萩原麻里のレビュー一覧

  • 人形島の殺人―呪殺島秘録―(新潮文庫nex)

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    呪術師の末裔が暮す島という、おどろおどろしいシチュエーションの伝奇ミステリシリーズの第三弾。これまで伏線として仄めかされてきたシリーズの謎が一応解けるのだが、完結編ではなさそう。このシリーズは一作目が生真面目なフーダニットだったのに対し、二作目はミステリ部分は付け足しでほぼスリラーだった。本作はどうかというと、崖から吊された死体が、吊り降ろすことを指示した人間に入れ替わるという、なかなか魅力的な謎を提示するハウダニットで、ミステリ色は一作目に負けずに濃い。ホワイの部分も怠っていない、このトリックは秀逸だと思います。ただ、背表紙の惹句にも触れられていないように、折角の謎を押してこないのは残念かな

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    2023年02月15日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    意識が戻ったら密室で死体とともにいた真白。そして彼は記憶もなくなっていた。どうやら呪術者として呪われた一族の島に伯母を訪ねてきたらしい。
    ミステリー作家である伯母の親族や編集者、弁護士などが滞在する屋敷で次々に起こる殺人。真白は自身の疑惑を晴らすためにも友人である古陶里とともに謎を解明しようとするが…
    続編を先に読んでしまっていたので、最後にちょっとあれ?と思うこともあったが、スピーディーな展開で面白かった。背景に呪いがあるにしては雰囲気は軽い。

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    2022年11月09日
  • 巫女島の殺人―呪殺島秘録―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    熱が低い時にちまちま読んでたらいつの間にか終わってました。
    前作より呪術とオカルトが強くなっています。前作より閉鎖的な島で、島民全員が呪術を行える一族を崇めていました。まさにこれぞ『呪術島』という感じでした。

    前作同様に店舗もよく進み、次から次へと人が亡くなるのでそわそわします。最近民俗学ミステリが多い気がしますが、民俗学の知識がなくともスラスラ読めました( 説明してくれるからです )

    トリックが云々と言うより動機に重点を置いていた気がします。
    真相は割と直ぐに気がつくことが出来きるほど簡単でしたが、もう常に悲しくて読むのがしんどかったです。きっともっといい道もあったのではないかと…。

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    2022年08月23日
  • 巫女島の殺人―呪殺島秘録―(新潮文庫nex)

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    シリーズ2作目なのを知らずに読んでしまったが、ストーリー的には大丈夫。
    大学の民俗学研究室にある離島から手紙が届き、主人公たちは調査に向かうことになった。その島では巫女が死者の霊を降ろす秘儀が行われており、そのために人が死ぬという。行ってみると観光客が訪れ移住者も多い穏やかな島に見えたが‥
    ライトな民俗学ミステリー。ネタは早めに見当がついたがスピーディーな展開で読みやすかった。古陶里の存在感がなかったのが残念。

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    2022年07月15日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    最初に、密室、見取り図、アリバイ時間と来るので、ああ本格謎解きミステリなのねと思ったら、意外とそうでもなかった

    私は「部屋の鍵にピタゴラスイッチみたいな仕掛けが施され、カラクリ屋敷なので1階の東南東の部屋と3階の西北西の部屋が繋がってて、犬の散歩に行ったと言ったが、実は猿の散歩だったから数分の誤差が生まれたんだyo!!」みたいなのは、え?部屋の本棚は何処って?お屋敷の西はどっちって?犬と猿の分速はどっちがどう?となるので

    寧ろ良かったと思うけど、そう言うのを期待してる人から見れば、肩透かしな感じかも

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    2022年03月01日
  • 巫女島の殺人―呪殺島秘録―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    ホラー寄りのミステリ。
    『呪殺島の殺人』の続編。今回は、瀬戸内海に浮かぶ千駒島(ちこまじま)で行われている秘儀の調査。
    大学の研究室に届いた手紙をきっかけに、「僕」と古陶里は民俗学の准教授・世志月伊読(ヨシヅキイヨミ)とその助手・和沢瑚大朗(カズサワコタロウ)と共に調査に向かう。
    そこは、移住者を歓迎する島だったが、代々「美寿々さま」と呼ばれる巫女が死者の魂を呼ぶ秘儀が今も行われており、その期間はよそ者が立ち入れないことになっていた。
    狂信がもたらす秘儀の真相にはゾッとするが、それができたことが前提となると、もはやオカルト。

    前作で正体を覗かせた久保田女史と世志月の関係、今回も「真白」で

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    2022年02月21日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    作家・赤江神楽の出版記念パーティのために孤島を訪れた、編集者、弁護士、ジャーナリスト、遠縁の三姉弟、そして甥の真白とその幼馴染みの古陶里。密室で神楽の遺体が発見される。側には真白がいたが、殴られて意識を失い、目覚めたときには記憶を失っていた。そして、嵐の孤島で次々と人が殺されていく。
    お馴染みのクローズドサークル。記憶喪失も使い古されてはいるが、ここではうまく作用している。「呪い」がもたらす雰囲気も効果的。古陶里は口調や服装からしてあざとすぎる気もするが、とぼけた語り手の口調がそれを和らげている。編集者がなかなか面白いキャラでよい。

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    2022年01月25日
  • 巫女島の殺人―呪殺島秘録―(新潮文庫nex)

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    不気味な伝説に彩られた、閉ざされた島で連続殺人が発生するという、クローズドサークルの伝奇ミステリの定石に則った「呪殺島」シリーズ(?)の第二弾といったところ。ただ、まっとうなフーダニットだった「呪殺島の殺人」に比べると、ミステリ色はかなり後退していて、殺人事件の推理はほとんど行われず、真相は指摘されるもののこれでは当てずっぽうである。代わりに力が入っているのが、千駒島の祭祀の謎解き。パズラーから民俗学サスペンスに舵を切った感じで、結果を見れば正解だと思う。単純に読んで楽しい出来に思う。前作みたいな謎解きを期待した読者は、肩透かしを食うかも知れないが。

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    2022年01月12日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    これは、割りと序盤から展開が読める一冊だった。が、主人公?の2人の素性とキャラが深掘りされないままでこれもまた、もやもや。いまいち不完全燃焼です。

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    2021年11月13日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    その昔呪殺を生業とする一族が流されたいわくのある孤島で起こる連続殺人。
    主人公が記憶喪失となり犯人の容疑をかけられるところからの導入もスムーズ。
    ラノベの文体や独特の人物設定は読み慣れないけれど、本格的なミステリーの構築にいつの間にか夢中になっていた。犯人に迫るだけでなく、密室の謎、記憶喪失に絡む真実、呪詛の解説、登場人物の驚く素性…いろいろ盛り込まれて興味は尽きず。
    悲壮感や重厚感を感じにくいのでサラッとした読後だが、神楽さんの気持ちを思うと只々やりきれない。
    あの彼の名前は続編で明かされたりするのかな。

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    2020年12月27日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    主人公が目覚めた部屋には、見ず知らずの女性の死体が転がっていた
    そこへ駆けつけた人々によると、自分は小島のこの屋敷の主人のもとへ集まった一人……らしい
    というのも、主人公は記憶を喪い自身の名前さえわからないのだ
    嵐によってその屋敷に閉じ込められた主人公達は、次々と起こる殺人事件に巻き込まれてゆく

    主人公のモノローグの口調がオタクもしくはインターネットヘビーユーザーというのか…とても気になった
    言葉の意味はわかるが、そういう類いの言葉諸々が頻繁に小説で出る事に慣れていないので、違和感が酷かった
    登場人物もなんというかアニメチックで、漫画やアニメとしての方が、自然に楽しめたのではないかと思う

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    2020年07月07日
  • 呪殺島の殺人(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    偽物の正体がほぼ最初でわかってしまうのが、なんとも。
    その他はトリックも話も面白かったので、そこだけが残念。

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    2020年05月31日
  • 異国迷路のクロワーゼ Le cahier d’ Yune

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    要作品知識(といっても、漫画読んだ事があれば問題なし。アニメは見てないんでわからない)。
    優しい気持ちになれる、原作の雰囲気が壊れていない感じのノベライズで、愉しめました。

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    2012年02月01日
  • 異国迷路のクロワーゼ Le cahier d’ Yune

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    アニメから入りましたが、文章だとそれぞれの内面がより深く分かる気がして、温かみよりも切なさの方が強く感じられました。ただ最後の終章でイメージしてた優しい雰囲気があってよかったです。汐音絡みの過去の話はアニメでもやるんだろうか。そっちへの期待も高まりました。

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    2011年08月12日