孫子のレビュー一覧
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本文を読む価値は言わずもがなですが、解説も丁寧に読む価値があります。戦いにおける突き詰めた現実主義、主導権を握る事の重要性、など他の孫子の解説本を読む前に是非読むべきなのではと思いました。
「彼れを知りて〜」で有名な文はありますが、私が1番気に入ったフレーズは、「故に明主賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出づる所以の者は、(中略)必ず人に取りて敵の情を知る者なり。」ですね。要は知るためには、結局は誰が見てこないと現実は分からないって事なのでしょうが、それだけ知るという事は難しいし重要だという事で、SNSやネットニュースに囲まれる現代では耳が痛い話です。ビジネスで調査などする時にも、希望的観測だっ -
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戦略。それを全うする為の姿勢、或いは哲学的思考。
キング◯ムに孫子の兵法がいくつも登場する。見たことがある人ならすぐ気づくだろう。黒◯丘の戦いは、正にそれである。戦況も見処なので、この本を見た後に読み直したら爽快感が増すのではないかと思う。
それから、風林火山は孫子の兵法の一節の一部分だ。疾風感、無双感がある。また軍を鼓舞する言葉であろう。美徳的雄々しさをイメージするが、実際は断崖絶壁、絶対絶命の中、勇猛果敢一択ではないだろうか。敵も味方も孫子の手の平の内。底恐ろしさを感じる。
違った視点で考えると、組織リーダーの在り方とも捉えられ、学ぶべきことが多い。組織の利益を追求しつつ組織構成員も大事に -
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古今東西、様々な軍師に読まれてきた戦略書の古典
徹底的な現実主義に立脚し、精神論を排し、どのように戦いに向き合うべきかを説いています。
春秋時代に書かれた戦争に勝つための兵書ですが、人生の様々な場面で応用できそうな示唆に溢れています。特に印象に残った要点は以下の部分です。
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① 敵国を傷つけずにそのままで降伏させるのが上策で、敵国を打ち破って屈服させるのはそれに劣る。百たび戦い百たび勝つよりも、戦闘せずに敵兵を屈服させる方が圧倒的に優れている。
② 敵と味方、そして置かれた状況について熟知するべき。それには観察が大切である。※よく引用される「彼を知り己を知れば百戦殆 -
Posted by ブクログ
会社経営者やコンサルの人たちに『孫子』が好まれるという話は前々からよく聞いてはいたが、今回最後まで通読してみて、なるほどねえ、確かにこういう本は好かれるだろうなと納得した。それは、兵法書でありながら組織論や戦略論として応用できそうなところが多々あるからである。ただ、ここが中国の古典らしいところで、こういう時にはこうせよとは書いてあっても、なぜそうなるのか、では具体的にどのように実施すれば良いのかという記述に乏しいので、耳触りの良い標語としてわかった気になるレベルを越えて実際に実務に活用しようと思えば、読む者、実行する者の理解力と思考力、応用力が試されることになろう。
このように、ビジネス書と -
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高校生の頃古文と漢文の勉強を疎かにしていたツケが回ってきた…
本作はとても有名な兵法書の古典だが、その普遍性が評価されており現代社会でも通用すると言う事だったので読んでみた。地形や火攻めのところなどはそのまま戦い方についてが記されているが、確かに他の部分では普遍性のある内容も多く面白かった。
作中もっとも印象に残っているのは次の文。
「善く兵を用うる者は、道を修めて法を保つ。故に能く勝敗の政を為す。」戦争が上手いものは良い政治を行い、ルールを守る。そして思うままに勝敗を決められるようにすると言うことだ。仕事をする上で大切にしたい考え方だと思った。
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Posted by ブクログ
敵が利益を求めていれば誘い出せ。敵が混乱していれば敵陣を奪え。敵の備えが充実しているなら防御・回避せよ。敵が怒っていればさらに心を乱れさせよ。敵がこちらを舐めているようなら、さらに油断させよ。敵が休もうとすれば疲れさせよ。敵が団結しているなら、仲たがいを起こさせよ。
味方のスパイに偽りの情報を教え、わざと敵に捕らえさせる。味方のスパイは拷問を受け、偽りの情報を(真実だと思って)敵に知らせる。敵は偽りの情報を真実だと思い込む▼こちらの情報を得るためにやって来た敵のスパイを、敵よりも多い報酬を与えて転向させ、味方のスパイとして送り返す▼敵を知り、味方を知れば100度戦っても危険はない。敵を知らず