あらすじ
中米にはびこる凶悪なギャング団「マラス」。主力メンバーは、全身にタトゥーを入れ、殺人や恐喝、麻薬取引などの犯罪に手を染めている。しかし、そこに関わる者の多くが、実はごく普通の青年だ。悪行の数々は、極貧のもと、親に守られず居場所を失い、追い詰められるなかでみつけた“生きる術”にすぎない。残虐性ばかりが強調されてきた彼らの真の姿に迫る第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。
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Posted by ブクログ
現実を知るのに良い本。
若いうちからいろんなことを心配して育つ中米の人々のたくましさは、こういうところから来るのかもな、、と。
解決策が見いだせない閉塞感もあるが、ひとりひとりの当事者は、今を生きている。そこに明るい兆しを見出してほしい。それは、教育なのか?コミュニティの力なのか。
Posted by ブクログ
書かれている内容はともかくとして、文章自体は読みやすく2日ほどで最後まで読みきることができた。
昨日たまたま、アメリカ合衆国に南米、中米からの移民がメキシコを経由して渡る途中に、40度を超えるトレーラーの中で死んでいたというニュースを見たところで。コロナ禍での世界的な不況、戦争による物価高に加え、観光客の激減によってなりふり構わず独裁化していく国々。この本で書かれている内容からさらに、現状は悪化しているんだろうなと思った。
日本も然り。
ただ、国の状況を考えると仕方がないとは思うが、現役でマラスに属して危ない橋を渡ってるギャング達には直接はほぼ取材できずに終わっていて、もう少し突っ込んだ内容が欲しかったなと。