ロジャー・パルバースのレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    ”一番美しい日本語を書いている作家を尋ねたとき、

         『宮沢賢治だ』

    そう教えられたのが出会いだった“

    ◇◇◇◇◇◇

    冒頭は著者と宮沢賢治との出会いのきっかけです。

    その時読んだ話は『ざしき童子のはなし』で、何が書いてあるかはさっぱり理解ができなかったそうです。

    けれど、不思議な世界の魅力にどんどん惹き込まれ、花巻の生家を訪ねたり、『銀河鉄道の夜』を翻訳したりするようになった。

    ◇◇◇◇◇◇

    宮沢賢治は明治二十九年、岩手県花巻に五人兄弟の長男として生まれ、実家は質屋だった。

    裕福な家庭で、いわば特権階級的な職業に『自分を犠牲にしてでも、誰かを救わなくてはならない』という罪悪感的強迫観念を抱えて生きるようになる。

    農林学校を卒業し、教職につく。
    『羅須地人協会』という私塾を設立。
    三十七歳で急性肺炎を患ってなくなるまでバイタリティあふれる人だった。

    ◇◇◇◇◇◇

    『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』

    という言葉を残すくらい、
    この世の全ての人を幸せにすることを自分の使命に思っていた。

    ◇◇◇◇◇◇

    銀河鉄道の夜は宮沢賢治が二十八歳の時に書かれたもの。

    小学生ジョバンニは貧しくアルバイトをし、収監された父のことでいじめられていた。

    しかし裕福な家庭のカンパネルラは、優しく友情を育む。

    ある日祭りに出かける途中のカンパネルラたちクラスメイトを見、バイト途中のジョバンニは疎外感に丘でひとり過ごした。

    するといつの間にか、銀河を走る汽車に乗り込んでいた。

    ◇◇◇◇◇◇

    ジョバンニは切符を買った覚えがない。
    けれど、ポケットの奥には『どこにでも行ける切符』が入っていた。

    これこそ、『人間の想像力』なのではないかと著者は言います。

    見たものをそのままに描く力を持った宮沢賢治。

    人間というものは想像力さえ働かせれば、会いたいと思っている人にも会えるし、手に入れたいと思っていることにもきっと手が届くはずー、そんな思いがこもっている。

    ◇◇◇◇◇◇

    カンパネルラは、いじめっ子を助け、亡くなっていた。銀河鉄道の乗客は亡くなった人たち。死者を天上界に運ぶためのものが銀河鉄道だった。

    なんとも切なく悲しい物語。
    ここには宮沢賢治の妹の死が関連している。喪失の悲しみを、いかにして乗り越えるか。

    『自分が悲しいとき、つらいときこそ、相手を思いやるべき』

    『私とあなたは別々の存在ではなく、すべてのものはつながっている』

    その考えが銀河鉄道の夜の根底に流れているー。

    ◇◇◇◇◇◇

    この書籍にふれるまで、宮沢賢治が37歳という若さで亡くなったこと、

    関東大震災や三陸地震津波を経験していること、

    生前は注目されていなかったことなど、初めて知ることが多かったです。

    でも有名じゃないから=編集者がつかなかったからこそ、彼の日本語、表現は直されずオリジナルとして後世にのこったことなども知りました。

    ◇◇◇◇◇◇

    小さい頃に影絵で見た、切なく美しい記憶の根幹は『命の想像力』にあったのだなとあらためて感じることができた1冊でした。

    そして、『一番美しい日本語』といわれた宮沢賢治の作品をあらためて原文で読んでみたいと思いました。


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    2026年07月27日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    「銀河鉄道の夜」は大人になって読み直して漫画やアニメで新たに触れて、奥深さに感じ入った。
    この本は題名から手に取ったのだが思いがけず宮沢賢治その人を新たに知るための格好の入門と言えるのではないだろうか。

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    2024年05月15日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

    「ほんとうのさいわいを探し求めるための旅」だったと感じています。言い換えれば、死ぬと人間の「魂」はどこに行くのかを考える旅、死というものの本当の意味を探るための旅であったのではないか。

    ジョバンニは賢治の分身であり、川で亡くなったカムパネルラは、トシの死のメタファー(隠喩)である、と僕は解釈しています。  

    「善い行ないとは何か」ということが話の主題に。自分のことだけでなく、他人の幸せを思うことが「善い行ない」であり、それを実践すれば、たとえ命を失ったとしても、今よりもっとよい場所に行けることが暗示されています。
    僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない

    自分がつらくて悲しいときにこそ、相手を思いやることが大切。それが悲しみを乗り越えることにつながっていく

    「私はなぜこの世に生まれたのか。いったい何のために生まれたのか」という問題

    すべて「私はあなたであり、あなたは私である」。私はあなたであり、あなたは私であり、すべての人はつながっている」。

    賢治にとって、自然は「ライフブラッド」(生きるためには、なくてはならないもの)

    賢治は、自分(人間)という存在は、自然界を形づくっている分子のひとつ

    森羅万象のつながりを表現するものとして、仏教では「インドラの網」

    人間はもともと先天的に「誰かを助けたい、救いたい」

    私たちが今、賢治のメッセージから本当に学ぶべきことは、「自然と人間とのつながり」だと思います。
    人間のために自然を守ろう」と言っているのではないということです。「人間も動物も、虫も山も、川も岩も、すべてのものが並列関係にある」というのが彼の考え方です。

    宮沢賢治は二十一世紀の作家だといつも言っています。「十九世紀に生まれた、二十一世紀の人だった」



    銀河鉄道の夜
    宮沢賢治の作品の底辺にあるもの?
    それは贖罪意識。そして罪を過剰に意識して、なにがなんでも身をすててでもやらねばとおもう実践の人。
    実家が質屋だったことに由来する。
    彼だけが贖罪するのではなく、みんなを救いたいと考えた。その表現方法が作品。
    「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない」(農民芸術概論綱要)
    思い込みのはげしいおせっかいなやつだな、、、と思われていたかもしれない。

    銀河鉄道の夜は最愛の人をうしなった人のお話。
    トシの死後にかかれた。その死が題材だろう(永訣の朝よ同様)
    最愛の人を失うという最大の不幸に対してどうすればいいのか?どうすればのりこえれるのか?のヒントがある。
    死は人生の終焉ではなく輪廻の一段階にすぎない。
    常に自分だけではなくみんなの幸を願っていれば、死んでも輪廻でまたうまれかわり今よりよいところにいける。
    悲しいときこそみんなの幸せをおもいやることが善でありそれは悲しみを乗り越える力になる。
    タイタニックの青年。さそり座のエピソード。
    トシがなくなったあと1年、サハリンに旅にでる。そして気持ちの整理をつけて永訣の朝をかいた。その度のなかで自分自身の気持ちに整理をつけた。
    ジョバンニは賢治の分身でカンパネルラはトシの死のメタファー。
    トシはカンパネルラのメタファーなので、人を救うために自らの命を投げ出して死んだ。
    その魂をジョバンニ(賢治)はうけとったところで目がさめる。「僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん焼いても構わない」

    喪失の悲しみをどうのりこえるのか?ジョバンニの父親のシーン。一番かなしいはずなのに、「もういいです、あきらめましょう」とかたり、ジョバンニに、お父さんがかえってくるよと言葉をかける。ほんとに辛いときこそ相手をおもいやること。

    キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の最大の問いはなにか?「わたしはなぜこの世にうまれたのか?いったいなんのためにいきているのか?」
    賢治はそういうことは考えない人ではないか?科学的な人だから。むしろ「なぜ私は私であり私はあなたではないのか?」。そして考えた最後の結論は、私はあなたでありあなたは私である。
    他の人のことを他人事として考えるのではなく自分のこととして考えるという気持ちが大事。
    わたしとあなたは別の存在ではなくつながっているという感覚。

    そしてそれは人間だけではなく、すべての生命にたいしてかんじていた。山、川、風、空、土、動物、昆虫。人間も自然の一部である。自然を汚すとは人間をよごすことだ。
    ディズニは動物や木を擬人化して愛すべきキャラにするけど、考えてることの中身は人間と同じに描かれる。人間は一段、高いところにいる存在。
    宮沢は人間も動物も虫も同じれべるとして描く。

    人間は因果交流電燈の青い照明です(ひかりはたもち、その電灯はうしなわれ)=肉体(電灯)がしんでも光はのこる

    人間にとって善いおこないとはなにか?輪廻の世界でもっとよい場所にうまれかわるためには何をすべきなのか?が描かれてる。

    インドラの網。森羅万象のつながりを表現する仏教用語。
    インドラとは帝釈天。帝釈天の宮殿にかかってる網をインドラの網という。網の結び目に宝珠がある。その宝珠はほかの宝珠をうつしだし無限につづく。ひとつの宝珠がこわれるとすべてがこわれる。いかなるものも自分だけで存在せず他との関わりのなかで存在している。人、風、山、生き物・・すべてがインドラの網にくみこまれた宝珠。

    人間は先天的に誰かを助けたい、すくいたいとおもって生まれてくる。

    人間のために自然を守る、という思想から、人間も動物も樹木も同じ生命である。並列関係。岩もかわも。」という考えにかわるべき。すべての事象はめぐりめぐる。こわすものはいつかこわされると考えていきていく。

    19世紀にうまれた21世紀の作家。宮沢賢治という星は消滅したけど光が120年たってやっととどいてきた。
    イーハトーヴの思想。

    動物にも幸せになる権利があるとかんがえていた。ブランドン農学校の豚。なめとこ山の熊(人と熊の苦しみ)

    人は動物をあやめてはいけないというわけじゃない。(なめとこ山の熊)。接し方が大事だ。動物や植物と同じ生き物が人間。生き物を大切に扱わないと人そのものがあやうくなる。

    アメニモマケズ・・・口先だけでなく悲しい人のところに足を運ぶ。実践の人。個人の苦しみに向き合う。

    責任を果たすべき人たちが、表向きは社会のなかで犠牲になってる人々の救済について堅苦しい言葉で説明してもっともらしいことをいうが、彼らの窮状を改善しようという意志はあまりかんじとれない。足を運ぶこと。実践すること。

    誰だってほんとうにいいことをしたら、いちばん幸せなんだね(銀河鉄道の夜)
    賢治のようにストイックにやる必要はないけど、湯浅さんの1mmでも動かすのように自分のできることを小さくてもやること。

    ほんとうのさいわいは、一生懸命、人に幸せにすること。自分を犠牲にしてでも一生懸命やる。そのプロセスが自分を幸せにする。

    自分の内側に銀河を意識していいきていく。(すべてと一体化する)

    STRONG IN THE RAIN (あめにもまけずの英語版、出版されてる)

    人がいきていくにはその人なりの羅針盤が必要だ。

    実践の前に、よくみききしわかり、をやること。そうしないと何をしていいかわからなくなる。

    誰かを幸せにするとき何をすればいいか?お金をあげればいいか?無限に欲しがる。ザネリのケースでは、カンパネラは自らを犠牲にした。ザネリは衝撃を受け誰かを助けるだろう。おれはあんなに意地悪だったのに自らを犠牲にしてたすけてくれた、誰かを今度はたすけように。
    続・銀河鉄道の旅があるとしたらその主人公はザネリになる。

    賢治はものの名前にすごくこだわる。ものの名前をしることはその対象を自分の意識にとりこむことになる。動植物だけでなく石とかにも名前をこだわる。




    「ぼくはきっとできるとおもうふ。なぜならぼくらがそれをいまかんがへているのだから」(ポラーの広場)

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    2016年10月26日
  • 星砂物語

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    太平洋戦争終結の4カ月前、沖縄の八重山群島の一つでの出来事。暴力を否定する脱走兵と日系アメリカ人少女の物語。戦争の狂気が彼らに忍び寄る。能天気なボクでも平和を祈りたくなる。著者の初めての日本語作品なのだそうだ。もちろん英語訳も自身で行ったらしい。とっても清潔な文章だ。

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    2015年05月13日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    岩手旅行に行くので宮沢賢治を深めよう第一弾。
    童話感の中に猛烈に厳しい景色が加わることのある宮沢賢治。その理由を生育歴から解説し、小説の解像度を確実に上げてくれます。また、著者は長年宮沢賢治の英訳を行っているからか、どこか賢治みを感じます。
    『人が生きていくためには、その人なりの「羅針盤」が必要です。(略) どこに、どうやって持つのかは、全然構わないのです。賢治だって構わないと言うと思います。しかし、羅針盤は持たないといけない。』
    など著者の言葉自体もよかった。

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    2024年10月08日
  • 星砂物語

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    ネタバレ

    太平洋戦争が終結する4か月前、沖縄の西表島の近くにある鳩間島で起きていたこと。

    日本人の父と日系アメリカ人の母との間に生まれ、幼少期をアメリカで過ごした洋海。

    母と兄はアメリカに残り、父と帰国して、父は仕事の都合で長崎へ、頼った叔母は空襲で亡くなり、今はたった1人で流れ着いた鳩間島で暮らしている。

    牛乳瓶に海の星の砂を集める日々を日課にして過ごしていると、海岸の洞窟に暮らす脱走兵の日本人の岩淵さんと、同じく脱走兵のアメリカ人のボブに出会った。

    岩淵さんとボブに、海で獲った魚をわけてあげたり、岩淵さんのおじさんの家から物を届けて、洞窟で暮らす彼らと洋海の交流。

    足を怪我した岩淵さんの兄が加わり、このまま終戦を迎えるまで密かに生活できたら、どんなによかったか。

    洞窟で見つかった3人の遺体。
    そこに置いてあった洋海の日記。

    戦争が人をおかしくする。
    殺さなければ臆病者。逃げれば非国民。

    ネタバレ。ボブはマラリアと赤痢を患い、洋海が訪ねて行った日に、脱走兵の2人を軽蔑し殺意を抱いていた岩淵さんの兄が松葉づえで頭を殴ったことで、亡くなっていた。
    岩淵さんの兄が、松葉づえで困惑する岩淵さんを刺し、洋海はもっていた竹槍で兄を殺した。

    岩淵さんは1週間後に亡くなり、洋海は3人の遺体を残し、洋海は終戦を迎え、長崎にいる父を看取り、京都に移り住んだ。

    それから鳩間島にいた頃の日記を書いて、再び鳩間島に戻り、洞窟に眠る3人の傍に日記を置いてきた。

    生き残った16歳だった洋海。長い年月を経て、誰にも知られることのなかった洞窟でのことが知られる。

    長くなっちゃったー。

    戦争と沖縄のセットの話はつらいよね。
    でもこんな悲しい話がたくさん現実に起きていたと思うと、私たちは決してそれを受け止めていかないといけないね。

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    2024年03月14日
  • 星砂物語

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    沖縄が好きなので手に取った一冊。
    とても読みやすかったけれど、何か少し物足りなさを感じた。
    でも、やはり戦争なんてろくなものではないなと思った。ボブが、人を殺めた人は性格が変わる。例え戦争が終わり、その人が無事に邦へ帰れても、“以前のその人”は帰れないという部分がとても印象に残った。あと、なぜボブは偽名を使ったのか気になった。あと岩淵さんの兄さえいなかったら、ボブの病死は避けられないとしても、岩淵さんは助かったのになあと思った。こういう人は戦争があろうとなかろうと、相手の立場になって深く物事を考えられない人だと思った。

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    2024年01月07日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    ロジャーパルバース 100分de名著 宮沢賢治 「 銀河鉄道の夜 」

    オーソドックスな解釈で安心して読める

    宮沢賢治作品は、人間中心の物語でなく、自然の中の、宇宙の中の人間がテーマであり、人間の死とはどういう意味を持つのかを伝えている


    *自然の報告者〜自然こそ宮沢賢治の創造の源
    *実家の生業が質屋であることの罪悪感
    *浄土真宗の信徒である父と法華経(日蓮宗)に入信した賢治の宗教上の相違

    自然の報告者
    動物が言葉を話したり、風に命があったり〜賢治の目にはそう見えた、賢治は見たものをそのまま描いた

    わたくしと言う現象
    *人間も自然の一部である
    *自分は、自然界を形づくる分子の一つであり〜宇宙を含めた森羅万象は、自分と一心同体である
    *人間のために自然を守ろうではなく、人間も動物も川も並列である


    アンデルセン、ディズニーの擬人化は、人間を動物に置き換えて、人間
    の代わりに描いており、人間が高い位置から動物を見ている〜賢治の場合、人間も動物も木々もすべて同列であるとした上で擬人化している


    「農民芸術概論綱要」の序論に賢治の思想が集約されている
    *世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
    *正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識して、これに応じて行くことである


    「銀河鉄道の夜」
    *賢治が最愛の妹トシが亡くなったことをきっかけに書いた作品
    *死をテーマとし、それを乗り越える希望の物語
    *ジョバンニ=賢治、カムパネルラ=トシ
    *カムパネルラは自分を犠牲にして友達を助けたのだから、輪廻の世界でよりいい場所にいけるはず、ということが、ジョバンニに分かったから死を受け止めることができた

    カムパネルラ「誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸いなんだね」自己犠牲がほんとうにいいことを意味している


    私はあなたであり、あなたは私である

    雨にも負けず 「行って看病してやり〜」の「行って」は、賢治の生涯を象徴する言葉〜他人の悲しみや苦しみを〜一人ひとりと向き合って、その人の悲しみを聞くという意味


    「あとがき」もいいこと言っている

    人が生きていくためには、その人なりの羅針盤が必要であることを、宮沢賢治は作品の中で暗示している
    *羅針盤は、すべての人が持ち得るもの〜みんなが正しいと言っているから正しいとかではなく、自分の羅針盤が指し示す方角を定めることが必要
    *「雨にも負けず」の「よく見聞きしわかり」がこの詩の軸

    賢治がつくる物語は、他者をおとしめない、勧善懲悪の悪循環を断ち切ることにより、新たな幸せの意味を見出す




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    2022年04月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    ネタバレ

    おすすめ度:85点

    作者は40年以上もかけて、何度も英訳を繰り返してきた。「宮沢賢治は19世紀に生まれた、21世紀の人だった」という。賢治の作品には、21世紀に生きる世界中のすべての人に向けてのメッセージが隠されていて、国籍や人種、時間をも超越した普遍的はメッセージがそこにはある。
    『銀河鉄道の夜』は悲しい「死」を描きながらも、「いかに生きるべきか」という「生」を語る物語でもあるといえる。
    さらに、『銀河鉄道の夜』には、死を受け入れる方法だけでなく、大切な人を失った悲しみをどう乗り越えればいいのかについてもちゃんと書かれている。
    みんながお互いに相手を思いやれば、どんな大きな悲しみもやがては乗り越えられるはずだ━━。賢治が『銀河鉄道の夜』を通じて一番に伝えたかったことは「私とあなたは別々の存在ではなく、すべてのものはつながっている」という考え方なのだ。

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    2013年11月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    作家であり、自然科学者であり、宗教家であった宮沢賢治の生涯と代表作である「銀河鉄道の夜」をかなりわかりやすく解説した本でした。

    芸術と科学と宗教というのは個人的にどれも興味のある対象なので、それらを一つに融合して作品を執筆していた宮沢賢治の思想に感動しました。

    愛するのもの死をいかにして乗り越えるか。

    と言う人間にとって、とても大きなテーマがある作品だけに不変的な素晴らしさがあるのだと感じました。

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    2013年02月24日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    「戦場のメリークリスマス」の助監督としても知られるパルバース・ロジャーが、ジョバンニとカムパネルラを語る。

    Night on the Milky Way Train.

    悲しみを、乗り越えよ

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    2012年06月26日
  • もし、日本という国がなかったら

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    この本の著者であるパルバースさんは特殊な能力の持ち主らしい。言語能力が著しく高そうだ。この本はもっと古くに書かれたものだと思っていたけど、そうでもないらしい。比較的新しい本だった。彼は僕が知らない立派な日本人をたくさん知っている。また彼は最近著書を読んだ若泉敬さんのこともよく知っている。これにはすごく驚いた。日本人の良いところや日本文化の良いところ素晴らしい日本人といった我々が認識していない側面を外国にオリジンを持つ人だから見つけられると言う、そういう本が好きだ。彼が好きな早川雪舟や宮沢賢治、南方熊楠、高峰譲吉と言った日本人を僕は知らない。もっとそういった人を勉強しなければいけないなと思った。

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    2024年07月09日
  • 星砂物語

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    ファンタジーな設定から現実に、その流れはとても良い。突然の日記の終わり、そして、日記の発見。最後に謎解きがある。この部分が加わることで、作品が深くなったか? 長男の存在の意味。 後半、もう少し書き込んでほしいように思う。

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    2019年07月15日
  • 星砂物語

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    著者はハーバード大学で修士号取得の秀才で、映画「戦場のメリークリスマス」の助監督を務めた方だそうだ。

    太平洋戦争時代の鳩間島(石垣島の近く)を舞台にした物語。いかなる状況でも人は互いを信じあえる…というようなことが言いたいのかな。日本語で書かれたんだと思うんだけど、やはりどこか当たり前の感覚(言わずもがなの認識)が違う文化背景がある人が書いたのだろうなあと思える。

    映像が頭の中に浮かぶ。
    ちょっと哀しい物語でした。

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    2016年01月08日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    銀河鉄道の夜、と言うよりも宮沢賢治とはどんな人だったか?を知るのにとても分かりやすい本でした。

    童話作家としての一面が私としては印象深い人でしたが、宗教家、自然学者など色々な一面を持つ人だったようです。

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    2012年07月01日