速水敏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハッキリとした根拠もなく他人を下す若者が増えているという。
その理由を、著者なりに集めたデータに基づいて示した本。
人間本来のもつ「人より優れている人間でありたい」という欲望というか願望と、他人との関わりをあまり持たずとも生きていける現代社会のあり方が相俟って、「他人を見下す若者」が増えている、というのが筆者の見解だといえよう。
人間誰しも、「他人を見下したい」と思うことがあるだけに、身につまされる話も多かったので、この本を読みながら、いろいろと反省をした。
が、本当に読んで欲しい人は、この本すら見下してしまって、読まないんだろうな。
そう思うと、ちょっと悲しい。 -
Posted by ブクログ
自分の立場を高めるために、周りを低くするという説明になるほどなぁと感心した。自分を高めるためには努力が必要でも、他人を低めるのはただ見下すだけでいいんだもんなぁ。それで良く分からない自信にあふれた、他人を見下す若者が出来上がるのか。
とか言って、ニュースを見て「この政治家バカじゃないの?」とか言ってる自分ももしかして他から見たら他人を低く見ている若者の一人なのかもしれない。俺より頭いい大学出てる政治家さんは沢山いるのにね。
中盤から後半(4つの区分に分けるあたり)が、前半に比べ話がちょっと難しくなり流し読みな感じになってしまったが、まず興味深く読むことができた。
今後、年下に見下されているよ -
Posted by ブクログ
本書は、教育心理学を専門とする名古屋大学大学院教育発達研究科の現職教授の速水敏彦先生が、若者の他人を無視したような言動と感情の関係について考察し人間理解につなげることを目的として著した解説書であり、タイトルと表紙の口絵の軽さとは裏腹に深い内容かつおじさん世代には「たしかに!」と共感できる部分が多くかなりオススメ。
筆者の考察を要約すると、若者の他人を無視したような言動は、「仮想的有能感」すなわち根拠なき自己肯定に起因するものであり、日本文化の特徴でもある「悲しみの文化」の衰退が招いた社会現象であろうというものだ。仮想的有能感と悲しみの文化とは何か、簡単におさらいしておきたい。
【仮想的有能 -
Posted by ブクログ
仮想的有能感という、自分自身の経験などに基づかない有能感をテーマにデータをもとに考察している本。
正直、個人的にはデータの分析は良いとして、
筆者の考えに基づいて整理されているような気がした。
データの取り方もなんか納得いかない。
感情を日誌につけたものを使ったり、
教員側からの生徒の感情の評価とか。
「ま、そうなるよね」とは思うけど、
その結果から若者の心理傾向を評価していいのかはすごい不満。
言ってることは理解できなくはないけど、
納得はできない感じ。
もやもやはするけど、
読んでみてもいいかなって感じ。
若者論の一種だよね、これw -
Posted by ブクログ
他人を見下すとはどういうことか。例えば、モンスターペアレント。我が子には全く非がなく、教師の方に間違いがあると一方的に決めつける態度。そういった、「自分は何も悪いことを行っていない。ただ他人の考えが間違っている」という態度をもつ人の増加がなんとなく増えているなと思い、手に取った一冊。
仮想的有能感という言葉は初めて聞いたが、面白い考えだった。自信の経験や実力に基づかない有能感。また、他人叩きをする心理に対して、他者を低く見下すことで自身を相対的に高く感じられるような心理と述べているのは、興味深い。このような現象の背景に、本書は教育のあり方まで話を広げる。良い点を評価しない、競争を行わない教育