別役実のレビュー一覧

  • 空中ブランコのりのキキ

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    3月3日別役実逝去。彼の舞台は見たことが無いのですが、子供の頃に深く刻まれている名前です。NHK「おかあさんと一緒」の中で「おはなしこんにちは」というコーナーがあって全く砂糖の入っていないような不思議な奇妙な大人っぽいお話が読まれていました。朗読・田島令子、作・別役実という名前をそこで知りました。お話の筋はまったく覚えていないのですが、子供を喜ばせる気が全然感じられない、だからこそ、都会っぽい謎めいた雰囲気がたぶん小学生高学年になっていた自分にはとても印象的でした。その気分を改めて感じようと、この童話集を開きました。最初の「街と飛行船」から衝撃。まるで新型コロナウィルスで封鎖される街がモデルの

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    2020年03月15日
  • 淋しいおさかな

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    ネタバレ

    淋しいおさかなだけ読みました。

    悲しくて、綺麗な物語。

    ひとりぼっちの少女が、淋しいおさかなに会うために沢山の冒険や苦しい思いをして海まで行ったのに、淋しいおさかなは少女が来ないからどこかへ行ってしまった。

    結局、おさかなは淋しいまま。
    少女はひとりぼっちのときには淋しいを知らなかったのに、おさかなと出会い、おさかなに会えなかったことでやっと淋しさが分かった。
    淋しさが分かったことは、良かったのか、悪かったのかは判断できない。

    とても悲しくて、それと同じだけ綺麗な物語だと思いました。




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    2020年01月22日
  • 空中ブランコのりのキキ

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    ネタバレ

    国語の教科書に出で来たのですが、色々な表現があり、面白い
    例えば、鳥やヒョウ、あゆなどが2回以上出て来たりとか、文章からキキの事についてよく分かったりとかがありませす
    これらを探すのも面白い

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    2019年06月10日
  • 童話 そよそよ族伝説 1 うつぼ舟

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     古代日本をモチーフにしたファンタジー物語の第1巻目。
    舞台である大沼の水の匂いまでするような出だしには、いつもドキドキさせられます。

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    2015年01月12日
  • 淋しいおさかな

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    ネタバレ

    40年前からの愛読書(三一書房刊行のもの)
    不条理をしみじみと味わうような物語と思っていたのだが、3.11原発震災以降、これらの物語群の描く不条理が他人ごとではなくなってきている感じがします。
    街中の人たちが何年も何年もかけて掘ってきた巨大な穴、その大工事の目的が実は何もなくて、無為に暮らしていると街に諍いが絶えないから始まった工事だった、次は何年もかけてそれをみんなで埋めていく。
    あるいは、何の役に立つのかわからない巨大な機械が街の中心に据えられていて、それを撤去しようとすると機械が作動して妨害する。そうやってそこにあることだけが目的の黒々とした機械。
    親があちこちの街でお星様を売りつけると

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    2014年11月16日
  • 淋しいおさかな

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    自己の意味を持たないもの、自己の意味を無くしてしまったものの悲しみを描く童話。その不安感、寂寞とした悲しみが滲み出してくる。

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    2011年04月05日
  • 童話 そよそよ族伝説 1 うつぼ舟

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    日本版ゲド戦記。
    人間の周りにたくさんの目に見えないものがいた頃の話です。

    薄暗くて、不気味で、人の力の及ばないものがたくさんあって、
    きっと日本人はこういうところから生まれてきたんだろうな。

    童話と冠してあるけれど、大人が読んでも絶対面白い!

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    2011年04月03日
  • 淋しいおさかな

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    子供の頃に読んだ大好きな本です。
    古本屋さんで単行本をようやく見つけて入手しましたが、知らない間に復刊されて文庫本が出ていたようです。
    手に入るかなあ。

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    2009年12月02日
  • 淋しいおさかな

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    別役実の童話短編集、といっても大人が読む本だと思う。言葉の使い方がとても綺麗なうえ、皮肉が利いていながら全体的に優しいところがいい。
    文章だけだが、絵が自然に浮かぶのは作者が舞台脚本の人間だからだろう。
    この本を子供に読んで聞かせる素敵な母になりたい。

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    2009年10月04日
  • けものづくし

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    懇意になっている、早稲田の古本屋で購入。
    その日ボブ・ディランのドキュメンタリー映画をその古本屋で見て、「見たんだから、なんか買ってけー」
    と言われ購入した。



    生物学を皮肉りまくった本。
    基本動物についての話で、ほんとっぽい書き方で終始進んでいくんだけど、なんだかよく分からないうちに「なぜそんな話に!?」っていう方向にずれまくる。

    何読んでるんだか分からなくなります。


    最高に肩の力が抜ける本。
    おすすめ。

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    2009年10月04日
  • 空中ブランコのりのキキ

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    キキという人物は自分が生きている価値を他人からしか得られないとても悲しい人物である。そしてそのようになってしまった背景には家族関係などが挙げられる。このような主人公の複雑な背景・状況など様々な視点から見ることが大切になる中学生の教科書にのる、ふさわしい文章であると思う。

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    2019年06月17日
  • 童話 そよそよ族伝説 1 うつぼ舟

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    大氏王朝を滅ぼした三輪の葛城王朝は、さらに天ノ原一族によって追いやられ、葦原の中ッ国はみずがきの都に王朝を開いたミマキイリヒコによって支配されていた。
    ある日、いつものように沼に舟を出していたアミは、日が暮れて暗くなった水面に、やわらかな羽毛に包まれた大きな卵のようなもの…「うつぼ舟」を見つける。それには髪の長い女と、生まれたばかりの赤子がひっそりと寄り添って乗っていた。

    うつぼ舟とは、王朝の血をひく女が、他の王朝の男の子供を産んだときに、母子を「夜見(よみ)の国」捨てるために使うもの。それがどうしてアミたちのくらす大沼に流れ着いたのか?
    大氏王朝最後の王・アシハラノシコオが夜見のスサノオと

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    2011年11月06日
  • 淋しいおさかな

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    「猫貸し屋」「ふな屋」「淋しいおさかな」がいい。
    淋しくて温かい。
    大人には別の味が出てくる童話。

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    2009年10月04日
  • 空中ブランコのりのキキ

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    街と飛行船
    空中ブランコのりのキキ
    夕日を見るX氏
    黒い郵便船
    の4つの童話が収録されている。
    と、気づいたのは「あとがき」を読んでからである。
    本のタイトルが「空中ブランコのりのキキ」なので、4つの童話ではなく、各章のタイトルだと思って最後まで読んでしまった。
    そう感じたのは、はじめの3つの童話を「黒い郵便船」で回収しているような構成だったからだ。とはいっても完全に回収されるのではなく、謎はたくさん残るのだが。何度も読み返したら、いろんな発見ができそう。
    すべてに共通しているのは、やさしいファンタジー。
    最後は消えてしまう。という終わり方をするのだが、「消える」ことに意味があるようでない。

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    2024年08月17日
  • 空中ブランコのりのキキ

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    ネタバレ

    3つの短編と1つの長編。
    どの作品も言葉で表現するなら、ヨーロッパな雰囲気の幻想的な話かな。
    各作品のテーマというか作者が伝えたい事ってのが何かイマイチよく分からかった。



    ・街と飛行船 ★★
    非常に短い作品。
    とある町の空に飛行船がずっと佇んでてという話。


    ・空中ブランコのりのキキ ★★★
    これまた非常に短い話。
    願いを叶えてもらった代わりに鳥になったという話。


    ・夕日を見るX氏 ★★★★
    これも短い話。
    夕日のキレイさがありありと表現され良かった!!


    ・黒い郵便船 ★★
    ながーーい話で読むのに時間がかかった。
    書いてることの意味が分からない場所が多く読みにくかった。
    物語全

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    2023年03月28日
  • 犯罪症候群

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    「(犯罪者は)自分の指紋を焼いて足取りを消そうとするが、指紋はまた復活するから意味がない。なら捜査機関が持ってる犯罪者ファイルを焼けばいいのに何故そうしないのか」とか「不眠症を経験した事の無い人間は異常」とか「スポーツマンが全員馬鹿なのは統計でも明らか」とか、割と極端な切り口の文章がところどころに出てくるが、ネタなのか本気なのかサッパリ解らない。津山殺人に対する松本清張と横溝正史の文体考察は興味深かった。

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    2013年12月12日
  • 犯罪症候群

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    別役実の犯罪についての哲学的(?)考察

    別役実なので、真っ赤なウソを真面目な顔で書いていることにだまされまいと用心していたが、やはり最初の30ページは騙された。

    後半は過去の重大犯罪について独自の視点からその犯罪の意味と世界の中での立ち位置について考察しているように思えた。

    横溝正史と松本清張の「津山三十人殺し」のとらえ方の違いを比較したものが興味深かった。

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    2013年08月10日
  • 淋しいおさかな

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    出版社/著者からの内容紹介
    今から30年ほど前、「おはなしこんにちは」というNHKの幼児向け
    の人気番組があったのを覚えているでしょうか。そこで朗読された童話が、本書
    に収められた、別役実氏の書き下ろし童話でした。
    表題作の「淋しいおさかな」をはじめ、「煙突のある電車」「猫貸し屋」「穴の
    ある町」「可愛そうな市長さん」など、22作に共通するのは、穏やかな始まり
    と、虚をつくような結末、あるいは哀愁漂う結末など、いわゆるハッピーエンド
    で終るような童話ではなく、大人の鑑賞にたえ得る童話という点でした。それ
    は、この作品集が単行本として刊行された当時、大人の支持を受け、版を重
    ね、復刊を望む声が多

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    2009年10月04日
  • 淋しいおさかな

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    これは復刊ですが、私の持っているのは初版5刷で、高校時代に友達にお見舞いにいただいたもの。
    今から30年ほど前、「おはなしこんにちは」というNHKの幼児向け
    の人気番組の中で語られたお話。表題作の「淋しいおさかな」をはじめ、「煙突のある電車」「猫貸し屋」「穴のある町」「可愛そうな市長さん」など、22作。

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    2009年10月04日