米田一彦のレビュー一覧

  • 熊が人を襲うとき 事故はどのように起き、進行するのか。助かる方法とは?

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     各地でクマの出没が続いている。先日、旧宅のほうにある畑(中山間地域)で農作業をしていた。そして10時半頃に、畑に隣接する道路に軽トラが止まった。顔見知りが降りてきて、「上のほうで、親子のクマが出たぞ。竹やぶに入っていくのを見た。気を付けろ」と。私「クマ撃退スプレーを持っている」とベルトに付けたスプレーを見せた。「じゃあ、それでやっつけて」と言われたものの、さすがにコワイので、さっさと切り上げて家に帰った。

     本書の作者は日本ツキノワグマ研究所理事長で、活動中に8回クマに襲われたそうだ。本書には全国の新聞を丹念に調べた結果をもとして、《正しい熊の襲われ方を、一緒に学ぼう》とある。勿論クマに襲われないようにするには、どうしたらいいのかということも記されている。また、クマに襲われた場合の対処についても記されている。

     それにしても、クマに襲われた人の被害のスゴイこと。昭和までの新聞では、被害状況をかなり生々しく書いている。それが最近のメディアでは、「遺体の損傷が激しく、身元の確認を急いでいる」といった報道の仕方である。要は頭部等も喰われて、顔の判別もつかないということだろう。いろいろと配慮をしているのは理解できるが、被害の実態は伝わらないのではないか。過激な「クマ擁護派」の人に本書をぜひ読ませたい。

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    2025年11月09日
  • 熊が人を襲うとき 事故はどのように起き、進行するのか。助かる方法とは?

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    ツキノワグマの事故事例集。

    6月が交尾期。
    越冬中に出産し、安全な穴の中で5月始めまで育成する。
    猛暑の年は出没数が増える。
    オスグマの行動圏は100km,メスグマは40km。
    黎明薄暮型の昼行性だが、果樹園を襲うクマは夜行性にもなる。朝夕6時前後が最も活発に動く。マヅメの感覚に近い。
    山菜やタケノコを食べるため、山菜採りやタケノコ掘りとバッティングしやすい。餌場を荒らすため、襲われやすい。
    目は良くなく、鼻と耳は良い。
    横の動きに敏感で、激しく動くものを追う。
    縦の動きにはやや疎く、木陰に隠れてやり過ごす。
    樹上のクマに注意。
    爆竹と撃退スプレーは有効。

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    2021年09月26日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    ボリュームは多くないけど、米田さんのクマへの愛が伝わる。
    昨今は熊の凶暴さとか恐ろしさがピックアップされがちやけど、熊も森や山の生態系の一部であり凶暴さ以外の側面を解説してくれてて面白かった。
    熊被害についても、安易に保護するではなく、時に駆除の必要性も理解した上で、森の守り神として共存する方法を模索する専門家のいい本でした。

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    2026年07月20日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    表紙とタイトルのインパクトが凄すぎて、思わず手に取ってしまいました。

    中身は本当にクマが好きなんだな…って先生のお話です。テレビのニュースを見ているだけでは知ることの出来ないクマの姿を見る(知る)ことができます。表紙とのチグハグ感はありますが、たくさんの人に手に取ってもらうにはこれもまた必要なことなのかもしれません。

    欲を言うなら、最初の1章くらいクマの生態とか一年の過ごし方とが、あまり知らない私たち向けの説明に割いて欲しかったかも。全部を読めばなんとなく分かってくるのですが、せっかく長年にわたって研究されている先生の著者なので、最初にその辺の総括的な知識もわかってるともっと嬉しいな…と。

    本来、クマは木の実や植物をメインに食べる(あの巨体をそれで賄えているのがすごい)生き物のようで、クマ全体から見れば昨今のテレビで喧伝されている「アーバンベア」なるものはクマ世界の中でもはぐれものに近いそうなので、棲み分けがうまくいけばよいのにと思いました。

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    2026年07月10日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    秋田と広島で50年以上、ツキノワグマを研究してきた筆者の体験記&観察記的な一冊。クマが便秘になっても治るまで同じものを食べ続けるといった、知られざる一面を知れたりする。
    ただ、「駆除するべきか、人間が喰われるか」という作品紹介は極論で、共存を目指している内容からも違和感があるかな。audible。

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    2026年09月05日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    著者はこれまで推定1万頭の熊を山に返している。
    熊を駆除するばかりではなく、生態系のバランスを大切にすることが人間の安全にもつながる。

    章の中で熊にまつわるエピソードが細かい節に分かれていくつも紹介されるので、1節ずつが短く、へぇと思うものもあれば、それだけ?と印象が薄いものも多い。

    誰よりも真摯に熊に向き合ってきた著者だからこそ書ける最後の熊側の主張が良かった。

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    2026年08月12日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    家に帰ったらクマがいて、ドッグフードが入った長靴を運んで行った。ガソリンを舐め、青ペンキを頬と額に塗りメイクする。桜の木に登り、花見を楽しむ。ツルから足を踏み外し、前足で踏ん張り、落下を免れる。胸にある半月模様。20頭に1頭は赤い個体も。柿を食べすぎ脱肛する。実を食べて、腸内を通して、植物の分布を広げる。マムシを怖がり、アブに悩まされる。胆嚢は珍奇な料理となり高く売れ、無惨な犠牲になることも。…振り返ればそこにいる。頭上から落ちてくる。共生できないが、共存できるはずの存在。最大の対策は、知ろうとすること。

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    2026年08月09日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    山あいの集落では、かつて人と野生動物は互いの領域を保ちながら暮らしてきた。しかし近年、その境界は静かに揺らいでいる。突然日常へ入り込むクマとの遭遇を通して、その現実を伝える一冊である。クマの出没は単なる珍事ではない。里山の荒廃や人口減少、餌場の変化など、人間社会の姿が映し出された結果でもある。恐怖だけで語れば対立は深まり、保護だけを唱えても解決には至らない。
    野生動物との共生は理想論ではなく、私たち自身の暮らし方を問い直す課題である。自然との距離を見つめ直すことが、人とクマの未来を守る第一歩となるだろう。

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    2026年07月29日
  • 家に帰ったらクマがいた

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    秋田県生活環境部自然保護課に勤務しながら、誰よりもクマと接してきた筆者だからこその視点が、読み手の心を温かくしてくれます。
    山の恵みに感謝し手踊りを始めたり、蜂と乱闘しながら食事を堪能する姿がなんとも愛おしい 。

    桜も散り始め、そろそろ冬眠から目覚めているであろうクマさん達。
    またニュースを賑わせるかもしれないけど、今年は少し見え方が変わりそうです。

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    2026年04月19日
  • 熊が人を襲うとき 事故はどのように起き、進行するのか。助かる方法とは?

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    最近、熊による被害のニュースが気になって読んでみた。
    結局個体差や状況によって、コレ!という決定的な対策はないのが恐ろしい。

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    2025年09月20日
  • 熊が人を襲うとき 事故はどのように起き、進行するのか。助かる方法とは?

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    過去の事故(熊に襲われた)を1件ずつ紐解く。熊の生態に照らし合わせながら。そこがこの本のポイント。
    知らないことばかりだった。
    特に、熊はどうやら人間を同類の熊と認識して、接近や威嚇をしてくる場合があるようだと。
    だから自分を大きく見せる(化かせる)ことが重要。
    傘や、農作業・山菜採りの鎌やスコップなどを頭上に振りかざすなど。

    反撃、撃退は熊を怒らすためリスクが高く、また逃げるなどの”急”な動きも熊を刺激すると。

    熊の生態を研究している著者だからこその誠実な一冊でした。
    ま、熊がいるような山に行くことは無いけど。

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    2023年05月22日
  • 熊が人を襲うとき 事故はどのように起き、進行するのか。助かる方法とは?

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    ネタバレ

    吉村昭の『羆嵐』から、熊についてもう少し知りたくなって読んだ。
    著者はクマを追って46年、その間、襲われること8回、威嚇されること3回。(そして熊の事故に精通しているためか、無事に生きて帰ってきている)

    以下、メモ
    ○過疎高齢化で里山が森に変わって、熊の生息域が広がったという一文が。山が狭くなって餌も少なくなって、人里に降りてくるのかと思っていたが、それだけでは無いのか……。

    ○朝夕6時前後に活動が高まる。13時くらいにもちょっと活動が高まる。真夜中やお昼の12時前後は休んでいる。なお、熊対策をしっかりとっている果樹園や養殖場では、人間が寝静まった夜中に、餌を採りにくる。

    ○6月は繁殖シーズンでイラついている。秋は越冬に向けて餌をとる行為が活発。ちなみに、幼い熊を連れている母クマは深追いしてまで襲ってこない。子熊は親離れ少し前に親熊がいる前で人に遭遇すると、積極的に襲ってくる。その上、母熊が加勢に加わる。子熊の攻撃は無駄が多く、長時間攻撃してくる。怖い。

    ○初夏と秋に事故が多い。人間が山に行きやすいシーズンだからエンカウントしやすい。夢中で採ってしまうこと、しゃがむ姿勢で小さくなることも攻撃を誘発する要因の一つ。熊は食べたところで休む習性があり、栗などを採りに行き、木の上や茂みで休んでいた熊に遭遇することも。木の近くで立木をカンカンと叩くなどの習慣が必要。

    ○県別の熊の事故数:新潟は7位。こんな上位ランクインは嫌だ。

    ○怪我の場所としては圧倒的に頭部。首を狙って、爪や牙が顔や頭に、ということらしい。若い熊が足を刈りにくるのも怖い。この頭部を狙った初撃をかわして、その上で何か得物で鼻先や目、口の中を狙って振り回せば、生還できるようだが……。

    ○二人に遭遇した場合、動いている方を襲う。また、左右に動くものを発見する能力が高く、縦に動く方が見えにくいらしい。だから熊に会ったらゆっくり後退りしろと言われるのか……。なお、背を向けて逃げた瞬間「弱い個体」認定を食らって、背中から襲われる。

    ○しかし、多人数が動くと目移りして攻撃力が落ちるらしい。昔、農作業に出る人が多い時代には、熊にあうと、人を呼んで大人数で手にした農具で滅多撃ちにして仕止めたエピソードも衝撃的だった。なお、得物で対峙せざるを得ない時は大きな動作(大きな動作)で熊を怯えさせること。仕留める目的でないのなら、囲まず退路を開けて打つと退路から逃げていく。

    ○熊が恐れるのは同属の雄熊。体を大きく見せたり、大きな音を立てて、得物を大きく振り回すことで助かった例もある。

    ○ナタで応戦した事例も多いが、熊の間合いに入るので、おすすめしない。熊はまず戦って勝てる相手ではない。柄が長い方がいいだろう。スコップとかピッケルとかストックとか。

    ○既に襲われた場合は首を両手で守り、地面に伏せて腹部を守って攻撃をやり過ごす。成獣なら数秒で攻撃が終わる。あとは現代医療を信じるしかないが。下半身を刈りにくる若い熊だと、反撃や大きく見せる行為、大声も必要。

    ○そうはいっても基本は、まず「遭遇しないようにする」。出没情報がある所に近付かない。入山するなら複数人で。そして、山でちょっと遠くに熊を発見してしまったら、動かない。急な動きに反応して襲ってくる。動かない、あるいはそろりそろりと木に寄って、そっと同化する。

    ○反撃すると熊の方も興奮してより強く反撃、というケースが多く、襲われたら前述のうつ伏せになり首を守るのがベター。いわゆる死んだフリ。背中にリュック、足元はしっかりした靴という山の装備が牙や爪から多少守ってくれることも。大怪我はするが現代の医療なら生き残れるかも。ただし、若い熊は攻撃が長引くことが多い。熊が居座る「蟠踞」という事態もある。そういう時は熊が静まった折を見て爆竹を鳴らしたり、大きな異音を出して去らせる、何でも振り回して自分を大きく見せるなどの対処がいる。

    ○爪による破傷風が恐ろしい。初撃を頭部に受けない。そして長時間拘束されて噛まれないことが大事だ。

    ○熊は、鼻と耳がよく目が悪いと言われる。なお、鈴のような高い音は聞こえるが、ラジオやカウベルの音は、実は聞こえない説が。効果が怪しい上に、ラジオは熊の足音を消してしまって、かえって危険なことも。

    ○犬が吠えたり襲ったりすることで熊が興奮して事態が悪化する場合(あるいは興奮状態の熊を、飼い主の元に連れてきてしまうことも)と逆に、吠えて撃退してくれる場合も。結果が両極端。

    ○関心を持つようなリュックなどを捨てて逃げれば時間を稼げるかというとそうでもない。動かないものより、動くものを追って襲う習性があるためだ。

    ○晩秋に雄熊が人間(女性が多い)に抱きつく事案は、同類の熊のメスだと勘違いすることから発生している模様。

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    2022年09月29日