工藤律子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルの通り社会的連帯経済(Social and Solidarity Economy:SSE)がテーマの一冊。
SSEは一言でいえば、利益の最大化よりも人々のニーズや社会的な目的、民主的な参加、連帯を重視して行われる経済活動、といった感じでしょうか。
元々はヨーロッパを中心に進んできていた共同組合、共済組織など市場とは異なる経済主体を捉える「社会的経済」と、
ラテンアメリカなどで、相互扶助や協働、市民による自治など既存の経済システムとは異なるあり方を意識した「連帯経済」
といつ二つの別々の歴史や動きを持つものが合わさった概念として国際的に使われるようになっているものです。
本書は日本ではまだまだ知られていないSSEについてすでに取り組まれている事業や取り組んでいる人を紹介する形式となっており、
・協同組合(生協、労働者協同組合など)
・NPO・非営利団体
・共済・相互扶助組織
・地域における住民主体の経済活動
などさまざまな取り組みが紹介されています。
概念としては重要ですし、NPOに関わる仕事柄普段から実際に関わっている取り組みにもSSEと呼べるものが複数あるということはわかったが、書籍からの学びという意味では少し物足りなかったかな。まずは事例を知らせるというところに重きを置いた取材としての「ルポ」なのだとは思うが、課題意識を共有したり関心を持った読者が、何を考えてみれば良いのか、まずどんな行動をしてみれば良いのか、その辺りの問いかけやガイド的な視点がなかったのはもったいないなと感じた。また、SSE自体が広範な取り組みを含むものだから仕方のない部分はあるけれど、働くことの意義、人とのつながり、自然との共生など複数の異なる焦点が出てくる中で、共通する視点や捉え方などのまとめももう一つ欲しかったかなというところ。「終章」の「民主主義」がそうなのかもしれないが、だとしたら本書で取材してきた各事例やそこにいる人たちの中で民主主義がどう捉えられているのか、あるいは著者からはどう見えたのか、などの視点があると良かったなと思う。 -
Posted by ブクログ
「働く」とはどういうことか?、という質問に対しての返答は、微調整では済まない、調整への参加行為とでも、答えてみようか。
現在の人の社会、世界での価値は、ほぼ調整をする事だけだろうから。そこに関わることが、働くと考える。ゆえにか、AIも有用になってきている。正解が必要とは、限らない。それらしく代用可能なら、及第。
それ以上の働きには、感謝と蕩尽と見做していいのだろうかな。つまり、非日常の世界の扉が開く。
蕩尽が、エンタメや戦争なら、感謝が、連帯的かな。代数、資本の枠を超えていくモノだな。前者が、トランプ、キッシンジャーなら、後者は、ドラッカー的だな。
パブリックより、コモン。つまり、私を突きつめ、地域という場に、根を張る、ということでいいのか。滅私の真逆か。それでいて、無連帯にならないということね。 -
Posted by ブクログ
書かれている内容はともかくとして、文章自体は読みやすく2日ほどで最後まで読みきることができた。
昨日たまたま、アメリカ合衆国に南米、中米からの移民がメキシコを経由して渡る途中に、40度を超えるトレーラーの中で死んでいたというニュースを見たところで。コロナ禍での世界的な不況、戦争による物価高に加え、観光客の激減によってなりふり構わず独裁化していく国々。この本で書かれている内容からさらに、現状は悪化しているんだろうなと思った。
日本も然り。
ただ、国の状況を考えると仕方がないとは思うが、現役でマラスに属して危ない橋を渡ってるギャング達には直接はほぼ取材できずに終わっていて、もう少し突っ込んだ内容が欲しかったなと。