あらすじ
宇宙食をつくった高校生たちの探究リレー。
「ジューシーなお魚。しょうゆもしっかり染みていておいしいです!」
2020年11月、野口聡一宇宙飛行士が宇宙からYouTubeで食レポを配信したのは、高校生たちが開発した宇宙食のサバ缶だった。
本書は、JAXA認証宇宙日本食「サバ醤油味付け缶詰」をつくった福井県立若狭高校の生徒たちの、山あり谷ありの14年の軌跡を取材したノンフィクション児童書。
それは、地元の名産「サバの缶詰」を宇宙食に、という生徒の一言から始まった。
でも、宇宙で食べたくなる味って?
行ったことのない宇宙での「正解」は、先生だって知らない。
そんな宇宙食開発で大切なことは、宇宙飛行士の体と心によりそうことだった・・・・・・。
どうにもならない困難にたびたび直面しつつも、「探究」のワクワクを原動力に、疑問に思ったことを調べてみる、仮説を立ててやってみる、結果を観察し記録する。先輩から後輩へと「探究」のバトンが受け継がれ、ついに夢をかなえた実話です。
そのほか、JAXA認証宇宙日本食のメニュー一覧や、宇宙での食事や健康にまつわる5つのコラムも収録。まるごと一冊、宇宙食の本です。
※この作品は一部カラーが含まれます。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
大人も読むべき児童書
"宇宙では80度以上のお湯は蛇口から吹き出してしまう。
無重力はあらゆるものがふわふわ漂ってしまうものだと分かりつつも、沸騰したお湯がどうなるのかはこれで知ることが出来たし、読めない漢字は絶対ない!ルビ徹底。
漫画しか読めない人でも、宇宙を楽しめるようになってる。宇宙食にはどのような工夫が必要なのか?知らない人は読んでみるべき1冊。
宇宙で発生したゴミは大気圏焼却!"
Posted by ブクログ
福井県にある小浜水産高校(その後統合され若狭高校になる)に伝わるサバ缶の伝統を生徒達が受け継ぎながら十数年かけて地元のサバ缶を宇宙食にまで成長させていくまでの過程を描いた一冊。
高校でのハサップ認証取得、食品メーカー並の商品開発など「下町ロケット」顔負けのものづくりストーリーでありつつ、「教育」というテーマにも真っ直ぐ向き合わされる素晴らしい内容でした。
夢を応援しながらも、決して甘やかさない先生のスタイルからは学べることもとても多く、高校生がこれだけ頑張っているんだから大人も頑張らなきゃなと勇気をもらえました。
Posted by ブクログ
小学高学年への本を探して。
宇宙食として採用された日本食のなかに、高校生が作ったメニューがあります。それが福井県立若狭高校の作った「サバ醤油味付け缶詰」です。この本は「地元若狭のサバを宇宙に」という生徒の言葉から宇宙食開発が始まり、認定されて宇宙で食べられるまでの14年奮闘記です。
重力のない宇宙での食事ってどんな状態?宇宙飛行士たちが食べたい味はどんなもの?(濃いほうが好まれるそう)
宇宙食なんて作ったこと無いので先生も正解がわからない、その上高校の統合や研究時間の確保などの企業ではない苦労もたくさん。
それでもJAXAの人や宇宙飛行士さんにアドバイスをもらって、意見を出し合い、代々先輩から後輩へと受け継いでいく。
ジャクサ認証宇宙食の日本食一覧、宇宙での食事にまつわるコラム、イラストや写真も使われて、宇宙開発や宇宙飛行士の健康のことなども分かります。
自分一人ではできないことを代々受け継ぎ成し遂げたという一大プロジェクトの一員としてやることをやるというのも良いです。
宇宙のこと、食を知る事もできるし、将来を考える中高生にもおすすめです。
Posted by ブクログ
全般にわたり、興味深く読んだ。
食品が宇宙食になるまで…そんなに規定が厳しくなるのか!と驚くだけでなく、なぜそんな規定が必要なのかを踏まえながら、宇宙を楽しく知ることもできる。
そして、生徒たちの探究心、期待を込めながらそれを見守る大人たち(教員だけでなく、宇宙食開発に携わる人、宇宙飛行士まで!)。
読みながら、思わず熱くなった。。
Posted by ブクログ
先輩から後輩へと研究結果が受け継がれていき、14年もの年月を経て、宇宙食となったサバ缶のお話
高校生の力って凄いなと
また先生が教えるのでなく支えていく立場に回っているのが子どものためとなっていた
高校生/福井
Posted by ブクログ
わたしも大好きなサバ。
宇宙へサバ缶を届けることを目標に、次の代へバトンを渡しながらたどり着く物語。胸が熱くなり、わくわくとともに、お腹が空いてくるお話でした。
きっかけは生徒の一言から始まったけど、それを広げて繋げていき、実際に宇宙食になるまでの過程がよく分かる。生徒や海想いの熱い小坂先生と、JAXAで実際に話を聞いてくれて力を貸してくれた岸さん、「宇宙日本食」の開発エキスパートの中沢さんに出会えたことも大きい。
中沢さんが高校を訪れて講演と調査をした日に、「缶詰は宇宙日本食には認められない」と伝えられた。
その理由は、食べたあと、缶がかさばりゴミになるから。
それを聞いた時、小坂先生は終わったな…と諦めそうになるが、生徒は違う。「何か手立てはありますか?」と次の課題を解決しようと考える。その姿勢をわたしも見習いたいと思った。
地元の漁師たちを悩ませる、巨大クラゲのエチゼンクラゲの大量発生の話も面白かった!
「あのクラゲ、食べられるん?」その一言から、食品加工して商品化になり大ヒットとは…
大型クラゲも煮詰めると液体になるらしい。簡単な加工で液体にし、それを工場で乾燥させ粉末化させることに生徒たちが成功。それからクラゲ入りクッキーへと商品化になるのも見事。どんな味がするんだろう。食べてみたいね!
コラム3の宇宙で食べ物を育てるという話。映画の「オデッセイ」を思い出した。そんなシーンあったよね。
宇宙日本食の開発の歩みも面白い。
日本食といえば、これ!ってメニューがいくつもある。日本が恋しくなる味ばかり。