三島有紀子のレビュー一覧
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「しあわせのパン」
映画を勧められたので先ずは本から…
北海道の月浦で“夫婦“が営む
「cafe mani(マーニ)」
そこを訪れる人々との出会いや夫婦のかたちからしあわせとは何かを語りかけてくる物語。
読後はとても優しく穏やかな気持ちになれる。
やっぱり「あたたかい食べ物」って大切で
ほんとうの幸せって案外身近にあったりする。
丁寧にいれられた珈琲と心を込めて作られたパン…これもまた、たまらなく贅沢でしあわせな時間。
最後の章 水縞くんの「カラマツのように君を愛す」と、エピローグでりえさんが母に宛てたであろう手紙にジーンと来た。
小説では『月とマーニ』の絵本が巻末にあるので頁をめくり -
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ネタバレ●さよならのクグロフ
深く干渉せず、でも暖かく包み込んでくれる、自分の感情の起伏と関係なく回っている世界。同じ時間軸のはずなのに、なぜか時計の針が少しゆっくり進んでいるんじゃないか、と感じさせてくれる環境。香織みたいに全てが嫌になってなげやりになっている時に、マーニような場所があってよかったなと思った。
●ふたりぼっちのポタージュ
自然と涙が溢れた。家族間で一度拗れた仲はなかなか修復が難しい。未久はまだ小4、父親も大人とはいっても、大人だから完璧になんでも物事を解決できるというわけでもない。当人にしか分からない心の機微もある。そんな中、言葉ではなく食事という手段で、2人で感情を分かち合うことの -
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いちいち泣けた。
なんか静かにふつふつと込み上げる、どの人もまぁそういうこともあるよねぇ。っていう悩みの中、静かにホントひたむきに悶え苦しむ。
しかも、そもそもどれもこれもありふれた悩みと言えば悩みで、誰もが一度は思い悩んでいそうな良くある悩み。
ただ、そこをゆっくり見つめて、じっと耐えて、噛み締めてる人たちを、
これまたそっとさすってくれるようなカフェ。
映画もだいぶ前に見たんだけど、本のほうがぐぅーっときます。
思わずわたしも行きたい。ここに。
そして、ほんの少しだけ月に照らされてパワーをもらいたい。
そしたら、また明日から自分らしくいられるような気がする。
と、思う一冊でした -
Posted by ブクログ
本書は、映画監督・脚本家である三島有紀子さんの初小説作品。自ら手がけた映画「しあわせのパン」の公開(2012)に先駆けて、同名小説を刊行したものだそうです。
北海道洞爺湖畔の「カフェ・マーニ」。訪れる人は、丁寧に淹れられた珈琲、丁寧に焼かれたパン、四季折々の食材を活かした食事、丁寧に接するりえさんと水縞くんに心をほぐされ、癒されていきます。でも、丁寧にお客様をもてなす2人も、ふと哀しい表情をすることがあるのでした‥。
本書の中に頻繁に登場する架空の絵本「月とマーニ」が、物語の大きな役割を担っているようです。りえさんの願い・カフェの理想像であり、この物語の重要なテーマなんだと思います。