加藤久和のレビュー一覧
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世代間格差モノは何冊目だろうか・・・
この本も何度か繰り返し読んだけども・・・
世代間格差について・・・
イコール日本の社会システムの問題点について・・・
そして、どう改善していくべきかについて・・・
ちょっと小難しさはありつつも・・・
非常に良くまとまっている本・・・
生まれてくるのが遅い人ほど社会的に不利になる国、日本・・・
主要国のなかでもズ抜けて世代間の不均衡が酷い・・・
とにかくご年配の方々との差が大きい・・・
ボクは29歳だけれども・・・
周りは結婚のムーブメントは落ち着き、今は出産のムーブメントが・・・
今まさに生まれてくる子供たち・・・
これから生ま -
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明治大学経済学部教授(経済学)の加藤久和(1958-)による、世代間格差の概説。
【構成】
第1章 世代間格差を考える
1 世代間格差を捉えるために
2 財政と労働市場からみた世代間格差
3 世代間格差の何が問題か
4 世代間格差拡大の背景を探る
5 本書の基本的な立場
第2章 疲弊した社会保障制度
1 社会保障制度の概要
2 社会保障制度の問題点
3 社会保障制度改革の動向
4 海外の社会保障制度と改革のヒント
第3章 変貌する労働市場・雇用システム
1 日本型雇用システムの崩壊と変遷
2 企業主体の社会福祉の終焉
3 若年層と高齢層の労働市場
4 積極的労働市場 -
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日本の人口構造はこの数十年の間に激変を遂げた。しかし、社会保障制度の見直しは遅遅として進まない。若い世代が高齢世代を支えるというシステムが温存された結果、世代間に大きな格差が生じている。
本書は、こうした問題を「世代間会計」という新しい考え方を用いつつ、きちんと数量的に明らかにするとともに、経済学的に持続可能なシステムの構築を提言している。将来への不安が増しつつある今、広く読まれるべき一書だろう。
たとえば、今年の政局でも大きな争点となった「子ども手当」に関しても詳細な分析を行ないつつ、今後は「直接的に出生促進を目的に掲げることも検討すべきである」というような提言を行っている。具体的には「 -
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2013.10記。以下、再掲。
歴史家の阿部謹也氏だったか民俗学者の宮本常一氏だったかが、「中世とはつまりは『保障なき時代』であった」との趣旨のことを述べている。一たび怪我をしたり、いや単に老いたりすればどうなるか分からない。その不安が社会や精神の不安定さ(そしてまれに芸術的衝動)を招く。これをなんとかしようとして、我々は長い期間をかけて社会保障という互助の仕組みを整えてきたのだ。しかし今後この制度の運用次第では、これから生まれてくる世代は未曾有の「不安」を抱え込まされることになる・・・。
社会保障(とくに財源)について考える上でのスタンダード本として評価が高いので一読。具体的な数字を根拠 -
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タイトルはやや流行り物系だが、著者の加藤氏はこの分野では盤石の信頼感。
少子高齢化というが、人口減の要因は「少子化」。人口減社会は経済成長しなければ支えられない。さもなければ財政はもたない。東京集中によって地方は消滅し、その東京もこのまま無策なら消滅する。日本はなくなる。
処方箋は十分語りつくされているのだ。
高齢者から子育て世代、さらには若年層への社会給付のシフト。
消費税の引き上げ(何人もの誠実な学者に何度も指摘されているとおり、これは「弱者いじめの税」ではない。逆進性は世間で吹聴されているようには高くない)。
規制緩和による生産性の向上。
少なくともOECDの統計から観察される限り、 -
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世代間格差は深刻だ。社会保障、経済成長率、人口構造、雇用、医療、選挙制度など多方面で対策を講じなければならない。簡単でないし、これで万全という対策はない。
感想としては、総花的でキレが少し足りなかったように思う。対策が大事なのだが、そこの検証がいまいちのような気がした。
・年金は破綻しない
・高齢者と若者の雇用は正の相関がある
・現物給付が出生率を高める
・女性の就業環境の整備は、世代間格差の解消に寄与する。
女性の労働力率と出生率は正の相関の時代に入った。
・出生率とGEMも正の相関
・年金の収益率は、経済成長率、人口増加率、物価上昇率に応じる。
・世代間不均衡と経済成長率は負の相 -
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世代間格差について詳細なデータなどを元に様々な問題、事象を取り上げ、今後私たちが何をしていくのかきっちり提案まで落とし込んでいる良書。
上の世代が下の世代から搾取している、国の借金を次の世代へ先送りしているなどよく耳にする一次的な問題の言及にとどまっていない。
個人的に大きな問題は社会保障費の増大とGDPの成長率が釣り合っていないことのように読み取れるが、もちろんそれ以外の問題が複雑に絡み合い、なんとも難しい状況というのが現状だ。
提案にある積立式の年金制度等、有用性が高くみえるアイデアを実現できる政治的な受け皿を望んでいるのは私だけではないはずだ。 -
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【読書その14】先月1月30日、国立社会保障・人口問題研究所が発表し、世間で大きな反響を呼んだ、新たな人口推計(12年推計)。
50年後の合計特殊出生率は前回の推計値(1,26)より上向き、1,35に改善すると予想されているものの、50年後には日本の人口の約4割が高齢者となり、その時点での生産年齢人口が半減するという。
そのような現状におおいて、問題視されているのが広がり続ける世代間格差。
本書では、そのタイムリーな政策課題について、かなりわかりやすく説明をしている。世代間格差拡大の背景などの基本的なところから、我が国の社会保障制度、労働市場、雇用システム、少子化対策、諸外国との社会保障制度の -
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今、とてもホットな論題だと思う。
年金や、若者の就職の問題、少子化など。
日本が直面している問題は、人口構造がもたらしているものがほとんどであるといってもいいのではないだろうか。
そして、この問題は、いまだかつてどの国も直面したことのない問題である。
それぞれの課題について、解決策があげられているが、著者が一番言いたいのはベーシックインカムの導入なのかな~と思った。
先ほど、企業の定年引き上げの義務付けが話題になっているが、なんというか、導入の手順がおかしいような気がする。
世代間の軋轢を無駄に生じさせてしまうのではないか、と懸念している。 -
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私たち現役世代が最も憂慮していることの一つ、年金などの社会保障問題。
ちゃんと貰えるのか、どんどん保険料値上がりしてくのかなど、現役世代と引退世代を比べた格差問題を書いている。
著者は年金受給額を減らせ、保険料を下げろなど、現役世代中心な意見を言っているのではなく、世代間で不公平がなく均衡した社会保障システムの構築の重要さを提議している。
全般に渡って詳しく書いてあるが特に注意すべきだと思ったのが、若者層の雇用拡大と高齢層との世代間格差の縮小ポイントは経済成長でパイの奪い合いではないと言うこと。
本著によると、高齢層が定年を伸ばしそのまま就業しているから現役世代の仕事が無くなるのではなく