種村有希子のレビュー一覧
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ネタバレ3歳と2歳の姉妹に読みました。
きのみ幼稚園の園庭にあるお城の時計は、
9時になるとお姫様と王子様が出てきます。
園児達はお姫様が大好き。
でもある日、嵐が来て、時計が壊れてしまいます...。
どうしたら時計が直るのか、園児みんなで考え、
もう一度嵐が来たら直るかも!となり、
さかさてるてるぼうずを皆でお城いっぱいに吊るしました。
もう一度嵐が来ると時計が直り、お姫様と王子様が現れます。
4月から幼稚園に通い始め、プリンセスが大好きな長女にヒットしたようで何度も「読んで!」と持ってきました。
園児達に自分で考えさせ、それを許容してあげる幼稚園。
すてきだなぁ、と思いました。
評価は -
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本書は、シリーズ『おしごとのおはなし』ということで、物語は二の次なんでしょと思っている、そこのあなた、物語だけでも充分に読む価値のある、美容師の仕事の素晴らしさを知りながらも、女の子の成長を描いた作品なのです(小学校中級から)。
しかも本書の場合、『しずかな魔女』や『小やぎのかんむり』といった素敵な物語を書かれてきた市川朔久子さんと、私の好きな種村有希子さんの色鉛筆の素朴な愛らしさが光る絵による、最高のコラボレーションである点も見逃せないけれど、物語の始まりは決して明るいものではありません。
いつも大切にしている長い髪を、お母さんに結んだり編んだりしてもらっていた、女の子「かのこ」 -
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表紙の絵を見たときは、どういう場面なんだろうと思ったが、「ようちえんのおひめさま」の意味も含めて、そういうことだったのね。
子どもたちの心の中に抱く思いには、時に大人の想像を絶するような、計り知れない程に健気な純粋さがあることは、いくつになっても思い出して噛み締めたくなるものがあり、それは種村有希子さんの薄らとした色鉛筆の絵からも感じられた、子どもたちの繊細な、まるで今の天気のようにコロコロと目まぐるしく変わる表情や心模様を、優しく描いているようにも思われました。
そして、必ずそうなるんだと、真っ直ぐに信じ切っている子どもたちの駆け出す姿の、なんと嬉しそうな表情をしているのだろうと -
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種村有希子さんはこれまでに読んだ二作も含めて、色鉛筆をメインとした、その素朴でふんわりとした柔らかい雰囲気が子ども心に寄り添いながらも、ポップなデザイン性に優れた斬新さを感じられる絵本作家で、本書は第34回講談社絵本新人賞を受賞した、彼女のデビュー作(2013年)になります。
普段から、おかあさんに怒られることの多い、女の子「きい」は、ある日、また怒られたことをきっかけに家出を決意するが、それを知った、双子の「うた」は果たしてどのような気持ちになったのか?
いつも二人で一緒なのが当たり前だったことを改めて痛感した、「うた」の心の中は、アルバムの写真の懐かしい思い出からも窺わせるよう -
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種村有希子さんは、前回読んだ「サンタクロースになるひ」で初めて知り、そこで感じられた、色鉛筆による素朴で優しい温かみと、ぼかした雰囲気との素敵な融合と、デザイン性の高い配色は同様であり、本書の場合、雪景色の白を基調とすることで、他の色を、より効果的に映えさせているように感じられたのが、とても印象深い。
ある雪が降った朝「おとしもの、みーっけ!」と、そりを引いていた「まほちゃん」が拾い上げたのは、“ゆり”と名前がついた手袋で、大きさは、まほちゃんの手と同じくらい。
「どんな こかなぁ。
あしあとを たどったら、とどけられるかな」
上記の、期待に胸ふくらませてワクワクする様子には、 -
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ネタバレ注目の北海道出身の絵本作家、種村有希子さんの作品。
色合いが優しく懐かしい雰囲気。
子供さんはもちろんのこと大人が読むのもお薦めします。
小さい時って何かって言うと「家出するっ!」って言うものですよね。
小さい家出からちょいと大きな家出まで、「家出」を体験した大昔の
ちびっこはかなりいるはず。
「こんなときは私の出番」と困り顔しながらも双子の妹のきいちゃんの
家出ゴコロを一生懸命そらそうとするおねえちゃんが健気です。
タイトルが「きいちゃんの」じゃなくて「きいの~」なのは、お姉ちゃんの
立場から見ているお話なのでしょうね。
大人だって家出したくなるときがある。
こんなお姉ちゃんみたいにな -
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双子の姉妹、種村有希子さんと姉の安希子さんによる絵本(2018年)で、お二人がどのような分担をされたのかは分からないが、相変わらず、デザイン性の高いお洒落だと感じてしまう部分と、色鉛筆による子どもの素朴で普遍的愛らしさとが合わさった絵には、独特な美しさと温かさがある。
特に前者は、心理描写も兼ねたようなページをめくる度にコロコロと変わる背景の色が、丸い木と三角の木との対照性をより鮮やかにしており、後者は、カバーオールみたいな服に身を包んだ小人の絵が可愛らしくて、更に、優しくて働き者の「ポキ」と、いたずら好きで怠け者の「キノキノ」と、性格も対照的にすることで、お話の後に待つ不思議な出来事の