小林和幸のレビュー一覧

  • 谷干城 憂国の明治人

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    メモ

    保守強硬派の国粋主義者とも言われた「明治人」。名前は、「もののふは盾となり城となる」という意味で戸籍上「たてき」と読んだが、本人や家族は「かんじょう」と読んでいた。土佐藩の学者の家出身。坂本竜馬、板垣退助らと同世代。幕末は藩の中の主義主張の違いが並び立つ中、公武合体の藩主を立てつつも尊王攘夷、倒幕活動、戊辰戦争に関わる。竜馬暗殺犯を新撰組だと思い、近藤勇を憎んだ。

    明治維新後は政府に出仕。軍人として、征韓論に賛成、江華島事件、台湾出兵、そして西南戦争で熊本城に籠城する。

    自由民権運動の板垣とは幕末は盟友であったが、次第に対立。天皇を推戴し、過激な民権運動を批判。軍人から政治へ。

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    2012年03月23日
  • 東京10大学の150年史

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    毎年お正月の箱根駅伝は東京国際大学、中央学院大学、駿河台大学、城西大学、上武大学など、いまいち自分が知らない大学が、テレビ中継で伝統校とアナウンスされる大学と競い合うイベントとして楽しんでいます。見慣れない鮮やかなユニホームが新鮮です。一方、東京六大学野球はメンバーチェンジのない不動のチームたちのリーグ戦。まさに全試合が伝統の一戦です。今回読んだ本は、まさに六大学が全部入っている東京にある10大学のそれぞれの歴史をパラレルに並べています。慶應義塾1858年、筑波大学1872年、立教大学1874年、青山学院大学1874年、東京大学、学習院1877年、法政大学1880年、明治大学1881年、早稲田

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    2023年04月15日
  • 明治史研究の最前線

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     明治史研究も発展段階説から解放されて、より実証的な分析に基づく研究が進展してきた感がする。また、資史料の利活用も進み、地方レベルの動きが見えてくるなど、多角的な視点による研究も多く発表されているようだ。

     こうした状況であると、研究者ならぬ一般読者からすれば、発表される著作や論文がいかなる意義があり、どのように位置付けられるものなのか、見取り図が欲しいと思うのではないだろうか。本書は、そうした希望にかなりの程度応えてくれる。
     研究者がそれぞれ、維新史、内閣制度や皇室制度、政治思想、帝国議会、外交史、経済史、地域、宗教等のテーマに関して、現在の地点における研究の最前線を示す。

     巻末の、

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    2021年08月04日
  • 明治史講義【テーマ篇】

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    最近出された明治史に関する文献を基に、最新の解釈を紹介するもの。歴史の解釈は変わり続けるし、多面的に解釈する必要があることを改めて認識。
    テーマ毎に参考にした文献が記載されているので、更に学ぶためには便利。各テーマの紙面も限られているが、比較的コンパクトに纏まっていて復習的に扱うのではあれば問題ない。(初級者向けてはない、ということ)

    「個人篇」も読んだので、明治史を面と点で概観を押えることができた気がする。
    明治における先人の国家創りの強いエネルギーに刺激を受けることが重要。物事を大きく捉え、方向感を見極めて、強い意志がなければExecutionできない。

    ・7月の禁門の変による長州の敗

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    2020年04月19日
  • 明治史講義【テーマ篇】

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    明治維新から始まる日本の近代国家建設は、漸進的にそれもけっして真っ直ぐでない道だったことが分かる。誰かの理念・理想に基づいて進んできたのではなく、都度、落とし所を見つけてきた結果なんだ。見つける為政者自身も代わってきているしね。
    それにしても明治の世では、神社は宗教ではなかったというのには驚いた。宗教って概念は明治に生まれた訳語だったんだね。

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    2018年08月20日
  • 明治史講義【テーマ篇】

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    明治の歴史をテーマごと二十講に整理して書かれた本。

    正直一テーマだけで一冊書けるようなものを無理やり一冊の本にした、またテーマごとに書いてる人が違うのもあって全体としてバラバラで物足りないのは否めない。
    更に詳しく知るための参考文献が紹介されてるしで勉強したい人はそっちもどうぞって内容なんだけれど、これだけで分かった気にはなれないので正直しんどい。

    掃討勉強しないと逆に混乱の基になってしまうものの、色んな人のいろんな視点が見れるので今まであった思い込みや偏った見方の整理のは良い本でした。

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    2020年06月16日
  • 明治史講義【テーマ篇】

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    <目次>
    はじめに
    第1章  開国と尊王攘夷運動~国是の模索
    第2章  幕末雄藩と公議政体論~「公議」の運動から見る幕末政治
    第3章  王政復古と維新政府~せめぎあう維新官僚と諸藩
    第4章  廃藩置県・秩禄処分~分権から集権へ
    第5章  陸海軍の創設~徴兵制の選択と統帥権の独立
    第6章  明治前期の国家と神社・宗教~神社がしゅうきょうでなかったのはなぜか
    第7章  万国公法と台湾出兵~新しい国際秩序への一階梯
    第8章  自由民権運動と藩閥政府~板垣遭難と民権運動の展開
    第9章  西南戦争と新技術~海軍・汽船・熊本城籠城
    第10章  明治十四年の政変~大隈重信はなぜ追放されたか
    第11章  内閣

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    2018年04月06日
  • 谷干城 憂国の明治人

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    坂本龍馬の二歳下に土佐で生まれた谷は、幕末 期、藩主山内容堂に見込まれるが、尊皇攘夷、討 幕の志を持ち各地を奔走。明治維新後は、軍人と して台湾出兵、西南戦争を勝利に導き名望を集め る。日本初の内閣で入閣するも、西欧見聞後、議 会の重要性、言論の自由を主張し藩閥政府を批判 して下野。以後、貴族院を舞台に日清・日露戦争 で非戦論を貫くなど、国家存立のため国民重視を 訴え続けた。天皇と国民を深く愛した一明治人の 生涯。

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    2015年06月30日
  • 谷干城 憂国の明治人

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     「谷干城」については、名前は知ってはいたが西郷隆盛の西南戦争時に「熊本籠城戦」の指揮官を務めたぐらいの知識しかなかった。
     本書で「谷干城」が、幕末から明治にかけて「陸軍軍人・政治家」としてそれなりに活躍していたことを初めて知ったが、読めば読むほど、明治をもっと知りたくなった。
     「板垣退助」との関係や当時の「大同団結運動」などのかかわりも本書では出てくるが、本書で当時の政治状況がすべてわかるほど単純ではない。
     当時の「政治状況」を知ろうとすると、西洋から政治システムを導入せざるを得なかった日本が、日本的味付けのシステム構築に腐心していたことがよくわかるし、日本特有の文化との軋轢が現在の日

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    2013年09月01日
  • 谷干城 憂国の明治人

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    坂本竜馬らと同世代で土佐藩出身、戊辰戦争、西南戦争を経て
    華族となり貴族院の長として生涯持論を貫きとおした谷干城を描く。

    作者が強く意識しているのだと思われるが、
    谷の根っこにある信念には維新期より全くブレが無く、
    たえず私の政治を憎み、公の政治を日本にもたらそうとしていた。

    もちろん知識不足や偏りから行動には変遷が生まれるが、
    その根底には信念があり、好感が持てた。

    常にターニングポイントとなるのが上海渡航、欧米巡視など
    海外に出て広く見聞を得るところにあり、
    いつの時代でも広い視野と実のある知識を持つことが大事なのだと
    感じさせられる。

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    2012年03月19日
  • 谷干城 憂国の明治人

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     「封建」「国権」「国粋」「守旧」のイメージ濃厚な谷干城の実像を追求。時に民権派を理解、連携を模索し、足尾鉱毒被害救済に奔走し、日清・日露戦争では消極論・非戦論を唱え、党派的政治への批判を貫いたという。評伝というのはどうしても礼賛調になってしまいがちだが、本書もその弊を免れていない。他の専門家による別の角度からの研究が欲しいところ。

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    2018年08月16日
  • 谷干城 憂国の明治人

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    『明治立憲政治と貴族院』を読んでから、いつか出るなと期待してました(笑)。谷の立場・思想に著者が寄り添って彼の行動を説明。『明治立憲~』に引き続き、著者の谷像には信念の政治家という印象がありますが、逆に、理想と現実の折り合いがどのくらいついてる人だったのか、その柔軟性が気になっています。

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    2011年10月03日
  • 谷干城 憂国の明治人

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    ・谷干城は、(幕末から明治の政治舞台で活躍する人物を追う中)なかなか歴史小説では知る機会が少ない人物だ。
    ・土佐藩の重鎮ではあるが、板垣退助へ後藤象二郎に比べると馴染みが薄い。唯一、西南戦争での熊本鎮台での活躍を「翔ぶが如く」で知るのみだった。
    ・本書を読み終え、彼を武人以上に、筋が通った政治家として評価したい。藩閥政治の中にあって、批判を怖れず、まさに国を憂う気持ちを表現し続けていた政治家であり、これが明治の政治情勢に如何なる影響を与えてきたのか押さえることは、重要なことだと思う。
    ・谷は、国を憂い、時の勢力に流されることなく自らの理想を建白を続け、器の大きい、当時では決して珍しくない「私心

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    2011年04月25日