加齢に伴うもの忘れは当然のことで,容易に新しいことが記憶できなくなっても、もの忘れが多少増えても病気などではない。高齢になってからのもの忘れは「記憶の総量が大きくなったこと」「経験が豊富になって行動に余裕があること」の2つが主原因。
喜びの感情によって新たな記憶が残りやすいが、新たな環境や情報によってドーパミンが生み出されるのは即座核の反応によるので個人差あり。3歳までに完成する情動記憶の回路がどれだけしっかり作られているかによって、喜びの感じ方が大きく左右される。
セロトニンの分泌が減ると鬱になる。セロトニン不足は記憶の形成が不良になる。原因はセロトニン不足により海馬でのシナプス強度の過剰な増強を引き起こし、記憶の形成を妨げるから。シナプス強度は濃淡がないと記憶の定着に結びつかない。
セロトニンを増やすには、日光浴10〜20分、米、大豆,乳製品を食べる、リズミカルな運動(ガムを噛む)讃美歌や読経。が効く。
鬱っぽい時は何かに集中する時間を持つといい。鬱は分散系が過活動に陥っているから。
運動は脳にいい。その理由は
運動することで筋肉から様々な成長因子が分泌され、それが脳に届いて脳を守ってくれている。特に重要なのが「ICF-1 (インスリン用成長因子)」と「VEGF (血管内皮細胞増殖因子)」という分子で、これらは、ニューロンやグリア細胞の直接的な保護効果を持っている。さらにこの物質は脳に入ると「BDNF (脳由来神経栄養因子)」やセロトニンといった脳細胞全体を保護する分子の分泌も促進してくれるから。
さらに、BDNFと言う分子には、ニューロンを細胞死から守って生き延びさせる作用があり、いろいろな疾患との関連が指摘されている。アルツハイマー病では血中のBDNFレベルが低下していることが示されている。そして運動によって分泌されるこれらの成長因子は、海馬の血流を増加させ、神経新生も増やし、結果として、記憶も含めた認知機能を改善させる効果も示されている。さらには炎症を促進する「IL-1 β」を減少させて、脳の慢性炎症を抑える働きまである。良いことずくめ。