アーサー ミラーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2016年に、シアターコクーンで観ました。
その時は史実に基づく話と知らず、いまひとつわからないままでした。
戯曲を読んで少しは理解が進みましたが、魔女狩りは、いつの世にも、どこにでも存在している、という寒々とした気もちに…
アビゲイルはevilなのです。
プロクターは実際に告白どおり悪魔に会い、交わってしまったと言える…
だからといってこのような形で裁かれて良いわけではないのだけれど。
罪とは何なのか。自分はほとんど宗教に絡まず生きてきたから、法律的な罪にしか普段は反応できないけれど、こうした物語を知り、そうした側面から赤狩りの罪深さをあらためて思い知ったりする。
よい1冊でした。
-
Posted by ブクログ
舞台を観たことをきっかけに、本気で読みました。
歳を重ねたせいか、ウィリーも、リンダも、ビフもハッビーも、なんだかまずいなあと思いながら読みました。ウィリー→ハッピー→リンダ→ビフの順にまずい…
でも、若い頃はそのまずさに気づかなかったし、この話の深さがわからなかった。
誰が悪いわけでもなく、現代にも通じる…
セールスは、資本主義に必要だが、人として生きることをやめさせてしまう…
そんな風に感じないで、セールスが天職の人もいるのでしょうが…
追記
ウィリーは本当はどうしたかったのか…
リンダがビルの話に乗らなかったことは責められないけれど…
こういう家族は今もあるでしょう。
ところで、読 -
Posted by ブクログ
冬木先生のお勧め本です。
ひとの死に対して、なぜという感情は常に付きまとうものだと思う。
なぜその人は死んだのか、という疑問なら簡単に解決できるけど。
癌だったから。事故にあったから。自殺したから。
でも、なぜその人が死なねばならなかったのか。なら話は少し変わる。
なぜ、よりにもよってあの人が癌にかからなければならなかった。
なぜ、よりにもよってあの人が事故にあわねばならなかった。
なぜ、よりにもよってあの人が自殺しなきゃならなかった。
なぜ、いったい何がそこまであの人を追い込んだ。
主人公のウィリーを殺したのは肥大した自意識と現実との落差だったけど。
なぜ途中で誰も気づかなかったのか。 -
Posted by ブクログ
17世紀、アメリカマサチューセッツ州にあるセイラムで起きた魔女狩り、魔女裁判の実話をもとに、戯曲化したもの。著者が取材した内容が戯曲の途中で解説で盛り込まれており、登場人物のリアルな像に迫っている。
おれの仕事があまりにも忙し過ぎて、最近全然booklogを書けていなかったし、これももう1か月以上前に読んだ本で、記憶が薄れてきているが、集団ヒステリーの様子、騒動の発端となる女の子の演技(として描かれている部分)、それにつられる女の子たち、というシーンは今でも覚えている。あと、拷問で圧死することになる人が、石を胸(だったかな)に乗せられて、「もっと重く」って言って死んだこと、とか。あとは読み