かこさとしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「だるまちゃんシリーズ」「どろぼうがっこう」から「ピラミッド」などのかがく絵本まで、幅広く描かれたかこさとしさんの生涯、そしてこどもたちへの思いががよく分かる。
セツルメントで出会った子達に、真摯に向き合いすぎて、我が子と遊ばなかったのは意外だったし
絵本を書きながら昭和電工に25年も勤めていたこともびっくりだった。
その中で、印象的だったのは、そこで原子力発電の重水を作っていて、そこに研究室もあったので、勉強もしていたとのことだった。
かこさんが、かがく絵本の1つとして、原子力発電所をずっと描きたかったと言っていた。でも描くことのなく終わってしまった。理由は……。
大人になってから改めて「ピラミッド」の絵本を娘と見た時、あまりにもよくできていて驚いた。マクロからミクロ至る面白さが本当に素晴らしかった。
かこさとしさんが亡くなった今、かこさんに顔向けできるような、おとなになれただろうか。こどもに、ちゃんと大事なことを伝えられるおとなになれているだろうか。
核の脅威、戦争の脅威から未だ逃れられず、恥ずかしくもある。
だるまちゃんを読んで育っていった大人なのに。
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Posted by ブクログ
すごく良かった。
絵本作家のかこさとしさんのエッセイなんだけど、ですます調で書かれていて堅苦しくなく、人柄もでてとても優しい文体。
一章と二章のかこさんの少年時代や青年時代の話が面白かった。
子供を語る大人って、子供を神聖視してるというか、純粋無垢な存在だと言う人が多くて私はいつも違和感を感じてたんだけど、かこさん曰く「『子どもっていうのは、純粋無垢の天使だ』なんて言い出す方がいると、だから、もうゾッとしちゃうんですね。」と。めちゃくちゃ頷いてしまった!
子供って結構残酷だし、嘘つきでずるい。
でもそう言う悪いことをして失敗して自分で考えて善悪を分かっていくんだと。
かこさんは本当に子どもが好きなんだな。
なのに自分の子どもとは全然遊んでやらなかったらしく、そこは残念だったな。笑
今度久しぶりにかこさんの絵本読んでみよう。からすのパン屋さん懐かしいな。
このエッセイはずっと手元に置いて置きたい本になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレかこさとしさん、なんて大きな温かい視点で、絵本を書いていらしたのでしょう。
命をかけた人々の思いを胸に、戦後の全ての変化から、迷いながら大切なものを自分の視点で考え、子どもたちの未来に行きついたこと。仕事も、絵本作家としても、人生そのものに妥協せずに、誠実に生きていらしたこと。どの絵本も子どもたちから学んだことを隅々にまで気を配り、よく考え考え、作り上げてきたこと。
特に科学絵本を書く際に、子どもたちに向けて責任を持って「見取り図を描く」姿勢には頭が下がる。
戦争に深く後悔されたかこさんだからこそ、非戦の絵本を読んでみたかったとしみじみ思う。 -
Posted by ブクログ
かこさんが亡くなられて数年。かこさんは今頃、どこかで今の日本を見ておられるのだろうか?どんなことを危惧し、どんなことを思っておられるのだろう。
「子どもは子どもなりに持っているもの、考えていることが必ずあるはず」という一文。子どもを見る上忘れてはいけない。侮ってはいけない。子どもは「小さい人」だ。
最後の数ページは特に胸に響いた。
「生きるということは、本当は、喜びです。
生きていくというのは、本当はとても、うんと面白いこと、楽しいことです。」
それを多くの子どもに感じて、知ってもらいたい。
戦前に生まれ、敗戦ですべてのことがひっくり返り、戦後を生きてきたかこさんの言葉は重かった。 -
Posted by ブクログ
名著復活!絵本作家かこさとし、子供の頃の四季を通じた遊びの記憶。大人になって振り返る甘酸っぱい思い出の数々にはしんみりします。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」で有名なかこさとし(自分には「からすのパン屋さん」の印象)の作品。1975 年日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。その後長く絶版だったのが2018年に復刊(ありがとう復刊ドットコム!)、その文庫版。
越前の武生で過ごした子供の頃の遊びについてイラストを含め詳細に記録している。筆者の記憶力には驚かされる。多くの遊びは実際にやったことはないが、なぜか懐かしさを感じる。母が同じ北陸の出身なので、自分の小さな頃に教わった遊びもちらほらと。
おそらく今では絶滅したであろう、自然を活かした遊びの数々。季節ごとに草花を使ったもの。雪国の長い冬の室内の遊びなど。
本書を読むまで知らなかったが筆者はバリバリ理系のエンジニア。絵本作家としての技量ばかりだなく、冷徹に子供の遊びを振り返る視点が本書の中身を濃厚なものにしている。そして子供の教育、成長に関した卓越な論評が素晴らしい。特に大人社会の虚偽を子供が見抜いているという「兵隊ごっこと戦争ごっこ」は秀逸。
中勘助の名作「銀の匙」に似た、子供時代に対する甘酸っぱい耽美な記憶を呼び覚ます作品。
今度実家に帰った時、母にも読んでもらおうと思う。
復刊して下さった方々に感謝したい。