの本しか出てるの知らなくて買えなかったけど、安く文庫でてるの知ったので購入。
自分たちを創ったのは神だし、別に生きたくて生きてるわけじゃないし、自分たちのできの悪さの文句は神に言ってくれよ?ああ、宇宙からつくりなおせたらいいのに!まぁとりあえず酒をのもうぜ!
緩すぎるし曲解かもしれないけど、こんなスタンスがすき。結構、「神を信じ愛し良き友とともに生きよう」みたいな詩が多いような気がするんですが(よく取り上げられるのがそういうのなだけなのかな・・)、この人は「愛」だったり「神」だったりより「宇宙」規模でなんか書いてる -
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善アフラマズダ、悪アーリマン▼人間の王イマ(ジャムシード)。ヘビの怪物アジ・ダハーカ(ザッハーク)。『アヴェスター』6世紀成立
※古代イラン語。
ホスロー1による編纂。ササン朝ペルシア。
※マニ教。清らかな魂を作ったのがアフラマズダ。糞尿を出す醜い肉体を作ったのがアーリマン。Manichean(マニキーアン):なんでも二元論「白か黒か」で判断する人。
ジャムシード。偉大な王。栄光、尊厳。しかしある日、王曰く。すべては私の恩恵。お前たちは私のうちに創造主を認めよ。すると、神の恵みは王を離れた。争いが世に広がり、人心が離れる。神にはたとえ王でも謙虚につかえよ。創造主(アフラマズダ)をあがめない者