白石一郎のレビュー一覧
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村上水軍を追いかけて
先月、瀬戸内海のしまなみ海道に行ってきました。サイクリングで島々をたどって四国まで渡る旅だったのですが、行く前に、しまなみ海道が村上水軍の拠点である能島のすぐそばを通ることを知り、「村上海賊の娘」を読みました。ところが私の感性にはいまひとつ合わず、上巻で頓挫。代わりに読んだのがこの「海狼伝」でした。
主人公が、対馬から瀬戸内海にやってきて、能島村上水軍と絡んでいく物語です。大三島などのサイクリングで通った島も登場し、個人的には楽しめました。
実際に伯方・大島大橋から海を眺めると、西から来た船がここに迷い込むだろうこと、そこに関所のように海賊が待ち構えて通行料を徴収して -
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読んでいる最中から、既読感がずーっとあった。
織田信長の時代の海賊の話。村上海賊の娘と同世代の話であり、村上武吉やその他の登場人物、エピソードもかぶる部分がある。対馬で育った男が海賊になり自分の船を持つまでの話。
笛太郎は母のつてで対馬に現れた宣略将軍の船に乗ることになった。村上海賊との戦いで海に投げ出された所を敵将(小金吾)に助けられ、その配下となり船頭となった。いろいろあって、宣略将軍の船と再度戦い、これに勝つが、その戦いの中で
小金吾は死んでしまう。その跡をついで、船大将となる所まで。
続編として海王伝があるらしいのでこちらも読んでみよう。 -
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ネタバレアダムスは日本人の船大工と協力して,日本で西洋風のガリオン船を建造し,そのことが評価され,家康から三浦半島の逸見というところに250石の領地を賜り,領主となった。このような地位は,これまで外国人に対しこの国では与えられたことがないような処遇である。それだけ家康がアダムスを評価したものだ。また,姓を領地の三浦とし,名を按針と職の名前からとり,家康から与えられた。佩刀も許され,刀まで家康からもらったため,武士となることを強要されたとも言える。イギリス人の侍の誕生だ。
このころ,ヨーロッパの勢力図にも次第に変化が出てきて,それがアジアにも及んできていた。1600年にイギリスに東インド会社が設立され -
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ネタバレ航海長ウィリアム・アダムスは大西洋と太平洋を結ぶ唯一の水路マゼラン海峡を通って遥々日本にやってきた。アダムスはイギリス人であるが,オランダの船団の旗艦ホープ号に乗っていた。遠洋航海に関しては,当時,同じ新興国でもイギリスがオランダに先んじており,出資したオランダの貿易会社は同国人ではなく,航海に実績のあるイギリス人を雇わざるを得なかった。当然,キリスト教でもカトリック国のスペイン・ポルトガルとは,オランダ・イギリスのプロテスタントと抗戦状態であるので,カトリック側の国の航海士は雇えない状況でもあったのだ。
アダムスはイギリスがスペインの無敵艦隊に大勝した時,輸送船長として海軍に在籍していた。