山下清海のレビュー一覧
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ネタバレ非常に勉強になった。
アジア・太平洋戦争において、日本軍が何をしてきたかに焦点を当てた本。あまり冷静には読めないというか、日本軍の残虐非道な行いによって、数えきれないほどの人が命を落としたという事実に打ちのめされる。人を人とも思わない態度、軽んじている様子が伝わってきた。国として二度と同じ過ちを繰り返さないよう、この事実を受け止めて反省し、努力し続けなければならないと思う。
戦争が起こるということは戦場があり、そこには日々の暮らしを送る民間人がいるという視点が私には少し欠けていたかもしれない。戦争を知らない世代には、いまこの場が戦場になるかもしれないと想像することすら難しい。こうやって記録や体 -
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横浜中華街、世界に多くあるチャイナタウンの中で観光に特化した独自の発展。横浜開港から現在に至る歴史を丹念に検証した1冊。
世界のチャイナタウンを訪れた筆者。横浜開港中華街は観光地として発展した独自のものだという。日中国交正常化の頃までは華僑たちの商店だけでなく船員向けの外人バーも多い歓楽街。神戸の南京町も同じようななルーツを持つ。
中華街には台湾海峡はない、というのが近年のトレンド。筆者が中華街をけんきゅうし始めた頃は、中台いずれかのスバイと思われて調査が進まなかったという。
バブル崩壊後、高価なコース料理より食べ放題と手軽な飲茶が流行。近年は空きテナントに占い師(ほぼ日本人という)が入 -
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世界中の中華街を研究している著者による横浜中華街研究。
吉田新田に先立って造成された横浜新田に華僑が住み着くところから始まり、大陸系と台湾系の対立・和解、老華僑の衰退と新華僑の隆盛といった歴史がわかりやすく解説されています。
食べ放題と占い館が急増してきた最近の事情についても納得の考察でした。
新華僑への世代交代は必然ですが、ぜひ老舗の屋号を受け継いで(徳記はそのパターンでしょうか)名前だけでも残してほしいものです(味が落ちたとか個々人の思い入れは色々あると思いますが)。
池袋や西川口、海外のチャイナタウンも紹介されており、街の成り立ちや機能がそれぞれ違っており興味深かったです。
華僑 -
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今年2025年は日本がアジア太平洋地域を主戦場として始めた戦争、太平洋戦争(今は一般的にアジア・太平洋戦争と呼ぶ)が終わった1945年から数えて、戦後80年を迎える年となる。世界を見渡せばウクライナ戦争やイスラエルによるパレスチナへの軍事攻撃、それだけではなく、内戦なども数多くの国や地域で今なお行われている。日本は平和だ安全だと言われるが、それは沖縄に駐留するアメリカ軍の庇護にある事が大きく影響しているのは間違いない。日米安全保障条約により、日本が攻撃を受ければアメリカ軍が動く。この牽制効果は絶大であり、それが無ければ中国やロシアが自国から見た太平洋の玄関口である日本を攻撃する可能性は無いとは
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<目次>
序章 横浜中華街を歩く
第1部 「南京町」から「中華街」へ~形成・伝統・ヤミ市
第1章 もともと入江だった横浜中華街~横浜開港と南京町の形成
第2章 外国人居留地廃止後の南京町~1899年から1945年
第3章 伝統的華僑社会の特色
第4章 ヤミ市、「外人バー」街mそして観光地へ
第2部 変わり続ける街~対立・観光・新華僑
第5章 華僑社会の分裂~二つの中国の狭間で
第6章 人気観光地への急成長~中国ブーム・中華街ブーム・バブル経済
第7章 横浜中華街の再編成~老華僑と新華僑
第8章 多様化と急変~変わり続ける街
第3部 世界に誇れるチャイナ