あらすじ
資本主義に代わる次世代の経済として、EUを中心に今、世界で推進される「社会的連帯経済」。みんなが経営者となって働く労働者協同組合、NPOや社会的企業、地域通貨など利益追求を目的としない組織が連携し、新しい経済圏を形作る経済を指す。そこにあるのは「競争ではなく自分らしく」「会社ではなくコミュニティのために」という働き方だ。世界の格差・貧困問題を取材し続けてきたジャーナリストが日本各地での取り組み・事例を紹介。資本主義によって失われた人のつながりや小さなコモンを育む人々を描く、希望のルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
欧州を中心に広がっている社会連帯経済。その発端であるスペインでは国を挙げて推奨している。日本でも労協法が成立し、その動きを後押ししている。日本でも、社会連帯経済と意識せずに行われている取り組みは多々あり、それをルポした書である。愛媛県でも無茶茶園が取り上げられていた。農業や住まいや介護などの例は多々紹介されたが、こと医療については取り上げておらず。全国で医療福祉生協は活躍しているが、医療保険で成り立つ日本の医療制度の中での協同組合を社会連帯経済として、どのように位置付けるか難し所であるが課題と考える。
Posted by ブクログ
タイトルの通り社会的連帯経済(Social and Solidarity Economy:SSE)がテーマの一冊。
SSEは一言でいえば、利益の最大化よりも人々のニーズや社会的な目的、民主的な参加、連帯を重視して行われる経済活動、といった感じでしょうか。
元々はヨーロッパを中心に進んできていた共同組合、共済組織など市場とは異なる経済主体を捉える「社会的経済」と、
ラテンアメリカなどで、相互扶助や協働、市民による自治など既存の経済システムとは異なるあり方を意識した「連帯経済」
といつ二つの別々の歴史や動きを持つものが合わさった概念として国際的に使われるようになっているものです。
本書は日本ではまだまだ知られていないSSEについてすでに取り組まれている事業や取り組んでいる人を紹介する形式となっており、
・協同組合(生協、労働者協同組合など)
・NPO・非営利団体
・共済・相互扶助組織
・地域における住民主体の経済活動
などさまざまな取り組みが紹介されています。
概念としては重要ですし、NPOに関わる仕事柄普段から実際に関わっている取り組みにもSSEと呼べるものが複数あるということはわかったが、書籍からの学びという意味では少し物足りなかったかな。まずは事例を知らせるというところに重きを置いた取材としての「ルポ」なのだとは思うが、課題意識を共有したり関心を持った読者が、何を考えてみれば良いのか、まずどんな行動をしてみれば良いのか、その辺りの問いかけやガイド的な視点がなかったのはもったいないなと感じた。また、SSE自体が広範な取り組みを含むものだから仕方のない部分はあるけれど、働くことの意義、人とのつながり、自然との共生など複数の異なる焦点が出てくる中で、共通する視点や捉え方などのまとめももう一つ欲しかったかなというところ。「終章」の「民主主義」がそうなのかもしれないが、だとしたら本書で取材してきた各事例やそこにいる人たちの中で民主主義がどう捉えられているのか、あるいは著者からはどう見えたのか、などの視点があると良かったなと思う。
Posted by ブクログ
資本主義時代の働き方が行き詰まっている今、EUやメキシコなどラテン系の国を中心に広まりつつあるSSE(社会的連帯経済)という考え方についてのルポルタージュ。
お金儲けや名誉のために、上ばかり向いて働くのではなく、自分らしくあることや社会との連帯、繋がりを大切に働くことには共感をおぼえる。
日本にすでにある共同組合やNPOなどとの違いや、今後の展望についても述べている。
こういう働き方が拡がって欲しいと思う一方で、強迫的で真面目な国民性の日本で広めることの難しさも感じた。
でもこんな働き方が広まって欲しい。
Posted by ブクログ
昔ながらの企業勤務に困憊した人、疑問を感じた人がシフトチェンジする為のヒントが書かれているかも知れない。
体系的に書かれている訳ではないので、拾い読みか目次を見て、引っ掛かった部分をしっかり読む、といった感じではないだろうか。
くまざわ書店阿倍野店にて購入。
Posted by ブクログ
「働く」とはどういうことか?、という質問に対しての返答は、微調整では済まない、調整への参加行為とでも、答えてみようか。
現在の人の社会、世界での価値は、ほぼ調整をする事だけだろうから。そこに関わることが、働くと考える。ゆえにか、AIも有用になってきている。正解が必要とは、限らない。それらしく代用可能なら、及第。
それ以上の働きには、感謝と蕩尽と見做していいのだろうかな。つまり、非日常の世界の扉が開く。
蕩尽が、エンタメや戦争なら、感謝が、連帯的かな。代数、資本の枠を超えていくモノだな。前者が、トランプ、キッシンジャーなら、後者は、ドラッカー的だな。
パブリックより、コモン。つまり、私を突きつめ、地域という場に、根を張る、ということでいいのか。滅私の真逆か。それでいて、無連帯にならないということね。
Posted by ブクログ
身近にこのような取り組みがない(知らないだけかも)からか、具体的事例が述べられているにもかかわらず現実感が薄い。効果の大きさが強調され、課題の扱いが小さいからかも。
重要な問題提起だとは思う。