延江浩のレビュー一覧

  • 松本隆 言葉の教室

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    この本に出てくる歌はどれも有名な曲ばかりでした。アイドルが歌うから有名になったのではなくこの歌詞だからいつまでも口ずさめる歌なんだとあらためて気付かされました。
    難しいことを易しく言うのは難しい、という一文があるが本当にそうだと思う。簡単そうであるが真似ができるものではない。
    どの曲も聴いているとその情景を目に浮かべることができてなぜか切ない気持ちにさせられてしまいます。。

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    2025年11月29日
  • 松本隆 言葉の教室

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    とっても良い。毎日忙しくって、コスパ、タイパをいつも気にして生きてしまうけど、日常の歓びは真逆のところにありそうです。いろんな視点で今を見てみましょう。そう思わせてくれる本です。

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    2024年09月29日
  • 松本隆 言葉の教室

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    寝る前に松本隆のことばを読みながら、音楽に耳を傾ける時間はやすらぎのひとときだった。
    彼がどのようにして言葉を紡ぎ、それに真摯に向き合ってきたのかがよく分かる一冊。彼こそが日本の作詞家である。
    どの歌の話も良かったが、『君は天然色』では涙を流してしまった。

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    2023年09月14日
  • 松本隆 言葉の教室

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    この本は教室という言葉が題についているため、作詞方法やアイデアの作り方など、何かしらの学びを習得しようとする方が読むのかもしれない。そういった、本の内容を箇条書きにしてまとめるような、学びの情報のみを求めている方には向かないと思う。
    松本隆のこと、はっぴいえんどが好きだった方にはきっと届くはずだ。
    松本隆はこぼれ落ちるものさえ魅力的なひとだ。

    まさしく潜在意識をつつくような本だった。
    作り手の愛情が届く本は素晴らしい。

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    2022年03月16日
  • 松本隆 言葉の教室

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    説明する文章とは全く違う。

    削ぎ落とした言葉で、誰もが持ってる感情やイメージを想像させるって、もはやアートだと思う。

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    2021年12月15日
  • 松本隆 言葉の教室

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    『反骨魂 後藤亘 「ミスターFM」と呼ばれた男』を読んでその著者がもうこの世界から旅立ったことを知り、だけどもう少し彼の文章に触れ続けたくなり、この文庫を手にしました。馴染みがあり、薄くて、すぐ買える本、それが『松本隆 言葉の教室』でした。そしてどれももいつか身体の中を通り抜けていた歌の歌詞、呟くようででも沁み渡る松本隆の語り、そしてそれを流れるように編集する著者の仕事、全部一体となった、まさに「風」のような本でした。今年は大瀧詠一十三回忌、萩原健太の『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』の出版、またまさに3日前に『A Tribute to EIICHI OHTAKI』というステージも行われたらしく…『君は天然色』にまた光が当たっているタイミングでした。ということで松本隆の言葉も色褪せないアートワークとして存在感を出しています。そしてそれに寄り添う延江浩の言葉も本書の最後の方に立ち上がり「松本隆をめぐるナイン・ストーリーズ」、なにより「あとがき」も松本隆の「風」を受けた物語として自然に繋がります。そして最後のページに「突然、向こう岸へ旅立ってしまった延江浩さん。薄いセーターにサングラス。ぼくより若いのに、人生を知り尽くし、生き方の趣味の良さったら、もっとずっと 話していたかった。銀座の渋いカフェで酸味の強い珈琲を飲みながら夜更けまでお喋りして。ああ、でも延江さんはお酒を選ぶだろうね。さよなら、我が友よ 松本隆」の文章が。合掌。

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    2026年06月13日
  • 反骨魂 後藤亘 「ミスターFM」と呼ばれた男

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    昨年の放送100年とは大正14年に芝浦の仮放送局から始まったラジオ本放送から数えてです。時は流れ、そのラジオの世界では2028年までにAMを停波しFMに一本化されると言われています。しかし登場当時はその必要性が疑問視されていたのはFMの方でした。そこをこじ開けたのが松前重義。「今は中波放送全盛で短波放送も始まったが、もうひとつ残されている電波が超短波だ。超短波放送の開発を我々の手で行う。富士山の頂上にアンテナを建て電波を発射する。そうすれば日本列島の半分をカバーできる。その放送で高等学校の授業を行う。高校に進みたくても様々な事情を抱えて通えない日本中の彼ら彼女らに勉強してもらう」なんという壮大な構想。戦後の明るさの根本はこんな気宇壮大な妄想によって生まれたのかもしれません。松前に魅せられ妄想を実装にした男が本書の主人公、後藤亘です。今回、初めて知った人です。成長の時代とは科学技術の時代であって新しいテクノロジーが人々の幸せをつくると信じられていた時代です。それを現場で実現した男。彼には現在のテクノロジーで社会を自分たちの思うように変えてやろう、としているテクノ・リバタリアンたちにはない向日性があるように感じます。しかし後藤亘の向日性はデジタル化以降もFMという帯域を超えてもラジオというメディアからピボットしても変わりません。まだ存命の主人公は、radioのように放送と通信の融合が進む社会の「幸せ」をたぶん、きっと、ずっと考えられているのだと思います。本書の、その先を著者 延江浩に書いて欲しかった。しかし本書を脱稿後に逝去されたとを最後のページで知りました。後藤亘の追悼文にあるいつかなされる二人の会話を読みたい、しかし。

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    2026年06月05日
  • 愛国とノーサイド 松任谷家と頭山家

    購入済み

    歴史のうねりを感じる

    細かな伏線回収が多く、ついていけない部分もあったが
    日本のロック創成期の東京で
    旧世代と若者たちが鮮やかに交差する様は
    興味深く、胸躍った。

    #タメになる

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    2026年04月26日
  • 松本隆 言葉の教室

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    この本は
    延江浩さんという方が手掛けた作品
    前半は松本さんの語り口で書かれており
    後半からは延江さん語りで
    松本さんとの思い出も交えて書かれています

    作詞のレクチャーとしても
    読み応えありますが
    常日頃 日本語を大切に使いたいと
    考えている私にとって
    表現方法など学びがありました

    そして
    何故 私はあれほど
    聖子ちゃんの歌が好きだったのか
    曲を聴くと
    曲の世界が頭の中に
    鮮やかに広がっていったのか
    その謎が解けました

    それは歌謡曲という流行歌に
    松本さんが幼い頃から触れてきた
    美しい映画や詩など
    文学的要素があったからだと思います

    そして聖子ちゃんという天才が
    瞬時に曲の世界を理解し
    歌で表現していた

    私は毎日毎日
    聖子ちゃんの歌を聴き
    頭の中では
    様々な映画が上映されていた

    だから曲を聴くと
    様々な絵が頭に浮かぶんです

    松本隆さんが次々に
    素敵な作品を送り出していた
    あの時代にリアルタイムで
    その作品を聴く事が出来たのは
    とても幸せなことだと
    この本を読んでいる間中
    感じていました


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    2025年11月09日
  • 松本隆 言葉の教室

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    よくぞ本にまとめてくれました!!

    と思うほどの読後感。
    松本隆の世界は、広く、深く、清潔で、眩くて、
    胸の奥に静かに落ちていく。

    その秘密が語られている。

    圧倒的な読書量と、知識欲、行動力、
    人を想う心のあたたかさ。

    よく読む人がよく書く。
    世界を見つめる目の確かさと、美意識と、
    知性が、あの世界を作っていたのだなと、
    改めて感動した。

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    2025年04月25日
  • 松本隆 言葉の教室

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    松本隆という作詞家の人柄を知るために読んだ。教養があり、普遍性を求め、バランス感覚に優れている方だと感じた。この人間性がとても好きだなと感じた。

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    2025年03月27日
  • 松本隆 言葉の教室

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    松本隆は東京を風の街と表現してるのか
    「風をあつめて」は勿論、「ルビーの指環」もそうだなぁ

    東京の移ろいやつさも、冷たさも切なさも
    確かに風の街だなー

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    2024年11月04日
  • 松本隆 言葉の教室

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    松本隆さんの名曲がどのようにして生まれたのか、作詞家として心がけていることは何かなど、本人が自分で解説している。松本隆さんの見てきた世界がこんなにも美しく、それをちゃんと言葉で表現できるのが良い。でも、最後らへんは松本隆さんじゃない人が長々と文章を書いてるので、そこが少し不満かなという感じ。

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    2024年07月23日
  • 松本隆 言葉の教室

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    松田聖子「渚のバルコニー」、「赤いスイートピー」や寺尾聰「ルビーの指輪」、Kinki Kids「硝子の少年」などのメガヒットを数多く生み出した日本を代表する作詞家、松本隆のインタビュー。

    稀代の天才が紡ぐ言葉はどのようにして生み出されるのか?多くの読者が関心を寄せるところだが、冒頭で氏は言う。自分は、定型やテクニックのようなものからは一番通りところにいる、と。人の心を動かすには、言葉は顕在意識ではなく潜在意識に届けなければならない。テクニックは顕在意識には届くが、ここにいくら届けても感動は生まれないと。

    例えばマーケティングなどの世界では、いつの時代もテクニックや定型化に余念がないが、作詞という文学的な世界ではそのようなものに頼っていては、時代を超えて語り継がれるものは作れないという事だろう。一方で、そうしたマーケの世界でも長く親しまれるキャッチコピーなどは存在する。松本氏のような発想で言葉を紡いでいく先にのみ、そのうような境地に至ることができるのかもしれない。

    文字の見え方、字面、並び、リズム感など、さまざまな要素を深く考え抜いて、作品に仕上げていくのである。学ぶことはたくさんある。

    リズム
    語感の気持ちよさ
    字数: 7、5調、日本語は3,5,7の組み合わせがベスト
    美意識: ガラスの林檎 (x リンゴ)
    言葉の並び: 好きよ、でもね、たぶん、きっと

    冒頭で否定したテクニックのような話も上記のように解説されているが、これらはいわば後付けの講釈であり、やはり松本氏は自身の感性や感覚的なものを大事にしていたのだと見受けられる。そうしたものを育んだのは、幼少期から触れていたという国内や海外の文学なのであろう。人を感動させるには、まず自分が感動しなくてはならない。

    言われてみれば当たり前に思えるが、凡人はなかなかそれに気づくことが出来ない。松本さんから教えて貰った事を生かしていきたいと思わせる、まさに言葉の教室だった。

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    2024年04月28日
  • 松本隆 言葉の教室

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    時宜を得たというか、きっとこの本が出るのが数年早かったら魅力が半減していたように思います。やはり歌詞を読むだけでなく昔の音源にもアクセスしやすくなったサブスクの存在はとても大きいです。
    何度も聞いたことのある木綿のハンカチーフってこんな曲だったんだ、みたいな再発見も多かったです。

    松本さんが礎を築いた「日本語で歌詞を書くこと」の美しさというのは、近年のJ-POPでもしっかりと受け継がれているように感じます。YOASOBIなどはサウンド面の印象が強いですが、歌詞もとても魅力的ですし、星野源さんの作品などにもその影響をとても強く感じます。

    余談ですが松本さんが作詞を始めたのも、星野さんがインストバンドのSAKEROCK後に歌い始めたのも、細野晴臣さんの一言がきっかけだったというのは面白いですね。才能を見抜く目がすごすぎる。

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    2023年10月23日
  • 松本隆 言葉の教室

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    何となく気になり、本書を手に取りました。

    私は歌のことはよくわからないのですが、この本では「言葉」がとても大切に扱われていて、そのことが深く印象に残りました。

    まっさらな気持ちで、感じ取ること。
    「言葉」をたくさん自分の中に蓄えておくこと。

    多くの人たちに届く言葉というのはこんなふうに生み出されていくのか、とあたたかな気持ちで読みました。

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    2023年10月08日
  • 松本隆 言葉の教室

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    日本歌謡史に残る、数々の名曲を誕生させた作詞家・松本隆。当時私は、曲先行で好みを選んでいたが、「これ、だれの作詞?」と、”言葉”の方を意識し始めたのが、松本隆さんの曲だった。昨年、トリビュートアルバムを購入し、TVの特別番組を拝見し、彼の作詞に対する姿勢に大変興味をもった。「言葉の教室」というタイトルのこの本は、予想した内容とは若干違ったが、それでも、人の心の琴線に触れる言葉を生み出すために実践されている松本氏の数々のエピソードに心打たれた。言葉の奥深さと美しさ、そして可能性について見つめ直してみたいと思う。

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    2022年04月18日
  • 松本隆 言葉の教室

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    作詞家の考え方が少しだけ分かったような気がする。松本さんは古き良き日本語(死語)を歌詞にして守られている。
    日本語のもつ優しさややわらかさは、声に発することでより浮き上がる。日本語のまとまりは3.5.7が1番しっくりくるのだそう。俳句や短歌が根付いているのはこういう理由かもしれない。

    目に映った情景を言葉にすることで、案外色んなものを見ていることがわかる。その情景に心打たれるか、無関心か。日常に心動かされる人間でありたい。

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    2022年02月08日
  • 松本隆 言葉の教室

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    「木綿のハンカチーフ」「ルビーの指環」「硝子の少年」…。2000曲以上を手掛け、50曲以上がヒットチャート1位になるなど、数多くの記憶に残る曲を生んだ松本隆。稀代の作詞家の、言葉とのつき合い方について解説する。

    やさしい言葉で書いてあるので読みやすい本。でも、詞はそんなに簡単に書けないと思う。

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    2022年01月06日
  • 松本隆 言葉の教室

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    松本隆(1949年~)氏は、言わずと知れた、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、大瀧詠一のアルバム「A LONG VACATION」、寺尾聰「ルビーの指輪」、松田聖子「赤いスイートピー」(ほか、24曲連続オリコン1位のうちの17曲)など、数々のヒット曲を手掛けた作詞家。シングル総売上枚数(2015年時点)は約5,000万枚で秋元康、阿久悠に次いで3位、シングル1位獲得作品数(同)は47曲である。作詞に専念する前は、細野晴臣、大瀧詠一、鈴木茂と組んで「はっぴいえんど」のドラマーとして活動していた。
    著者の延江浩(1958年~)氏は、慶大文学部卒のラジオ・プロデューサー、作家。アジア太平洋放送連合(ABU)ドキュメンタリー部門グランプリ、日本放送文化大賞グランプリ等を受賞している。
    本書は、松本が作詞について語ったことを著者が文章にした、いわゆる聞き書きである。(後半には、著者が松本の音楽・作詞活動について綴った「松本隆をめぐるナイン・ストーリーズ」が加えられている)
    前半の章立ては、レッスン1「記憶は宝箱 創作の源」、レッスン2「視点と距離 どこから切り取るか」、レッスン3「光と陰 美しさを際立たせる」、レッスン4「あなたが好きって伝えたい」、レッスン5「リズムとバランスと美意識」、アフターレッスン「松本隆のポリシー」となっている。
    いくつか印象に残ったセンテンスを挙げると以下である。
    ◆「テクニックに頼った瞬間、言葉は浅くなるんです。・・・意識には顕在意識と潜在意識とがありますが、テクニックや定型が向かうのは顕在意識のほうで、ここにいくら訴えても感動は生まれない。言葉は潜在意識に届けないと、人の心は動かないんです。」
    ◆「夕焼けを美しいと感じるとき、そのまま切り取っても、美しさは十分には伝わらない。・・・いちばん美しく見えるように、光と陰のバランスを調整する。陰を深くしたり、光を強く当てたりするのがデフォルメ(誇張)。針で突っついてやると増幅して波形がおおきくなる。それがアンプリファイ(増幅)。・・・どの角度から、どの部分を、どんな風に切り取るか。・・・コツは説明をしすぎないこと。余白を持たせる。間とか隙間が大事。」
    ◆「長いものより短いもの、難しいものより簡単なもの、複雑なことより易しいこと。ぼくにとって、世界でいちばん優れていると思う歌詞が、ジョン・レノンの「イマジン」です。難しい言葉がひとつもなくて、シンプルかつ短い言葉で表現が成り立っているでしょう。・・・難しいことを難しく言うのは簡単だけど、難しいことを易しく言うのは本当に難しい。表現を易しくすると、言いたいことが感動に値するか、あらわになる。」
    ◆「歌の快感は、音にしたとき気持ちいいかどうかで決まります。意味はあとまわしでよくて、大切なのはリズム。気持ちのいい語感かどうか。日本語として気持ちいい語感というのは、リズムやイントネーションによってつくられる。」

    私は松本より一回り以上若い世代ながら、今でも、大瀧詠一の「A LONG VACATION」や松田聖子の若い頃のベスト・アルバムをよく聞くし、松本の詩の世界にはとても惹かれるのだが、本書を手に取ったもう一つの理由は、最近短歌を作り始めたことにある。
    松本は、はっぴいえんどで「日本語ロック論争」に挑んだ人間だが、その「日本語でロックを作る(歌う)」戦いとは、短歌で言えば「口語で短歌を作る(詠う)」戦いともいえ、俵万智がその戦いで、松本と同じ役割を果たしたのだ(1987年発表の『サラダ記念日』)。その俵万智は松任谷由実に、また、同世代の穂村弘はザ・ブルーハーツに影響を受けたことは有名で、口語短歌は日本語ロックの作詞技術を取り入れて洗練されてきた。よって、松本の作詞の心得が、短歌作りに役に立たないはずはないのだ。
    松本の詞のようなかっこいい短歌が詠えるようになりたいものだと思う。
    (2021年12月了)

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    2021年12月16日