中野美代子のレビュー一覧

  • 西遊記 1

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    子ども向けの物語だと思っていた西遊記。だが、読み始めてみて驚くやその重厚さ。仏教・道教の世界観を破格のスケールで描く大著。難解な表現も多いが、だからこその読み応えがある。何より物語として非常に面白い。大人にこそ読んで欲しい長編中華SF。

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    2026年07月11日
  • 西遊記 10

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 9

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 8

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 7

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 6

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 5

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 4

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 3

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 2

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 1

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    中国で最も有名な書物の一つである西遊記です。
    全10巻で長いのですが、ストーリーが細かく表現されているので、読みやすいし、内容もかなり濃かったです。
    猪八戒や沙悟浄の知らなかったことなども書かれていますし、三蔵法師はかなり模範になります。
    ちょびちょび読みでしたが、年内で読み終えられて良かったです。

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    2026年04月27日
  • 西遊記 10

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。最終巻となる第10巻では第九十一回から第百回(完結)までを収録すると共に、役者による作品解説を付す。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの最終巻である。前巻に引き続き天竺国を往く三蔵一行、彼らの長い長い取経の旅もいよいよ終局へ。金平府では仏に化けて油をくすねる犀牛怪を退治し、天竺国の都ではまたしても三蔵に女難の影あり。親切心が仇を呼ぶ銅台府での騒動を切り抜ければ、そこはもう如来まします霊鷲山が雷音寺。果たして三蔵たちは無事正法の真経を賜り、正果を全うすることができるのか――。
    全百回、文庫本にして10巻におよんだ『西遊記』の物語は本巻をもって完結となる。旅程にして10万8千里、足掛け14年にも渡る取経の旅は、三蔵一行による唐土への正経伝来、そして一同の成仏でもって大団円を迎える。とはいえそれはあの騒がしくも賑やかな珍道中の終わりでもあり、毎度毎度散々な目に遭う三蔵の姿も、神通力を揮い天地を奔走する悟空の姿も、とぼけたことを抜かしては悟空にドヤされる八戒の姿も本巻をもって見納めとなるのは少々寂しくもあるのが正直なところか。余談ながら、霊鷲山までの最後の艱難(寇員外編)がこれまでのような神仏妖怪によるものではなく、「ただの人間の悪意」に由来するものであったというのもどこか意味深長に感じられた。
    巻末の訳者による作品解説では『西遊記』の成立史のみならず、孫悟空のルーツたる「取経のサル」の由来やストーリー構成についての詳細な説明がされており、本作の理解に大いに参考になる。本巻までで訳者がたびたび訳注で指摘してきたように、『西遊記』は単なる冒険小説ではなくその中に様々な隠喩やモチーフを秘めた作品でもある。訳注や解説で示されているのはそのほんの一端に過ぎないが、『西遊記』という物語の奥深さを改めて実感させてくれると共に、訳者による『西遊記』の解説本も紐解いてみたいと思わせてくれた。

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    2025年11月22日
  • 西遊記 9

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第9巻では第八十一回から第九十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第9巻である。鎮海禅林寺にてまたしても女怪の難に見舞われる三蔵一行、托塔李天王を告訴する騒ぎにまでなりながらもどうにか事を収めて西へと旅を続ける。和尚一万人を殺す願を立てる滅法国、妖王南山大王が支配する陰霧山を抜け、辿り着いたは霊山まします天竺国。だが御仏の国に至っても艱難は止まず。鳳仙郡では旱魃にあえぐ人々を救うべく悟空が奔走し、玉華県では弟子三妖が王子たちの武芸の師となるもそれが思わぬ騒動を巻き起こすことになる――。
    長きにわたる西天取経の旅もいよいよ終盤、三蔵一行がようやく天竺国入りするのが本巻である。物語のゴールも見えてきて、頁を進めるペースも勢い付いてくる。ただやはりネタ切れ感の指摘されがちな『西遊記』終盤とあって、前巻に引き続き各篇の出来の凹凸が目についてしまうのも正直なところではある。三蔵三度目の女難、師を攫った女怪を追い回す中で李天王・哪吒一家の家庭事情も明かされる地湧夫人編、三妖が人間に武芸を伝授しまた妖怪軍団と一大合戦が繰り広げられる玉華県編がある一方、単話完結でオチもあっさりとしている滅法国編と鳳仙郡編、これまでの妖怪退治譚を平均したような話運びの南山大王編、という具合である。とはいえここまでの九十回を読み進めてきた読者ならそれくらいのことは気にせず、最終巻へ向けて物語を走り抜けてほしい。

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    2025年11月02日
  • なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?

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     とってもおもしろい! 著者の中野美代子先生によれば、「『西遊記』のおもしろさは、あらすじにはありません!」、それは、「細部です」だそうです。
     そして中野先生が「わたしが細部のたのしみかたの、ガイドをいたしましょう」と。中野先生は岩波文庫『西遊記』全十巻を訳されたかたです。よろしくお願いします!
     わたしにとっての『西遊記』は、堺さん、西田さん、岸部さん、夏目さん、そしてゴダイゴさんたちの記憶です。西の方にお経を取りに行く・・・内容は忘れました!この本で再注入します!

     まず事実として、実在の中国唐代の僧侶である玄奘(げんじょう/三蔵法師)が仏教の経典を求めて、629年に唐の長安からインドへ旅立ちます。そして、約18年かけて多くの仏典を中国に持ち帰ったのです。その旅の記録が『大唐西域記』。
     それがなんだかんだで、おもしろくて奇想天外なお話の演芸(説話)となり、900年ほどの時を経て、明(みん)の時代に小説として完成したのが『西遊記』みたいです。
     苦労して仏教の経典を持ち帰るストーリーなので、表向き仏教的みたいです。しかし、中野先生によれば仏教をおちょくり倒している大人向けの小説のようです。

     わたしだと、三蔵法師のお供は?と聞かれれば、まず「サル」と答えてしまいます。でも、はじめはサルではなかったようです。中野先生は「サル」に至ったいきさつを、中国人の「サル観」?も交えて考察され、『西遊記』の成り立ちを説明してくださいます。
     小説になる前は演芸だったので、各お話は「章」ではなく、「お次の回のおたのしみ」の「回」だとか。そんなわけで『西遊記』は全100回です。

     全100回の物語は、大きく4つのパートに分かれるようです。驚くのは、それぞれの「回」に何が起きるのか、文字通り「計算」されていることです。
     そのベースになっているのが「五行」の考え方。五行とは、この世の基本的な物質は「木・火・土・金・水」の5つであるとするものです。それに陰陽説の陰数(偶数)や陽数(奇数)なんかも合わさって、数字にものすごくこだわっているようです。 『西遊記』が「数字」で組みあげてあるなんて、本当にびっくりです。

     『西遊記』の表向きの主人公は三蔵法師とお供のみなさんです。でも、中野先生のディテール話を読んでいると、三蔵法師たちの旅の裏で頻繁に登場する方々が気になりますし、おもしろいんです。
     そもそもなんで三蔵法師は、西天(お釈迦さまや仏神たちが住まう西の神聖な天上の世界)へいくことになったのでしょうか?
     すべてはお釈迦さまの発案なのです。そうすることで、東土(中国のこと)に「正しいお経を伝えよ」と。しかも、「あまたの「苦難」を乗り越えてこその取経である」とお考えになられました。
     そのお考えに観音さまはじめ、仏神のみなさんがんばられたようです。お疲れさまです。どんな世界でもトップのお言葉は重いです。まるで、一代で築き上げられた大企業みたい。(笑)
     ご指示があった「苦難」に関して、仏神のみなさん神経を使っています。今ならVBAとか使ってエクセルで管理するみたいな感じです。きっと、ガントチャートとかも用意してますね。三蔵法師たちのみならず、仏神のみなさんにとっても一大プロジェクトですよね。

     わたしは、中野先生から学んだ『西遊記』の骨格と読むための極意「細部をたのしめ!」を肝に銘じ、これからに望みたいです。\(^o^)/ 

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    2025年09月27日
  • 西遊記 7

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第7巻では第六十一回から第七十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第7巻である。前巻より続く悟空と牛魔王夫妻の戦いは神仏総出の大捕り物でもって決着し、火焔山の火を無事消し止めた三蔵一行はさらに西へと歩を進める。道中の祭賽国では妖怪に奪われた仏舎利を奪還すべく悟空と八戒が龍王一味と大合戦を繰り広げ、荊棘嶺では三蔵が樹木の精と風雅な一夜を過ごす。小雷音寺では黄眉大王の力の前に一同絶体絶命の窮地に陥り、駝羅荘での大蛇退治と稀柿衕越えを経て一行が辿り着いたのは朱紫国。長患いに苦しむ王の病を治したのもつかの間、妖怪に攫われた王の正妃を奪還すべく悟空は妖怪の根城に潜入する――。
    『西遊記』シリーズも7巻目となった本巻、有名な火焔山編の顛末は勿論、祭賽国編では悟空がかつて己を捕らえた二郎顕聖神君と手を組むという熱い展開あり、朱紫国編では悟空達が病に伏せる王を治すべくとんでもない材料から薬を調合するというコミカルな展開ありと見所は満載である。荊棘嶺・稀柿衕で文字通り道を切り開くなど、(珍しく)八戒の真面目な活躍が多いところも見逃せない。

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    2025年10月12日
  • 西遊記 6

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第6巻では第五十一回から第六十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第6巻である。全百回におよぶ『西遊記』の物語もいよいよ後半に突入するが、相も変わらず西天取経の旅は難行続き。金兜山の独角兕大王との戦いでは、宝器を吸い込む腕輪・金剛琢の前に悟空はおろか助っ人の神々でさえも大苦戦。続く西梁女人国では子母河の水を飲んだ三蔵と八戒が妊娠するわ、三蔵が国の女王はおろか妖怪にまで懸想されるわの大騒ぎ。挙句の果てには悟空がまたしても破門を食らいパーティから追放、その虚を突いて西天取経の一行に成り代わらんとする偽の悟空が現れる始末。それでも窮地を何とか潜り抜けて先へと急ぐ三蔵たちではあったが、彼らの行く手に待ち構えていたのは灼熱の火焔山、そして悟空と因縁深い牛魔王夫妻であった――。
    さて本巻で最も印象に残るのは、やはり著名な牛魔王夫妻の登場する火焔山編――ではなく、偽悟空の登場する六耳獼猴編である。悟空二度目の破門の隙を突き、彼に化け西天取経の栄誉を我が物にせんとする偽物が現れるという実に緊迫した展開であるはずなのだが、実際にお出しされたのは本物の悟空と偽の悟空がど突き合いながら方々を騒がせるという実にギャグチックな絵面であった。事の真偽を定めんと二人の悟空がお互い相争いながら天・地・冥の三界を巡るわ、緊箍呪を唱えれば何故か両方に効き目があるわ、観音や三蔵の呼びかけには双方声を揃えて返事をするわと、悟空破門までの鬱々とした前半の流れを吹き飛ばすかのような展開は思わず面食らってしまった。ある意味ではこうしたコミカルさこそが『西遊記』らしさと言えよう。

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    2025年08月17日
  • 西遊記 5

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第5巻では第四十一回から第五十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第5巻である。西天取経の旅もやっと半分まで到達する本巻は、紅孩児編の続きから黒水河での事件、車遅国編と通天河編を経て独角兕大王編の開幕までを収めている。西天を目指して歩みを進める三蔵法師一行、相も変わらず彼らの行く手には事件と騒動が満ち満ちている。牛魔王の息子・紅孩児との戦いでは流石の悟空も一時は瀕死の窮地に陥り、黒水河・通天河の二河では水中の妖怪を相手に八戒・悟浄の二人が獅子奮迅の働きを見せる。道士が坊主を虐げる車遅国では、悟空が仏僧たちを救わんと三大仙と法術合戦を繰り広げ、その無辺の神通力を惜しみなく見せつける――。
    全百回の物語もようやく折り返し地点となる本巻、最大の見所は何といっても悟空が大活躍する車遅国編である、奴隷さながらに苦役を強いられる僧侶たちを解放したのもつかの間、その日の夜には八戒・悟浄を誘って羅天大醮を荒して回り、翌日には三大仙を相手に智謀と神通でもって見事勝ちを収めてみせる。英雄(ヒーロー)にして無法者(アウトロー)、縦横無尽・痛快無比に暴れまわる孫悟空というキャラクターの魅力が詰まったこの編は『西遊記』の物語の中でもお気に入りの物語である。

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    2025年08月11日
  • 西遊記 4

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第4巻では第三十一回から第四十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第4巻である。悟空は破門、残りのパーティーも黄袍怪の前に壊滅状態という前巻の衝撃的な引きから開幕する本巻は、宝象国編の決着から有名な金角銀角兄弟との戦い、烏鶏国での事件と紅孩児編の開幕までを収めている。師の危機を知って飛んで駆け付けた悟空の活躍によってどうにか宝蔵国での事件は無事解決、悟空の破門も解かれ改めて4人(+1頭)の取経の旅を再開せんとする三蔵法師一行であったが、まだまだその前途は多難そのもの。平頂山では5つの宝器を操る恐るべき魔王・金角銀角兄弟との死闘あり、烏鶏国では国を奪われた王の亡霊のため悟空が東奔西走、そして六百里鑽頭山ではかの牛魔王の息子・紅孩児の前に一同翻弄される羽目になる――。
    『西遊記』前半の山場とも言える本巻であるが、やはり印象に残るのは金角銀角兄弟編であろう。神通広大なる宝器の力を振るう魔王兄弟とそれを奪い取らんと知略をめぐらす悟空の戦い、攻守が目まぐるしく入れ替わる様は読んでいて実に楽しいものがある。また前巻に引き続き道化役としての八戒の活躍も見逃せない。黄袍怪の脅威を訴える際わざわざ話を盛って悟空を焚きつける猪八戒、悟空に体よく斥候役として送り出されるも普通にサボって帰って来る猪八戒、悟空にこき使われた恨みでまたもや三蔵に讒言して余計な仕事を増やす猪八戒――。トラブルメイカーとしての面目躍如と言えよう。

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    2025年08月11日
  • 西遊記 2

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    ネタバレ

    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第2巻では第十一回から第二十回までを収録する。
    本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第2巻である。いよいよ本筋である西天取経の物語の始まりを描く本巻は、唐の皇帝太宗の地獄巡りの顛末から三蔵法師の旅立ち、孫悟空・玉龍・猪八戒の収服を経て黄風怪編の前半までを収めている。亡者供養のため催された大施餓鬼会での観音菩薩の示現をきっかけとして、太宗は高徳の僧として名高い玄奘(後の唐三蔵)に西天まで大乗の経文を取りに行くよう命じる。かくして三蔵の十万八千里に及ぶ西天取経の旅が始まった――わけではあるが、その行く先は魑魅魍魎ひしめく危険な道程、大唐の国境を超えた矢先に早くも妖怪に襲われ従者を失うという結果になってしまう。されど仏の救いとはよく言ったもの、観音菩薩の計らいの下、三蔵にはそれこそ人並外れたとてつもない旅のお供がつくことになるのである。即ち、西海龍王の第三太子である玉龍に天蓬元帥の下凡たる猪八戒、そして我らが斉天大聖の孫悟空である。
    軽快な語り口の訳文はそのまま、いよいよメインキャラクター登場ということで彼らの面白い掛け合いが楽しめるのが本巻の特徴である。正道に帰したとはいえまだまだ生来の傲岸さと無頼ぶりが抜け切らない悟空、高徳とは言うものの基本的に小心かつ無能で何かと小言の多い三蔵、そして本作最大の道化役として滑稽に振る舞う八戒と、まるで凸凹な面子が様々なやり取りをしながら旅をしていく様は読んでいて楽しくなってくる(個人的にツボだったのは、玉龍編で馬を失い嘆くことしか出来ない三蔵相手に「まったくもう!役立たず!」と散々に言い散らす悟空であった)。
    また意外だったのは、取経の旅において最初の「ボス敵」とでも言える妖怪・黒風怪が既に悟空と互角の実力を有している(故に悟空は負けることこそないが打ち負かすことも出来ず、観音菩薩の助力を得てようやくこれを収めた)ということである。「無敵のヒーロー」としての印象が強かった悟空が物語の序盤も序盤から手詰まりになるという展開は驚きであった。(実はこうした孫悟空の「無敵のヒーロー」というパブリックイメージが後世に付加されたものであるという指摘を訳者は別書にて指摘しているのではあるが)

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    2025年05月03日
  • 西遊記 1

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    中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第1巻では第一回から第十回までを収録する。
    本書は、中国文学の代表的作品として今日なお人気な『西遊記』の日本語全訳シリーズの第1巻である。底本は内閣文庫蔵『李卓吾先生批評西遊記』(いわゆる「李卓吾本」)であり、一般に『西遊記』として知られるエピソードが完成した全百回のバージョンを基にしている。
    唐の高僧玄奘が単身インドへ赴き多数の仏典を伴って帰国したという故事を題材とした本作は、彼が3人の妖怪の弟子を伴って幾多の艱難辛苦を乗り越えつつ西天に向かうという筋立てとなっている。高徳ながらも非力な三蔵の旅を助けるのは、花果山水簾洞の石猿にして「斉天大聖」の異名を誇る孫悟空、天蓬元帥の下凡たる豚の妖仙猪八戒、同じく捲簾大将の下凡にして流沙河に住まう沙悟浄の3人。三蔵に定められた八十一の大難、行く手を阻む無数の妖怪たちを相手に孫悟空らの神通力が炸裂する奇想天外な物語を、平易かつ軽快な訳でもって完訳したのが本シリーズである。
    全10巻のシリーズの最初を飾る本巻は第一回から第十回までを収めており、三蔵の西天取経の前日譚――孫悟空の誕生から中国唐代の皇帝・太宗の地獄巡りまでを描いている。広大無辺の神通力を得た孫悟空の大暴れ、天界の神仙相手でも臆さず傍若無人に振る舞う彼の姿は痛快ですらあり、この後の西天取経の旅でも大活躍する彼のキャラクターが活き活きと描かれている。
    すらすらと読めるユーモアに満ちた訳文に詳細な訳注が付された本シリーズは、まさに『西遊記』の決定版とも言えるだろう。

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    2025年03月29日