シュテファン・ツヴァイクのレビュー一覧

  • マリー・アントワネット 上

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    歴史上には、その人物には相応しくない役回りを演じることになるひとがいる。その中でも有名なひとりがマリー・アントワネットだろう。

    マリー・アントワネットは偉大なオーストリア女帝マリア・テレジアの娘として生まれる。
    愛らしく上品なマリー・アントワネットは未来のルイ16世と婚姻してフランス皇太子妃になる。
    ルイ15世の崩御と共にアントワネットは、自分が一体何者なのか、自分にフランス国民の生活がかかっていることも自覚出来ず責任も持てないままフランス王妃となる。

    上巻では不穏な空気に包まれはじめたヴェルサイユで、マリー・アントワネットよりも自らの生命を選んだ貴族たちがアントワネットの周りから離れ亡命

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    2016年11月28日
  • マリー・アントワネット 下

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    読み応えのある伝記?物語?でした。
    ツヴァイクの熱く、それでいて冷静な語り口は読んでいてとても味わい深く、ハラハラドキドキしながら読書を楽しめました。
    歴史に“もしも”はないとは知りつつも、色々と空想してしまいます。
    その空想してしまう、という奥行もまたツヴァイクのマジックなのかもですが。

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    2016年04月12日
  • マリー・アントワネット 下

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    ネタバレ

    下巻のマリー・アントワネット、つまり人生後半の彼女は、とても上巻と同一人物とは思えない程一変している。まさに苦悩の人。

    本書はアントワネットに同情的…というか、少なくとも革命派の野蛮さへは非難めいた論調が感じられるのだけど、結局のところ後世のフランスにおいてこの一連の出来事はどう評価されてるんだろう。革命自体は否定されないだろうけど、シマゴーグが過ぎたというか、やり過ぎだった、という風潮があるのかな。

    あとがきで、回想録ブームが巻き起こったとか、ルイ18世治下ではみんな手のひらを返した、とかあって、さらにはそこにサンソンの名前も挙げられていて、狼狽した。サンソンもそいつらのうちの一人かい、

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    2015年07月15日
  • マリー・アントワネット 下

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    良かったです。シュテファン・ツヴァイクも訳者の方もほんとうにすごいなあ。海外の、しかも歴史上の人物についての本なのに、比喩がわからなくなったり、つまらなくなったりするところが一切ない。注釈も少なくて的確なので感情移入を妨げるわけじゃないし。

    容赦ないエピソードはどこまでほんとうなんだろうなー、描き方が絶妙でした。死に近づくほど、扱いがひどくなるほど王妃らしくなっていく様子が痛々しく、切なく、けれどとても魅力的。

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    2015年01月05日
  • マリー・アントワネット 上

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    後輩ちゃんとの読書サークルにて、シュテファン・ツヴァイクがお題になったので、迷わずこの一作を選びました。とはいえ後輩ちゃんに教えてもらって初めてシュテファン・ツヴァイクを知ったんだけど。

    女性の生き方を描いた作品は好きなのですが、どんな女性の物語でも好きなわけではないなあと思ってて。マリー・アントワネットは中でもすごく好きな歴史人物なので上巻だけでもすごく面白かったです。

    傲慢な女王ではなく、純粋な王妃。分別とか自制心とか必要ないろんなものが足りなかったのは確かだけど、そうではなく、意志の強さや純粋さや気を許した相手への無邪気な優しさや、彼女の美点のいくつかがもうすこし足りなければ、こんな

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    2014年12月31日
  • マリー・アントワネット 下

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    下巻はヴァレンヌ逃亡のあたりからアントワネットの最期まで。
    つまり、暗く辛い。
    1年間かけて、他の本を読む合間に読み、ようやく読破。

    愚鈍なルイ十六世、平凡すぎた王妃、そして愛に生きたフェルゼン。
    ルイ十六世の愚かさを詳細に記しており、アントワネットが最期に見せた聡明さと対比があざやか。
    ツヴァイクの描写を読んでいると、アントワネットがフェルゼンに惹かれたのもとてもよく分かる気がした。

    自業自得とは言い切れない、アントワネットの悲劇。
    どこまでも平凡な女性が、非凡な運命をたどった皮肉をツヴァイクはたびたび指摘する。
    ただ、それだけが原因ではなく、革命というまさに非凡なエネルギーが、ちっぽけ

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    2014年01月13日
  • マリー・アントワネット 上

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    上下巻、前半。
    とはいえ上巻までで彼女の人生のうちかなりの部分を描いている。
    ヴァレンヌ逃亡事件の前までが上巻。

    岩波文庫の訳で読んだときはルイ16世との結婚が本当の意味でなかなか成立しないというあたりで挫折したのだが、
    中野京子氏の訳は大変読みやすく、最後まで読むことができた。
    自身もマリー・アントワネットに関する本を出版しているだけあり、
    装飾的な文体をきちんと訳しつつも、肝心な事はすっと頭に入るよう訳されている。

    むろん、ツヴァイクの書いたものにそれだけの内容が詰まっていることを抜きにして名訳は成り立たない。
    上巻ではアントワネットがなぜ浪費に走ったのか、また、国民の反感をかうように

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    2013年10月19日
  • マリー・アントワネット 下

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    透徹した冷静な目で、それまでのマリー・アントワネット像に左右されず、膨大な資料を元に描かれた評伝の古典として最高峰。ファルゼンとの恋や、靴職人や革命家などへ「凡庸」だとか「教養がない」だとかいう差別的で上から目線の表現があるとはいえ、面白い。俯瞰とロールプレーイングのバランスが絶妙で、おそらく訳も素晴らしいので、「今更マリー・アントワネットかよ」とはいわず目を通してもらいたい作品。

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    2012年10月08日
  • マリー・アントワネット 上

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    どうせ説教臭い昔のインテリ野郎が書いた伝記物だろうと、期待0で読み始めたのに、「はじめに」で示された視点/観点に吸い込まれてしまった。ツヴァイクは「こうとらえ てこのように描写する」と丁寧に、ほどよくあらかじめ断って進める。読み手はそれにたいしてみずからの態度をその都度決定することを意識化できるので、読みやすい。ファルゼンに愛されることに救いを見いだすのを、許してあげよう。

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    2012年10月06日
  • マリー・アントワネット 上

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    高校生の頃、遠藤周作の本は読んだ覚えがあります。
    読み進むにつれ、池田理代子ってばすごい、、とタメイキ。

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    2010年10月11日
  • マリー・アントワネット 上

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    映画に比べればよほどおもしろい。ただ、いくつか間違いも・・・(リュリがフランス人だとか)。どれくらい信用できるのか、ちょっと疑問あり。

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    2010年01月15日
  • マリー・アントワネット 上

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    『ベルばら』の参考文献にあった。
    少女の頃に絶版で読めなかったのが
    中野京子氏の新訳で登場していた!
    このツヴァイクの深い知性と軽妙な語り口が
    あのときにはわからなかったかも。
    出会うべくして出会った?

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    2009年11月27日
  • マリー・アントワネット 下

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    ベルはら好きが講じて読んだ本。読みながら「なんでオスカルがいないんだーー!」と叫んじゃった。史実にはオスカルいないのは分かっていたけれど。

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    2011年10月25日
  • マリー・アントワネット 上

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    遠藤周作のマリーアントワネットを読んで、客観的な史実が知りたくなったのですが、この本がそれに答えてくれました。文体は少々固いですが、ルイ16世、マリー、フェルゼン、その他とりまく人々、パリ市民のこと、、、遠藤周作さんの本とは別な観点から見れて面白かったです。遠藤さんの本ではマリーに少し同情的になったけど、革命は起こるべくして起こったのかなぁとこの本を読んで思いました。(下巻も読みましたがなぜかアップされない…?)

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    2009年10月04日
  • マリー・アントワネット 下

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    人間が自分で何かを変えるには凄惨な破壊しかないのか。処刑に至る過程がこんなに悲惨でいいのか。とはいえ、西洋の悲惨な話の中ではありふれた話にも思える・・・。この話が悲惨だなあ、と認識できるほどには、人類は進歩したのか・・・なあ?

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    2018年10月08日
  • マリー・アントワネット 上

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    歴史の重み。この革命から、王制という個人が全ての責務を負う制度はリスクが高く、風評というのは恐ろしい威力を持つということがわかる。今もあんまり変わらないなあ。

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    2018年10月01日
  • マリー・アントワネット 上

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    高校の頃、夢中で読んだS.ツヴァイク。およそ10年ぶりにこの機会が来た。

    マリー・アントワネット。のっけから著者自身が指摘しているように、彼女の裁判は今も続いている。
    軽薄で世間知らずで傾国の戦犯と非難すべき?いやいや、それは革命派の創り上げたプロパガンダで、一切の責任を押し付けられた悲劇のヒロイン?最期まで王妃であり続けた高貴の人?それともやはり、歴史の転換期を耐え抜くには平凡過ぎたごく普通の女性?

    わからない。ひとつのエピソードを読む度に評価が変わる。きっとこの先も、彼女に対して断固たる判決を下せる人はいないだろう。

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    2015年07月15日
  • マリー・アントワネット 上

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    女帝マリア・テレジアの愛娘にして、フランス宮廷に嫁いだ王姫マリー・アントワネット。
    国費を散財し悪女と罵られ、やがて革命までも呼び起こす。しかし彼女は本来、平凡な娘。
    平凡な人生を歩めば幸せに生きられたはずだった。
    贅沢、甘やかし、夫の不能・・・運命は様々に不幸になっていく。
    歴史が生み出した悲劇の王姫の物語。時代風景が面白いお!

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    2009年11月11日
  • マリー・アントワネット 上

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    池田理代子が読んだ本ならばあたしも読むしかないでしょう、と。笑

    でも、正直やっぱり伝記みたいな本は苦手。

    漫画に描ききった池田理代子バンザイ。

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    2009年10月04日