新田享子のレビュー一覧
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安定して知的刺激を与えてくれる良書。斬新さは無いがポイントを押さえており、社会課題の復習にも有効。次の10年では、米中対立、気候変動、人間の生活を変える技術が問題になるだろう。より、深刻化していくという警鐘だ。
アメリカの分断の話。中国に対抗する政策でも、アメリカの左派と右派の意見が一致しなくなっている。もはや、富裕国では大卒資格がなく製造業で働く人は、中産階級の生活に手が届かない。不平等は拡大する一方だ。どの国もグローバリゼーションがもたらした歴史的恩恵から排除された人々があまりに多く、結果的に世界各地で一般市民が暴動を起こし、それにつけこんでポピュリズム派の政治家たちが台頭している。
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ー 第1章で、2つの衝突の道について詳しく説明した。一つは、アメリカ国内の共和党支持勢力と民主党支持勢力との争いで、世界唯一の超大国であるアメリカの政治生命と民主主義の高潔な精神にひどいダメージを与えている。もう一つは、既に大国として君臨しているアメリカと、新たに台頭してきた中国との対立だ。この2つのリスクによって、他の大国の政府や国際機関が、我々を待ち受ける真の課題に取り組まなくなると、それがさらに大きなリスクになってしまう。
我々はみな衝突の道を進んでいる。再び公衆衛生危機が世界を襲うことは必至で、気候変動もあり、破壊的な新技術が猛威を振るって、我々の生活や社会を不安にするかもしれない。 -
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Posted by ブクログ
筆者の深刻なリスク認識が伝わってきて、人類はもう滅びる直前なのではないかと思わせられる。
米ソ冷戦と違って、米中は互いに大きく依存しているため、どちらか一方だけが生き残るという解決策はあり得ない。そのため、共存を前提に共通の深刻課題に対しては、少なくとも協調する姿勢が大事だという。
また、米国は世界各国に軍事拠点を持ち圧倒的軍事力を誇っているが、今後の戦争の勝敗を決するのは、サイバー攻撃や経済制裁となるため、軍事的な優位性は下がっているという。このサイバー兵器を巡る脅威から、第三次世界大戦が起きる可能性もあり、今は第二次世界大戦前夜の1930年代よりも危険な状態とのこと。
歴史を振り返っ -
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Posted by ブクログ
タイトルからして、シリーズ「はたらく女性」! 米軍には男性が多い! だが活躍している女性兵士も中にはいる! 取材してみました! みたいな三文記事を想像してしまうが、実際には全く異なる。彼女らは女性の権利運動などは考えておらず、単純に自分の夢と国家、仲間のためだけに女性だけの特殊部隊に志願している。その性質上、機密性が高く、「隠されたアフガンの戦士」と呼んで差し支えないだろう。
アフガンはソ連もアメリカも撃退した国として有名だ。アメリカは現在進行系でテロ対策に追われている。友軍の情報をリアルタイムで追えるというハード面の進歩がある一方で、現地住民との信頼関係の構築といったソフト面ではまだまだで -
Posted by ブクログ
AIの歴史と現状について書かれた本。
2045年に迎えると言われているシンギュラリティについても、いろんな角度からアプローチしています。
が、結論を出すことが目的ではないようで、いろんな可能性を示す段階で終わっています。
そのことを「中途半端」と考える人もいると思いますが、自分には、「科学的な態度」と見えていまして、むしろ好感を覚えました。
たとえどんな未来がやって来るとしても、AIの進歩は間違いないと思います。
それをいかに適切に利用するかが、結局のところ、一番大切な気がします。
そういう意味では、AIも、数多ある技術の中の一つだと思います。 -
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Posted by ブクログ
借りたもの。
米軍の内部事情、女性の社会進出の契機ではなく、対ゲリラ作戦のために生まれた女性兵士たち。
「(アフガンの)女性を侮辱した!」という抗議の声には、文化の違い――見ず知らずの男性(兵士)が女性に話しかけたり、服越しでも触れてはいけない事など、価値観の差もあることを知った。
それ故に身体検査ができなかったり、アメリカ兵(見ず知らずの男性)の事を、アフガン女性が信用できないという事も。
女性(女装している男性がいる可能性も…)を尋問する女性兵士が必要になったことがきっかけだった。
男ばかりの兵士の世界の中で、女性らしさを保ち、それが活かせるのか――それが気になり読み進める。
前半はア