エドワード・ヒュームズのレビュー一覧

  • 「移動」の未来

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     モビリティの文脈で読み始めたら、いきなり輸送の話から始まって面を食らう。
     朝に飲むコーヒーが手元にあるが、このコーヒーはどこから運ばれてきたのということから始まる。
     さらには、このスマートフォン。
     半導体は台湾、日本から、組み立てはアジア、そして最後にアメリカにたどり着く。
     その移動量の合計を考えたことがあるか。

     日本での二酸化炭素排出量において、運輸部門は産業部門に次ぐ排出量である。
     その運輸部門のうち貨物自動車の排出量は40%弱。
     Flightshame(飛び恥)が有名になったこともあるが、飛行機はそうでもない。
     ただ、考えてみるとグローバル化で生産コスト減を追い求めた

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    2021年11月02日
  • 「移動」の未来

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    『1つは、デジタル技術の興隆。1つは、中国が対資本主義闘争の方針を転換したこと。1つは、愛嬌もなく、最新技術とも縁がなく、ただ大きくて醜い金属の箱が起こした輸送革命。この3つのうち、一番地味な貨物コンテナ(と、その最も派手な派生物である巨大コンテナ船)が、これまで法外な経費でしかなかった大量輸送を、状況に応じて使える手段に変えたことで、残りの2つの「異変」も活かされることになった。

    コンテナは、輸送革命の手段であると同時にその象徴とも言える。なぜなら、コンテナ化によって生まれた製品の代表であるスマートフォンそれ自体が、カメラやカレンダー、ナビ、本、音楽、さらには交通の確保手段など、必要なもの

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    2017年11月12日
  • 「移動」の未来

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    40年遅れで登場したアメリカ版の『自動車の社会的費用*』といった趣である。

    * 宇沢弘文,1974,岩波新書

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    2016年11月30日
  • 「移動」の未来

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    カーマゲドンは、人間自身が作りだした奇妙な怪物。便利さに麻痺し、事故という名の殺人を日常的に作りだし、交通戦争という名の大衆同志の戦いを演出する。著者はこれを需要と供給の問題に置き換えることで、簡単に退治できると考えているようだが、果たしてそうだろうか?なぜなら人間は感情で動く生き物。需要と供給という理屈だけでは心は動かない。う?これじゃまるで行動経済学といっしょだ。

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    2017年10月23日
  • 「移動」の未来

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     朝飲む一杯のコーヒーに、どれだけの「移動」が伴っているか? 世界中のコーヒー畑から豆が運ばれ、ブレンドされ、家庭に運ばれることを考えれば、一家庭で年間57万2000マイル(地球25周)もの距離をコーヒーだけで消費していることになる。どうしてこうしたことが可能になったのか? 著者は「コンテナ輸送」革命から話を起こし、〈昼夜を問わずヒトやモノをドアからドアへ運び続けるこの巨大なシステム〉の現状をていねいに追っていく。
     指摘は多岐にわたっているが、もっとも理解しやすいのは、車と道路に対する提言だ。ロサンゼルスの主要フリーウェイであり、常に渋滞していることで知られる405号線の拡張工事の事例が、序

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    2017年10月08日
  • 「移動」の未来

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    自動車は世界中で多くの命を奪っているがその対価があまりにも低い。それは近代の人類が自動車をベースに社会を構築してきたから。

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    2017年05月21日
  • 「移動」の未来

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    内容は面白いのですが、邦題タイトルに偽りあり。マーケティング的な要素でしょうが、誤訳と言ってもいいのでは。。
    原題を直訳すると、「ドア・トゥ・ドア 壮大で、猛烈で、ミステリアスな交通の世界」となるので、「『移動』の未来」じゃあないわな。
    全13章あるうち、未来っぽいのは最後の2章くらいでしょうか。
    しかもこの本、ハイパー車社会アメリカの、中でも特に公共交通機関が弱いロサンゼルスの話です。とてもじゃないが、全世界を網羅した移動の未来を語るのは難しい。
    末尾にロサンゼルスの交通の改善に向けた提言っぽいくだりがありましたが、他国でとっくに導入されているロード・プライシングや、「短距離は車使わないで歩

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    2017年01月21日