【感想・ネタバレ】上海フリータクシー:野望と幻想を乗せて走る「新中国」の旅のレビュー

あらすじ

米公共ラジオ局の特派員として上海に赴任した著者は、市井の人びとの生の声を聞き出すべく、無料のタクシーを走らせるというアイデアを思いついた。話を聞かせてくれれば、運賃はもらわない。
どういう素性の人が乗ってくるかわからないタクシーという乗り物の性質上、取材対象となる乗客のバックグラウンドは実に多様だ。知識人もいれば、そうでない人もいる。地方出身の出稼ぎ労働者、大都市で生まれ育った人、恵まれた人、恵まれない人――さまざまな階層や境遇の人たちから話を聞き、彼らのストーリーを重層的に描くことで、今の中国社会の姿を立体的に浮かび上がらせる。
乗車時に語られたストーリーを単に並べるのではなく、乗客のその後を丹念に追跡調査し、ときには海外まで足を延ばして周辺取材を敢行する。一人ひとりがどのような人生を歩んできたのか、中国共産党の強大な政治体制や目まぐるしく変わる経済状況が個人の生き方にどう影響しているのかをつぶさに見ることができる。
中国社会の実情を浮き彫りにしつつ、中国と世界各地が相互に連動し、時代の重要な転換点を迎えていることを暗示する野心的ノンフィクション。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

アメリカ人ジャーナリストが、「話を聞かせてくれれば運賃はタダ」というフリータクシーの運転を通じて、乗客となった中国人の本音を引き出し、交流を続けるノンフィクション。

リアルな思い。
生き抜くこと。
向上心。
這い上がろうとする人。
海外で夢をつかむ人。
チャイニーズ・ドリーム。

本当におもしろい!!
またひとつ、知らなかった価値観を知る視点を得ることができました。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

中国は酷い国家だということがわかる。
住んでいる人が酷いかどうかは別として。

払ってもいい金額:2,000円
貼った付箋の数:10

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

こんな方法を思いつく事が凄い。現在の中国で、どこまで本音に近づけるか?それが少しでも出来るようにした努力に敬意。

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2022年06月10日

Posted by ブクログ

アメリカ人のジャーナリストが上海でタクシー運転手として触れ合った市井の人々の声をまとめたのが本書だが、コンセプトが面白すぎる。なにせ、「無料で目的地まで乗せる代わりに、あなたの話を聞かせてほしい」という条件のフリータクシーなのだから。

登場する人々はアメリカの留学から戻ってきたばかりのビジネスパーソンや、国内の人権弾圧に抵抗する市民活動家など、多岐に渡る。

とはいえ、10人にも満たない登場人物だけで中国という国について何かを語ろうとするのはさすがに無理がある。そうではなく、本書の面白さは、幅は狭いかもしれないが、その一人一人の生活を詳細に聞き出す”深さ”にある。シンプルに異国で生きる一人の人間が、何を考えてどう生きているのか。その生々しさを体感できるという点こそ、本書の魅力である。

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2020年08月08日

Posted by ブクログ

非常に興味深く読みました。

著者がアメリカ人ジャーナリストであることも
大きいですね。
もし、日本人ジャーナリストが
「フリータクシー」という手腕を使ったとてしても
ここまで赤裸々な「中国」は浮かび上がってこなかった
ことでしょう。
たまたま乗車した人たちが
(中国籍の)市井の人たちであることもまた
余計に その信憑性につながっている
そして
著者であるラングフィットさんと
インタビューをされたそれぞれ個々の中国の方たちが
そのだけ時の関係だけでなく、ちゃんとその後も何度も
逢って、話を積み重ねておられるところも
たいへん興味深く、味わい深く感じてしまう。

そこまで語らせてしまい、信用されてしまう
ラングフィットさんはきっと人間的な魅力を兼ね備えておられるのでしょう

中国が
世界に向けて発信される
外向きのニュースが
また違って読み取れる楽しみが増えました

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2020年06月12日

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