中野美代子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。最終巻となる第10巻では第九十一回から第百回(完結)までを収録すると共に、役者による作品解説を付す。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの最終巻である。前巻に引き続き天竺国を往く三蔵一行、彼らの長い長い取経の旅もいよいよ終局へ。金平府では仏に化けて油をくすねる犀牛怪を退治し、天竺国の都ではまたしても三蔵に女難の影あり。親切心が仇を呼ぶ銅台府での騒動を切り -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第9巻では第八十一回から第九十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第9巻である。鎮海禅林寺にてまたしても女怪の難に見舞われる三蔵一行、托塔李天王を告訴する騒ぎにまでなりながらもどうにか事を収めて西へと旅を続ける。和尚一万人を殺す願を立てる滅法国、妖王南山大王が支配する陰霧山を抜け、辿り着いたは霊山まします天竺国。だが御仏の国に至っても -
Posted by ブクログ
とってもおもしろい! 著者の中野美代子先生によれば、「『西遊記』のおもしろさは、あらすじにはありません!」、それは、「細部です」だそうです。
そして中野先生が「わたしが細部のたのしみかたの、ガイドをいたしましょう」と。中野先生は岩波文庫『西遊記』全十巻を訳されたかたです。よろしくお願いします!
わたしにとっての『西遊記』は、堺さん、西田さん、岸部さん、夏目さん、そしてゴダイゴさんたちの記憶です。西の方にお経を取りに行く・・・内容は忘れました!この本で再注入します!
まず事実として、実在の中国唐代の僧侶である玄奘(げんじょう/三蔵法師)が仏教の経典を求めて、629年に唐の長安からインド -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第7巻では第六十一回から第七十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第7巻である。前巻より続く悟空と牛魔王夫妻の戦いは神仏総出の大捕り物でもって決着し、火焔山の火を無事消し止めた三蔵一行はさらに西へと歩を進める。道中の祭賽国では妖怪に奪われた仏舎利を奪還すべく悟空と八戒が龍王一味と大合戦を繰り広げ、荊棘嶺では三蔵が樹木の精と風雅な一夜を -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第6巻では第五十一回から第六十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第6巻である。全百回におよぶ『西遊記』の物語もいよいよ後半に突入するが、相も変わらず西天取経の旅は難行続き。金兜山の独角兕大王との戦いでは、宝器を吸い込む腕輪・金剛琢の前に悟空はおろか助っ人の神々でさえも大苦戦。続く西梁女人国では子母河の水を飲んだ三蔵と八戒が妊娠するわ -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第5巻では第四十一回から第五十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第5巻である。西天取経の旅もやっと半分まで到達する本巻は、紅孩児編の続きから黒水河での事件、車遅国編と通天河編を経て独角兕大王編の開幕までを収めている。西天を目指して歩みを進める三蔵法師一行、相も変わらず彼らの行く手には事件と騒動が満ち満ちている。牛魔王の息子・紅孩児と -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第4巻では第三十一回から第四十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第4巻である。悟空は破門、残りのパーティーも黄袍怪の前に壊滅状態という前巻の衝撃的な引きから開幕する本巻は、宝象国編の決着から有名な金角銀角兄弟との戦い、烏鶏国での事件と紅孩児編の開幕までを収めている。師の危機を知って飛んで駆け付けた悟空の活躍によってどうにか宝蔵国での -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第2巻では第十一回から第二十回までを収録する。
本書は、岩波文庫から刊行されている『西遊記』日本語訳シリーズの第2巻である。いよいよ本筋である西天取経の物語の始まりを描く本巻は、唐の皇帝太宗の地獄巡りの顛末から三蔵法師の旅立ち、孫悟空・玉龍・猪八戒の収服を経て黄風怪編の前半までを収めている。亡者供養のため催された大施餓鬼会での観音菩薩の示現をきっかけとして、太宗は高徳の僧として名 -
Posted by ブクログ
中国明代の白話(口語)文学の代表格にして、「四大奇書」の一つとしても知られる小説『西遊記』の日本語全訳。唐代の僧玄奘(三蔵法師)のインド取経の故事を題材に、孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三妖を従えた三蔵の波乱万丈の旅を描く。第1巻では第一回から第十回までを収録する。
本書は、中国文学の代表的作品として今日なお人気な『西遊記』の日本語全訳シリーズの第1巻である。底本は内閣文庫蔵『李卓吾先生批評西遊記』(いわゆる「李卓吾本」)であり、一般に『西遊記』として知られるエピソードが完成した全百回のバージョンを基にしている。
唐の高僧玄奘が単身インドへ赴き多数の仏典を伴って帰国したという故事を題材とした本作は、 -
Posted by ブクログ
おそらく實吉達郎『西遊記動物園』で知ったのだと思う。悟空が最後に会敵するのは月のウサギ。キネを武器に全裸で悟空と渡り合う。あぁ、絵心をくすぐられる!
評判のよい平岩弓枝『西遊記』をひもとく。着衣のようである。實吉先生は間違えているのか。やむなし、中野美代子完訳版(十)に手を出す。
ありました。「妖精はといいますと(中略)着ているものをパッと脱ぎ捨て(中略)杵のような短い棒を手にするなり(中略)悟空に打ちかかってきたのです」
しかし、このページ左側イラストの妖精は着衣である。おぉ、こうなれば何としても不肖の自分が赤い目・白い肌・全裸の妖精を描くしかあるまい。
なお、解説・補 四「構成に -
Posted by ブクログ
澁澤龍彦の序がまずよい。残虐や攻撃=動物性、友愛や連帯=人間性と一般的にイメージされてるが、むしろ逆なのでは?という定義。道具の発明は力の均衡を壊し、バランサーであった動物的本能が働かなくなり、同類殺害が生まれた。だから、カニバリズムは人間的な行為なのだという完璧な導入。
本文で好きなところの要約、引用
・「思えば、肉欲の至高の表現は、愛する者を滅ぼし、これを食いつくすことにありはしないだろうか。性が形而下の目的として生殖すなわち有を一方の極におくならば、一方の極には、完全な無があるはずだ」
・ジョルジュ・バタイユの「エロティシズムとは、死にまでいたる生の称揚である」。戦争もカニバリズムも人