かこさとしのレビュー一覧
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かとさとし先生の絵本にはもちろんお世話になっていたし、だるまちゃんも大好きだったけど、こどもの頃は作者という概念もなかった。長じてから、あれもこれも同じ人が描いていたのかとやっと気づかれるのが絵本作家というものだろう。
大人になったあとも、絵本作家の大御所くらいにしか認識していなかったし、特別ファンというわけでもなかったが、表紙のだるまちゃんが懐かしくて手にとった。初めて訪れた駅でたまたま立ち寄った小さな本屋の品ぞろえが気に入って、応援したい気持ちもあって購入した。
かこさとしは、終戦を19歳で迎える。軍国主義から手のひらを返したように態度を変えた大人に絶望し、未来を子どもたちにみた。東 -
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友人がSNSで紹介していたのを機に購入。お名前は知っていたが、なぜか絵本に触れることもなく過ごしてきた。しかし、一読して、素晴らしい表現者であることに唸らされた。覚悟もやり方も、表現も、とても簡単に真似できるようなシロモノではない。けれど、物語を書くものとしてハッとさせられる箇所、学びを得る箇所はたくさんあって、なにより「正直」に居たいと痛感した。
(24.7.30.奥さんのことを書かない作家はちょっとな、という自分流分類を思い出し星ひとつ減)
余談だが、戦中から戦後の「手のひら返し」は、皆川博子さんの幻想短編集「蝶」や、ドナルド・キーン氏の「日本人の戦争 作家の日記を読む」中の永井荷風らの -
Posted by ブクログ
ネタバレ絵本作家として有名なかこさとし氏の半生と、未来の子供たちへの想いが綴られた本作。
前半は朝ドラを楽しんでいる感覚で、後半は子どもを育てていく大人のための参考書として読ませてもらった。
著者は絵本作家だが、工学部出身で、50代半ばまで一般企業の研究員として働いていたということに驚かされた。
幼いころから絵が好きで、親の目を盗んで風呂沸かししながら絵の練習をしていたこと、学生時代には工学を学びながら、文学や演習の勉強をしていたこと、社会人になってからは仕事と子どもとの交流や作品作りを2足のわらじを履きながら続けてきたこと…常に生活とバランスをとりながら絵本作家としての自身を築き上げてこられてきた