またよしのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
君枝の周りでは不思議なことが起こる。トルソーがしゃべり、大人の傘で空を飛び、誰にも見えないものが見え、ありえないことを体験する。しかしそんな君枝のことを誰も理解してくれない。
不思議な体験に巻き込まれて七転八倒あらたいへん、でも面白かった! てな話かと思いきや、そうではなかったのです。
君枝にとって不思議は日常。小さな頃はそんなものだと思っていたが、成長するにつれ周りの人には不思議は感じられないと知る。不思議体験は楽しいことばかりでなく困ったことも多い。それなにの君枝の困っていることを、周りは怠けているふざけている嘘つき虚言と理解してくれない。
「変わった子」として「私たち」とは違うものにされる。しかも「私たち」の理解の及ぶ枠内の「変わった子」。それ以外の解釈はなし。
ああ、これは理解してもらえない気持ちを描いた物語なのだと気付いた時、君枝の寂しさがぶわりと覆い被さってきました。
幼なじみの陸は君枝の不思議体質を受け止めてくれる。共に体験したことをそのまま不思議と受け取ってくれた。そのことによって君枝は不思議をもひっくるめて君枝となる。
陸は君枝の不思議体質も君枝であることなのだから、君枝の魅力だととらえてくれる。でも君枝にとってそれは本当の理解だったのか。だって君枝は困っていたのだもの。不思議を共に笑える相手を求めていたのか。それとも。
そのズレがふたりの気持ちのズレとなり、ふたりの関係性のズレになったのだとしたら、やはり寂しい。
不思議体質を暗喩ととらえると、現実社会に於ける様々な事象に重なるでしょう。不思議体質も個性? そんな風にとらえることが、果たして本人が求めているものなのかどうか。でもそれでも、不思議を不思議と認めてくれる人の存在が嬉しい。 -
Posted by ブクログ
全体的に何がしたいかわからなかった本。
一冊の雑誌でこうまでバラバラの雰囲気になるものなのかと思いましたが、そこはあとがきに「少しずつ親交を深めさせていただいた作家の皆様と〜」とあったので、そういうスタンスで作られたんだと、まあ納得。
ただ、たまにこれはBLなのかと「?」が浮かぶ作品もあったりして、素朴な作品を集めたのかと思いきや、よく見かけるような普通のBLも載っていて、結局どういう雑誌なのだろうとスタンダードを探り探りで読んでいると、結果的にどれも食いあぐねてしまうような構成。
どの作品も単体では読めるのですが、こうまとめられてしまうと読みづらい。
ところで紙の質感と活字、奥付あたりの雰囲気は良かったです。とくに表題作は活字好きにはオススメできます。などと、本の作りとしては良いポイントも多いんですが...
結局BLとしてはよく分からない後味が印象として残ってしまう雑誌。