小坂康之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前々から読みたいと思っていた本。4月からこの話がドラマになるらしいと聞きつけ、この機会に読みました。もっと早く読めばよかった!
同じ教職、しかも実は水産に携わる生徒を育てる学校に現在勤めているので、共感しながら、かつ感嘆しながら読みました。
夢を持ってやってきた水産高校。
最も古い歴史を持ちながら、教育困難校になってしまった小浜水産高校への赴任からお話は始まります。
まず、新任の先生が生徒たちと気持ちをかよわせるのも難しいという状況が、個人的に共感ポイントでした。自分もむちゃくちゃな高校に行ったことあったなぁ…。
しかし、小坂先生はそこから徐々に生徒たちを変えていくのです。教育者として手本となるお話が多く、どんな生徒もチャンスを与えて、主体的に行動させることが大切なのかも…と感じました。
わたしも間近で水産を学ぶ生徒を見ていますが、普通科だったら落ちこぼれで終わるかもしれない生徒たちが研究活動で成果を上げる姿はいつ見てもすごいと思います。
そして本題の宇宙にサバ缶を…!のお話。
もともとHACCPがきっかけらしい。HACCPとは、もともとNASAが宇宙食の安全管理のために作った食品衛生管理システムのことです。
NASAが関係していることを学び、生徒の「宇宙食、作れるんちゃう?」の一言から運命が動きだします。
わたしは学校現場をよく知っているので断言します。この一言を言った生徒も素晴らしいですが、この一言を活かす環境を整えた先生はさらに素晴らしい。
学校って保守的なんです。
チャレンジがしにくいし、教育困難校ならなおさらで、生徒を管理監督しようとするのがふつうです。
ですが、小坂先生はこの一言を忘れなかったし、生徒たちにどうすれば宇宙食として採用されるのか考えさせようとした。
なかなかできることではありません。
この話は読む前はもっと生徒目線の話なのかと思っていましたが、読んでみると、教育者としての心構えを教えられることが多く、単なるサクセスストーリーではないと感じます。
人と繋がり、人を育てて、不可能を可能にする。
どんな学校でもバトンをわたし、挑み続けることで夢につながる。
サクセスストーリーは1人の人間が夢を実現することが多いのですが、この話は小坂先生だけではなく、周囲の先生、生徒たち、たくさんの大人が真摯に課題に取り組む姿が印象的です。
廃校寸前までいき、知恵を絞って希望を残し、やっとの思いで宇宙食として認められる過程は胸がいっぱいになります。
野口聡一氏が缶詰を食べるシーンでは、思わず涙ぐんでしまいました。
ドラマではもっと劇的に描かれるのかもしれませんが、この本だけでも十分に感動的でした。
水産高校に勤めるなか、もっと水産高校を知ってほしいという思いをわたし自身抱いています。
きっとこの本や、ドラマが知ってもらう機会を作ってくれるでしょう。 -
Posted by ブクログ
小学高学年への本を探して。
宇宙食として採用された日本食のなかに、高校生が作ったメニューがあります。それが福井県立若狭高校の作った「サバ醤油味付け缶詰」です。この本は「地元若狭のサバを宇宙に」という生徒の言葉から宇宙食開発が始まり、認定されて宇宙で食べられるまでの14年奮闘記です。
重力のない宇宙での食事ってどんな状態?宇宙飛行士たちが食べたい味はどんなもの?(濃いほうが好まれるそう)
宇宙食なんて作ったこと無いので先生も正解がわからない、その上高校の統合や研究時間の確保などの企業ではない苦労もたくさん。
それでもJAXAの人や宇宙飛行士さんにアドバイスをもらって、意見を出し合い、代々先輩から後輩へと受け継いでいく。
ジャクサ認証宇宙食の日本食一覧、宇宙での食事にまつわるコラム、イラストや写真も使われて、宇宙開発や宇宙飛行士の健康のことなども分かります。
自分一人ではできないことを代々受け継ぎ成し遂げたという一大プロジェクトの一員としてやることをやるというのも良いです。
宇宙のこと、食を知る事もできるし、将来を考える中高生にもおすすめです。 -
Posted by ブクログ
わたしも大好きなサバ。
宇宙へサバ缶を届けることを目標に、次の代へバトンを渡しながらたどり着く物語。胸が熱くなり、わくわくとともに、お腹が空いてくるお話でした。
きっかけは生徒の一言から始まったけど、それを広げて繋げていき、実際に宇宙食になるまでの過程がよく分かる。生徒や海想いの熱い小坂先生と、JAXAで実際に話を聞いてくれて力を貸してくれた岸さん、「宇宙日本食」の開発エキスパートの中沢さんに出会えたことも大きい。
中沢さんが高校を訪れて講演と調査をした日に、「缶詰は宇宙日本食には認められない」と伝えられた。
その理由は、食べたあと、缶がかさばりゴミになるから。
それを聞いた時、小坂先生は終わったな…と諦めそうになるが、生徒は違う。「何か手立てはありますか?」と次の課題を解決しようと考える。その姿勢をわたしも見習いたいと思った。
地元の漁師たちを悩ませる、巨大クラゲのエチゼンクラゲの大量発生の話も面白かった!
「あのクラゲ、食べられるん?」その一言から、食品加工して商品化になり大ヒットとは…
大型クラゲも煮詰めると液体になるらしい。簡単な加工で液体にし、それを工場で乾燥させ粉末化させることに生徒たちが成功。それからクラゲ入りクッキーへと商品化になるのも見事。どんな味がするんだろう。食べてみたいね!
コラム3の宇宙で食べ物を育てるという話。映画の「オデッセイ」を思い出した。そんなシーンあったよね。
宇宙日本食の開発の歩みも面白い。
日本食といえば、これ!ってメニューがいくつもある。日本が恋しくなる味ばかり。