ロジャー・パルバースのレビュー一覧

  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    「銀河鉄道の夜」は大人になって読み直して漫画やアニメで新たに触れて、奥深さに感じ入った。
    この本は題名から手に取ったのだが思いがけず宮沢賢治その人を新たに知るための格好の入門と言えるのではないだろうか。

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    2024年05月15日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

    「ほんとうのさいわいを探し求めるための旅」だったと感じています。言い換えれば、死ぬと人間の「魂」はどこに行くのかを考える旅、死というものの本当の意味を探るための旅であったのではないか。

    ジョバンニは賢治の分身であり、川で亡くなったカムパネルラは、トシの死のメタファー(隠喩)である、と僕は解釈しています。  

    「善い行ないとは何か」ということが話の主題に。自分のことだけでなく、他人の幸せを思うことが「善い行ない」であり、それを実践すれば、たとえ命を失ったとしても、今よりもっとよい場所に行けることが暗示されています。
    僕はもうあのさそ

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    2016年10月26日
  • 星砂物語

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    太平洋戦争終結の4カ月前、沖縄の八重山群島の一つでの出来事。暴力を否定する脱走兵と日系アメリカ人少女の物語。戦争の狂気が彼らに忍び寄る。能天気なボクでも平和を祈りたくなる。著者の初めての日本語作品なのだそうだ。もちろん英語訳も自身で行ったらしい。とっても清潔な文章だ。

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    2015年05月13日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    岩手旅行に行くので宮沢賢治を深めよう第一弾。
    童話感の中に猛烈に厳しい景色が加わることのある宮沢賢治。その理由を生育歴から解説し、小説の解像度を確実に上げてくれます。また、著者は長年宮沢賢治の英訳を行っているからか、どこか賢治みを感じます。
    『人が生きていくためには、その人なりの「羅針盤」が必要です。(略) どこに、どうやって持つのかは、全然構わないのです。賢治だって構わないと言うと思います。しかし、羅針盤は持たないといけない。』
    など著者の言葉自体もよかった。

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    2024年10月08日
  • 星砂物語

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    ネタバレ

    太平洋戦争が終結する4か月前、沖縄の西表島の近くにある鳩間島で起きていたこと。

    日本人の父と日系アメリカ人の母との間に生まれ、幼少期をアメリカで過ごした洋海。

    母と兄はアメリカに残り、父と帰国して、父は仕事の都合で長崎へ、頼った叔母は空襲で亡くなり、今はたった1人で流れ着いた鳩間島で暮らしている。

    牛乳瓶に海の星の砂を集める日々を日課にして過ごしていると、海岸の洞窟に暮らす脱走兵の日本人の岩淵さんと、同じく脱走兵のアメリカ人のボブに出会った。

    岩淵さんとボブに、海で獲った魚をわけてあげたり、岩淵さんのおじさんの家から物を届けて、洞窟で暮らす彼らと洋海の交流。

    足を怪我した岩淵さんの兄

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    2024年03月14日
  • 星砂物語

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    沖縄が好きなので手に取った一冊。
    とても読みやすかったけれど、何か少し物足りなさを感じた。
    でも、やはり戦争なんてろくなものではないなと思った。ボブが、人を殺めた人は性格が変わる。例え戦争が終わり、その人が無事に邦へ帰れても、“以前のその人”は帰れないという部分がとても印象に残った。あと、なぜボブは偽名を使ったのか気になった。あと岩淵さんの兄さえいなかったら、ボブの病死は避けられないとしても、岩淵さんは助かったのになあと思った。こういう人は戦争があろうとなかろうと、相手の立場になって深く物事を考えられない人だと思った。

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    2024年01月07日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    ロジャーパルバース 100分de名著 宮沢賢治 「 銀河鉄道の夜 」

    オーソドックスな解釈で安心して読める

    宮沢賢治作品は、人間中心の物語でなく、自然の中の、宇宙の中の人間がテーマであり、人間の死とはどういう意味を持つのかを伝えている


    *自然の報告者〜自然こそ宮沢賢治の創造の源
    *実家の生業が質屋であることの罪悪感
    *浄土真宗の信徒である父と法華経(日蓮宗)に入信した賢治の宗教上の相違

    自然の報告者
    動物が言葉を話したり、風に命があったり〜賢治の目にはそう見えた、賢治は見たものをそのまま描いた

    わたくしと言う現象
    *人間も自然の一部である
    *自分は、自然界を形づくる分子の一つで

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    2022年04月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    ネタバレ

    おすすめ度:85点

    作者は40年以上もかけて、何度も英訳を繰り返してきた。「宮沢賢治は19世紀に生まれた、21世紀の人だった」という。賢治の作品には、21世紀に生きる世界中のすべての人に向けてのメッセージが隠されていて、国籍や人種、時間をも超越した普遍的はメッセージがそこにはある。
    『銀河鉄道の夜』は悲しい「死」を描きながらも、「いかに生きるべきか」という「生」を語る物語でもあるといえる。
    さらに、『銀河鉄道の夜』には、死を受け入れる方法だけでなく、大切な人を失った悲しみをどう乗り越えればいいのかについてもちゃんと書かれている。
    みんながお互いに相手を思いやれば、どんな大きな悲しみもやがては

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    2013年11月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    作家であり、自然科学者であり、宗教家であった宮沢賢治の生涯と代表作である「銀河鉄道の夜」をかなりわかりやすく解説した本でした。

    芸術と科学と宗教というのは個人的にどれも興味のある対象なので、それらを一つに融合して作品を執筆していた宮沢賢治の思想に感動しました。

    愛するのもの死をいかにして乗り越えるか。

    と言う人間にとって、とても大きなテーマがある作品だけに不変的な素晴らしさがあるのだと感じました。

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    2013年02月24日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    「戦場のメリークリスマス」の助監督としても知られるパルバース・ロジャーが、ジョバンニとカムパネルラを語る。

    Night on the Milky Way Train.

    悲しみを、乗り越えよ

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    2012年06月26日
  • もし、日本という国がなかったら

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    この本の著者であるパルバースさんは特殊な能力の持ち主らしい。言語能力が著しく高そうだ。この本はもっと古くに書かれたものだと思っていたけど、そうでもないらしい。比較的新しい本だった。彼は僕が知らない立派な日本人をたくさん知っている。また彼は最近著書を読んだ若泉敬さんのこともよく知っている。これにはすごく驚いた。日本人の良いところや日本文化の良いところ素晴らしい日本人といった我々が認識していない側面を外国にオリジンを持つ人だから見つけられると言う、そういう本が好きだ。彼が好きな早川雪舟や宮沢賢治、南方熊楠、高峰譲吉と言った日本人を僕は知らない。もっとそういった人を勉強しなければいけないなと思った。

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    2024年07月09日
  • 星砂物語

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    ファンタジーな設定から現実に、その流れはとても良い。突然の日記の終わり、そして、日記の発見。最後に謎解きがある。この部分が加わることで、作品が深くなったか? 長男の存在の意味。 後半、もう少し書き込んでほしいように思う。

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    2019年07月15日
  • 星砂物語

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    著者はハーバード大学で修士号取得の秀才で、映画「戦場のメリークリスマス」の助監督を務めた方だそうだ。

    太平洋戦争時代の鳩間島(石垣島の近く)を舞台にした物語。いかなる状況でも人は互いを信じあえる…というようなことが言いたいのかな。日本語で書かれたんだと思うんだけど、やはりどこか当たり前の感覚(言わずもがなの認識)が違う文化背景がある人が書いたのだろうなあと思える。

    映像が頭の中に浮かぶ。
    ちょっと哀しい物語でした。

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    2016年01月08日
  • NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜

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    銀河鉄道の夜、と言うよりも宮沢賢治とはどんな人だったか?を知るのにとても分かりやすい本でした。

    童話作家としての一面が私としては印象深い人でしたが、宗教家、自然学者など色々な一面を持つ人だったようです。

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    2012年07月01日