園部哲のレビュー一覧

  • 狂人たちの世界一周

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    ヨットでの単独無寄港世界一周レースといえば、現代ではヴァンデグローブというレースがあります。海のF1みたいな超ハイテクのヨットによるレースですが、本書が取り上げるゴールデングローブレースは、GPSもない1960年代後半に実施されました。参加したのは9名。様々な背景を持った参加者が集ったのですが、中にはまともに外洋でセイリングをした経験が無い人も含まれていました。

    イギリスをスタートし、大西洋を南下、赤道を越えて南氷洋付近を西から東へと進み、アフリカ喜望峰を通過してインド洋、太平洋へと進み、南アメリカのホーン岬を通過して再び大西洋に入り、北上してスタート地点に戻るというコースをたどります。

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    2025年05月10日
  • 狂人たちの世界一周

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    ネタバレ

    映画「喜望峰の風にのせて」の原題は「The Mercy」。邦題はひどいが映画の内容は衝撃的だった。本書のヨットレースに参加したクロウハーストが主役の映画だ。本書のおもしろさは、まるまる1本の映画では足りないかのようなドナルド・クロウハーストが9人もの登場人物の1人にすぎない!ということだ。濃厚極まる冒険譚が連続する。問答無用のページ・ターナー。9人のヨット・レースを描く1本の映画をみてみたい気もするが、クロウハーストの映画はもうあるので、あと8本みてみたい。モワテシエはドキュメンタリーがあるっぽいけど、あとで調べてみよう。いやーすごいやヨットマン。とんでもない。あまりの面白さに2日で一気読みし

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    2024年12月07日
  • 狂人たちの世界一周

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    ネタバレ

    50年前に無寄港世界一周してたという衝撃
    参加者それぞれのドラマが面白い
    モワティシエのゴール素通りでもう一周は最高
    帯に書かれた自殺者が誰なのか気になってミステリーっぽくも読めた

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    2025年04月10日
  • 狂人たちの世界一周

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    1960年代にあったヨットでの単独無寄港世界一周レースのノンフィクション。
    当時の設備でそんなことを実現した人がいるなんて、まさに狂人。
    ヨットのために全財産を賭け、家族も置き去りにして、自分がどこまで出来るか試す。
    ヨットの操り方を知らないまま参加する人もいたりする、自信ありすぎ。

    ヨット用語と世界地図を1ページごとに見直しさないと理解して読むのが難しかった。
    図がちょくちょく載ってるけど、1回読んだだけやと理解しきるのは無理。
    けどレースの成り行きは分かるから不思議。
    なんとなく読んでいける。

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    2025年02月09日
  • 狂人たちの世界一周

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    船の知識があるならきっともっと楽しめたんだろうけど、そういう知識が全くなくても「なんとなく」読み進められてかつ面白い。
    翻訳ものの常として、登場人物を覚えるまでが一苦労。一通り頭に入ったら、ぐいぐいと物語に引き込まれた。
    ただ、やはり航路が「なんとなく」なので、レース結果が判明している最後付近にその図をまとめていてほしかった。

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    2025年02月07日
  • 上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅

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    アメリカ人ジャーナリストが、「話を聞かせてくれれば運賃はタダ」というフリータクシーの運転を通じて、乗客となった中国人の本音を引き出し、交流を続けるノンフィクション。

    リアルな思い。
    生き抜くこと。
    向上心。
    這い上がろうとする人。
    海外で夢をつかむ人。
    チャイニーズ・ドリーム。

    本当におもしろい!!
    またひとつ、知らなかった価値観を知る視点を得ることができました。

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    2024年03月01日
  • 異邦人のロンドン

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     ロンドン。新婚旅行でドイツからの帰路でトランジットで立ち寄っただけで、足を踏み入れたことのない街。そんなロンドンが舞台な「異邦人のロンドン」。ロンドン在住歴30年余りの日本人作家が暮らしの中で見聞きしたよそから来た人たちのルポ。この街には、様々な土地から多様な物語を背負った人が流入してくる。モザンビークからの密入国者、香港から逃げてきた一家、ロシアの資産家など。ロンドン目指して飛行機の車輪格納部に潜んだ密入国者が着陸態勢に入り空から落ちてくることが多々あるというのは痛ましい。

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    2024年01月31日
  • 上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅

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    中国は酷い国家だということがわかる。
    住んでいる人が酷いかどうかは別として。

    払ってもいい金額:2,000円
    貼った付箋の数:10

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    2023年06月04日
  • 上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅

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    こんな方法を思いつく事が凄い。現在の中国で、どこまで本音に近づけるか?それが少しでも出来るようにした努力に敬意。

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    2022年06月10日
  • 第三帝国を旅した人々:外国人旅行者が見たファシズムの勃興

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    第三帝国を旅した、とあるが実際には第一次対戦後のワイマール共和国時代辺りからドイツを訪れた主に欧米の人たちがナチスの興隆をどう見ていたのか、についてまとめたもの。あのような異常な世界はある日突然ではなくじわじわと成り立ったものだろうとは思うのだけどそのじわじわ感を知りたかったので手に取ってみた。何より驚いたのは当時のドイツを訪問したアメリカ人、イギリス人の多さ。同じゲルマン人のアングロサクソン族とチュートン族という部族違いという親近感があったようで第一次大戦を同じ側で戦ったフランスよりもよっぽど親しみを感じていたという。音楽、哲学など高い文化に触れるためという理由もあって多くの人が訪れ、ドイツ

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    2021年08月09日
  • 上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅

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    アメリカ人のジャーナリストが上海でタクシー運転手として触れ合った市井の人々の声をまとめたのが本書だが、コンセプトが面白すぎる。なにせ、「無料で目的地まで乗せる代わりに、あなたの話を聞かせてほしい」という条件のフリータクシーなのだから。

    登場する人々はアメリカの留学から戻ってきたばかりのビジネスパーソンや、国内の人権弾圧に抵抗する市民活動家など、多岐に渡る。

    とはいえ、10人にも満たない登場人物だけで中国という国について何かを語ろうとするのはさすがに無理がある。そうではなく、本書の面白さは、幅は狭いかもしれないが、その一人一人の生活を詳細に聞き出す”深さ”にある。シンプルに異国で生きる一人の

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    2020年08月08日
  • 上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅

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    非常に興味深く読みました。

    著者がアメリカ人ジャーナリストであることも
    大きいですね。
    もし、日本人ジャーナリストが
    「フリータクシー」という手腕を使ったとてしても
    ここまで赤裸々な「中国」は浮かび上がってこなかった
    ことでしょう。
    たまたま乗車した人たちが
    (中国籍の)市井の人たちであることもまた
    余計に その信憑性につながっている
    そして
    著者であるラングフィットさんと
    インタビューをされたそれぞれ個々の中国の方たちが
    そのだけ時の関係だけでなく、ちゃんとその後も何度も
    逢って、話を積み重ねておられるところも
    たいへん興味深く、味わい深く感じてしまう。

    そこまで語らせてしまい、

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    2020年06月12日
  • 狂人たちの世界一周

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    1960年代に英国の新聞社主催で行われた、単独無寄港世界一周ヨットレース。

    当時、月に向かい、北極に向かい、世界が新たなフロンティアに挑む風潮もあってか、全く人命とか安全とか考慮なしに、欲と栄光と金と話題が渦巻く。

    9人参加して、走り切ったのは一人という過酷な勝負。

    9人の参加動機も海の男としての技量もまちまちで、主催者も一切考慮していない。同時スタートでもなく、準備期間もない。新聞広告出して、この条件で回ったら、賞金あげるよん、という、賞金稼ぎを煽るような構想。

    当然、棄権は続出する。自然余りに過酷で、読んでるだけで恐怖する。無理。
    それでも海難で亡くなった人がいないのがすごい。

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    2025年09月23日
  • 狂人たちの世界一周

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    1968年世界初の単独無寄港・無補給ヨット世界一周をするレース「ゴールデングローブレース」の実際にあった話。
    冒険ものは好きなので題材としては最高なんだけど、翻訳物なので読みにくかった。

    参加者、それぞれの関係者、ヨットの名前、地名など全部が横文字。
    読んでるうちに誰が誰かとか、何となくここらへんかなと場所はわかるようになっていったけど、何より難解なのはヨット用語だった。

    なのでどこが壊れたとか、どこの不具合でこうなったかなどちゃんと理解できてないままだが何となくでも読めたし、ヨットの話は初めてなので終盤にかけて面白くなっていった。

    ただ、それぞれの結果=史実には色んな感情が湧いた。一番

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    2025年01月07日
  • 異邦人のロンドン

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    ロンドン在住20年以上という著者が、ロンドンに住む異邦人について書いている。ブレイディみかこより、在歴が長く、子どもも私立学校に通わせており、コミュニティも上の階級といったところのロンドン暮らしがよくわかる。年齢も上の人との交流が多く、その人々の多くが戦争や国家の動乱を経験しており、その話がダイナミックで面白く、慧眼がある。特に、VJ DAY(日本への勝利記念日)の話(日本を憎んだ人たち)と香港人の投資への啓蒙活動の話(オリヴァーの脱出)が興味深く、もっと深掘りしたくなった。

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    2025年01月03日
  • 異邦人のロンドン

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    最初はプレディみかこさんみたいな感じかな?とイギリス被りで思ったけれど、結構読みやすくてイギリスの移民問題とかが分かって良かった。

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    2024年09月09日