大澤昭彦のレビュー一覧

  • 正力ドームvs.NHKタワー―幻の巨大建築抗争史―(新潮選書)

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    日本テレビVSNHK。テレビ放送送信用の電波塔と屋根付き球場の建設を巡る争い。不忍池、代々木公園、芝公園、淀橋浄水場、東大久保など多くの候補地。少しでも相手を出し抜こうとする醜い争いが時間を置いて知ると実に面白い。
    結局、東京タワーそして後の東京ドームとスカイツリーによって実現するので、幻の計画には先見の明があったということだろう。

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    2024年05月22日
  • 高層建築物の世界史

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    ピラミッドからブルジュ・ハリファまで,「技術」ではなく「文化」に焦点を当てた建築物の「高さ」の歴史。
    扱う建造物は古代から現在まで幅広いが,特に鉄&ガラスという材料革命を経てシカゴやニューヨークに摩天楼が林立するようになる19世紀末からの記述が厚く,中でも第二次世界大戦以降にその「文化」が世界各地に拡がっていく様が詳しい。単純なデータの羅列・スペック比較に終わらず,権力や経済性,景観をめぐるあれこれなど,建てる者,使う者,見る者の立場から高層建築の歴史を考察している最終章も興味深い。
    新書にして400ページを超えるという結構なボリュームだったが,楽しく読めた。

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    2015年05月25日
  • 高層建築物の世界史

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     高層建築物をめぐる世界史。高層建築物というと、20世紀や21世紀につくられたアメリカ、日本、シンガポール、台湾、ドバイなどの高層ビルが浮かんでくる。この本では古代メソポタミア、古代エジプト、イスラム建築、日本の城など様々なものが取り上げられている。その分、通常の新書よりも1.5倍程度の厚さになっている。

     高層建築物の意味を考えるとして著者は以下の7つの視点を取り上げている。
     
    1.権力
    2.本能
    3.経済性
    4.競争
    5.アイデンティティ
    6.眺め
    7.景観

     人間、お金があり権力を持つと派手なことをして人に見せびらかしたい見栄っ張りになるのは古今東西を問わず共通しているようだ。「俺

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    2015年05月09日
  • 正力ドームvs.NHKタワー―幻の巨大建築抗争史―(新潮選書)

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    よく知らなかった2つの巨大プロジェクトの勃興と消長。
    民間ラジオ放送開始時に始まる官民 (NHK対民放) の対立、主導権争いに始まる放送塔を中心とした鍔迫り合い。
    特に日本テレビの正力松太郎とNHKの前田義徳を2つの軸とした物語が彼らの死後まで遺恨を引き摺っていたというのに驚いた。
    如何にも昭和時代の話ということも出来るが、単に組織的な対立だけでは、これだけの話にはならないだろう。やはり政治経済、メディアの世界に巨人、というか怪人が君臨していたからこそのことではないだろうか。

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    2025年01月14日
  • 高層建築物の世界史

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    ・東京は羽田空港の離着陸安全のため、都心部で高さ制限がある
    ・摩天楼は、鋼鉄、ガラス、エレベーターによってできた
    ・高層建築物は、権力、高さを求める本能、景観、経済性、競争、ランドマーク、復興や発展のシンボル
    ・高層建築物は不況のシグナルとなってきた。好況期に立て始め、できた頃には不況期
    ・ヒトラーは高さよりも広大さを求めた
    ・1914年に日本橋三越ができたときは、高さ51mで、スエズ以東他に比無し、などと謳われた

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    2022年10月23日
  • 高層建築物の世界史

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    東工大の、景観・都市計画、建築・都市計画法制史を専門にされている先生が、古代から現代に至るまでの高層建築物の歴史を纏めた本。構造や材料的なお話ではなく、背景や意味合いを中心に書いているので、ド文系の私でもとっつき易く読めました。
    新書の割に400ページ超と、物量がハンパ無いのですが、写真もちょこちょこ入っていて文章も読みやすく、スーッと入ってくる感じです。
    例えば、ローマ時代の高層アパート(紀元一世紀で6~8階建てって…)のエピソードや、WTCの設計者が高さではなく、ツインタワーであることそのものに重きを置いていた、というそれぞれのエピソードも興味深く読めました。

    終章は「高層建築物の意味を

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    2016年08月08日