小川さゆりのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まず辛い過去と向き合い、文字に起こした著者である小川さんのご苦労を労いつつ感謝の気持ちを伝えたく思いました。
ご自身の半世を紐解くにあたり、宗教の暗部だけでなく、明るく幸せだった部分も明るみにし発信することは、正義の矛先や発信する意義を問いただす作業でもあり様々な葛藤があったと察します。
また、教会内部には良い人も沢山いて、信仰により幸せな人達がいたという事実。これらは世論が統一教会潰しに振り切っている中でメディアが触れない不都合な事実でもあると思いますが、小川さんは実直にその事実も述懐されています。
教会の全てを否定することはせず、良い思いをしたことも踏まえ、それでも教会と対立する姿勢 -
Posted by ブクログ
2014年の御嶽山、登山者として山頂で噴火に遭遇し、最善の努力と運によって生き延びた山岳ガイドの手記。
その時、御嶽山で何が起こったか、そして彼女はどんな状況に陥り、どのように生き延びたかという克明な記録。
63名という多くの犠牲を出した噴火の記憶を、忘れず、風化させず伝え、そこに確実にある危機として、敬い、できれば二度と犠牲者を出さないよう、伝えたいという思い。
私は山には登りません。
だから、本書に書いてあることは関係ありません。とは思わなかった。
御嶽山は活火山。それは皆が知っていた事実。
でも、ずっと安全だったから、警戒レベルが低かったから...そこに噴火は起こった。
日本は地震が -
Posted by ブクログ
小川さゆり『御嶽山噴火 生存者の証言 増補版』ヤマケイ文庫。
2016年に刊行されたヤマケイ新書『御嶽山噴火 生還者の証言』に第五章として、その後の安全登山活動、御嶽山の防災への取り組みなどを追加し、文庫化。
2014年9月27日午前11時52分に発生した御嶽山の水蒸気噴火で63人もの尊い生命が失われた。9月10日と11日に火山性地震が50回以上もあり、噴火の警戒レベルを引き上げる条件を満たしていたにも関わらず、通常のレベル1からレベル2に引き上げられることはなく、火口付近の立ち入り規制は行われていなかった。
2011年3月11日の東日本大震災も似たような状況で発生した。3月9日の午前中 -
Posted by ブクログ
統一教会の二世の方による手記。まずは告発した勇気が凄い。疑問や不快感があったとしても自分がハマっていた価値観からの脱却は大変な事だと思う。会見前に妨害してくる教会もなかなか(精神科病院に入院した事が事実だとしても)酷い。
祖母の介護で母親が鬼の様になるも教団内では笑顔を絶やさないとかいうホラー要素、ランドセルもまともに買ってもらえないという貧窮要素、性に関して厳しいのに歳上男性信者からのセクハラはほぼ黙殺というセクハラ要素等、マイナス面が各方向に向いている。それでもコミニティーに属している時の安心感は強力で「宗教は阿片」とかいう言葉(出典は不明)も分かる。
30歳過ぎで子どもの多産を促され且つ -
Posted by ブクログ
ネタバレ2023/08/12 予約 6
荻上チキのラジオ番組で取りあげられているのを聞き、読んだ。
最初から驚いた。
記者会見に入ってきたFAX。
「精神の疾患で嘘をつくので会見を中止せよ」
しかも、両親の署名入り。
彼女にとって酷なことだったが、結果的にこれも親から離れる大きなきっかけになっている。自分の稼ぎを当てにされるより、どんなに堪えただろう。
祝福2世(信者同士が合同結婚式などで結ばれて生まれた子ども)と呼ばれた宗教2世である著者の生の生活。
当たり前だと思っていた自分の家は、よそと違うことを意識してから、いじめを受け、居場所が教会だけになっていった。両親が教会内でエリートであり、教会で -
Posted by ブクログ
小川さゆりに顕示欲を感じ取り、マスクから覗く美しすぎる二世教徒というアイコンを自他に利用している印象を持った私は間違いなく堕落世界の人間だろう。本人に欲はなく、苦しんだ日々を世間に向けて語りながら、同じ苦しみを救いたいという純粋な心の発露のはず。ただ、言葉は心をマスクのように隠すから、見えているものだけで判断する訳にはいかなかった。本を読んで良かった。本人が語る悲惨さには脚色がなくて、真実に近いと思えたからだ。
ー すごくいい先生たちだね。堕落世界にも良い人たちはいるからね。そういう先生たちに本当は神様のことを教えてあげないといけないんだよね
何故、押しつけるのだろうか。一人で静かに金とは -
Posted by ブクログ
ネタバレ⚫︎受け取ったメッセージ
子どもは、親を選べない。
宗教2世に生まれた苦しみ、脱会から現在の心境
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
旧統一教会の「教会長の娘」として生まれ、絶望の末に脱会した彼女は、なぜ両親から止められ、教会から妨害されても屈せず、「涙の告発」を決意するに至ったのか?「被害者救済法案」成立の立役者となり、「宗教2世」のシンボルになった小川さゆりさんの覚悟の手記、緊急刊行!
〈家族の生活の中心だった統一教会を私はどうして信じるようになり、そしてなぜ脱会しようと思ったのか。与えられた家族の価値観からどのように脱し、新たな家族を築く道を選んだのか。
この本のなかでこれから書い -
Posted by ブクログ
旧統一協会の2世信者であった著者の、教会に家族ごと依存していた日々、教会や家族の在り方に疑問を持ち脱会、そして「小川さゆり」名義で情報を発信して現在の日本のカルト宗教を規制する方法を模索しながら2世の人権を訴える内容だった。
教会に依存するがために他のコミュニティから排斥されさらに教会に依存する、そしてじわじわと彼女を蝕んでいく苦しみの日々が赤裸々に描かれていた。
無条件に愛し愛されること。その大切さを実感していく。
過剰な依存は宗教に限らず、他のものにも当てはまるが、カルトに関してそこから抜け出す難しさや、孤独になることの弊害なども伝わってきた。
彼女が今度こそ幸せな家庭を築いていくことを願 -
Posted by ブクログ
統一教会の二世信者としてメディアに出演している小川さゆり氏の手記。小川氏は恐らく私と同年代だ。そして、詳細は伏せるが私も宗教二世だ。だからこそ、小川氏が経験してきたことはかなり共感できた。統一教会がどのような団体なのかを知るには良い資料だと思う。以前宗教二世をテーマにした漫画を読んだことがあるけれども、そこで紹介されていた例ともかけ離れておらず、信ぴょう性は高いと感じた。ただ、家庭によって細かな違いはあるようだ。
私が一点気になったのは、小川氏が一人暮らしをした後に、また実家で生活をしていたりパートナーを両親に紹介するため家に呼んでいたところだった。もちろん個々の事情があるとは思うが、そこの経