園部哲のレビュー一覧
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ヨットでの単独無寄港世界一周レースといえば、現代ではヴァンデグローブというレースがあります。海のF1みたいな超ハイテクのヨットによるレースですが、本書が取り上げるゴールデングローブレースは、GPSもない1960年代後半に実施されました。参加したのは9名。様々な背景を持った参加者が集ったのですが、中にはまともに外洋でセイリングをした経験が無い人も含まれていました。
イギリスをスタートし、大西洋を南下、赤道を越えて南氷洋付近を西から東へと進み、アフリカ喜望峰を通過してインド洋、太平洋へと進み、南アメリカのホーン岬を通過して再び大西洋に入り、北上してスタート地点に戻るというコースをたどります。
南 -
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ネタバレ映画「喜望峰の風にのせて」の原題は「The Mercy」。邦題はひどいが映画の内容は衝撃的だった。本書のヨットレースに参加したクロウハーストが主役の映画だ。本書のおもしろさは、まるまる1本の映画では足りないかのようなドナルド・クロウハーストが9人もの登場人物の1人にすぎない!ということだ。濃厚極まる冒険譚が連続する。問答無用のページ・ターナー。9人のヨット・レースを描く1本の映画をみてみたい気もするが、クロウハーストの映画はもうあるので、あと8本みてみたい。モワテシエはドキュメンタリーがあるっぽいけど、あとで調べてみよう。いやーすごいやヨットマン。とんでもない。あまりの面白さに2日で一気読みし
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第三帝国を旅した、とあるが実際には第一次対戦後のワイマール共和国時代辺りからドイツを訪れた主に欧米の人たちがナチスの興隆をどう見ていたのか、についてまとめたもの。あのような異常な世界はある日突然ではなくじわじわと成り立ったものだろうとは思うのだけどそのじわじわ感を知りたかったので手に取ってみた。何より驚いたのは当時のドイツを訪問したアメリカ人、イギリス人の多さ。同じゲルマン人のアングロサクソン族とチュートン族という部族違いという親近感があったようで第一次大戦を同じ側で戦ったフランスよりもよっぽど親しみを感じていたという。音楽、哲学など高い文化に触れるためという理由もあって多くの人が訪れ、ドイツ
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アメリカ人のジャーナリストが上海でタクシー運転手として触れ合った市井の人々の声をまとめたのが本書だが、コンセプトが面白すぎる。なにせ、「無料で目的地まで乗せる代わりに、あなたの話を聞かせてほしい」という条件のフリータクシーなのだから。
登場する人々はアメリカの留学から戻ってきたばかりのビジネスパーソンや、国内の人権弾圧に抵抗する市民活動家など、多岐に渡る。
とはいえ、10人にも満たない登場人物だけで中国という国について何かを語ろうとするのはさすがに無理がある。そうではなく、本書の面白さは、幅は狭いかもしれないが、その一人一人の生活を詳細に聞き出す”深さ”にある。シンプルに異国で生きる一人の -
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非常に興味深く読みました。
著者がアメリカ人ジャーナリストであることも
大きいですね。
もし、日本人ジャーナリストが
「フリータクシー」という手腕を使ったとてしても
ここまで赤裸々な「中国」は浮かび上がってこなかった
ことでしょう。
たまたま乗車した人たちが
(中国籍の)市井の人たちであることもまた
余計に その信憑性につながっている
そして
著者であるラングフィットさんと
インタビューをされたそれぞれ個々の中国の方たちが
そのだけ時の関係だけでなく、ちゃんとその後も何度も
逢って、話を積み重ねておられるところも
たいへん興味深く、味わい深く感じてしまう。
そこまで語らせてしまい、 -
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1960年代に英国の新聞社主催で行われた、単独無寄港世界一周ヨットレース。
当時、月に向かい、北極に向かい、世界が新たなフロンティアに挑む風潮もあってか、全く人命とか安全とか考慮なしに、欲と栄光と金と話題が渦巻く。
9人参加して、走り切ったのは一人という過酷な勝負。
9人の参加動機も海の男としての技量もまちまちで、主催者も一切考慮していない。同時スタートでもなく、準備期間もない。新聞広告出して、この条件で回ったら、賞金あげるよん、という、賞金稼ぎを煽るような構想。
当然、棄権は続出する。自然余りに過酷で、読んでるだけで恐怖する。無理。
それでも海難で亡くなった人がいないのがすごい。
自 -
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1968年世界初の単独無寄港・無補給ヨット世界一周をするレース「ゴールデングローブレース」の実際にあった話。
冒険ものは好きなので題材としては最高なんだけど、翻訳物なので読みにくかった。
参加者、それぞれの関係者、ヨットの名前、地名など全部が横文字。
読んでるうちに誰が誰かとか、何となくここらへんかなと場所はわかるようになっていったけど、何より難解なのはヨット用語だった。
なのでどこが壊れたとか、どこの不具合でこうなったかなどちゃんと理解できてないままだが何となくでも読めたし、ヨットの話は初めてなので終盤にかけて面白くなっていった。
ただ、それぞれの結果=史実には色んな感情が湧いた。一番