アビジット・V・バナジーのレビュー一覧

  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    五常・アンド・カンパニーの慎さんがお薦めしていたのをきっかけに購読。
    貧困を巡る根本的な教養が凝縮されている一冊。
    経済や金融のみならず、教育が社会にもたらすものの大きさを知らしめてくれる内容でもありました。

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    2025年06月09日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    素晴らしい本でした。読み味がライトでさらっと読み進められるにも関わらず、金言が豊富でメモが捗った。貧困問題を照らしつつその目線は人を見ているので、射程が幅広くどんな人が読んでも得るものが多い本だと思った。

    最後奥付見て2012年初版でびっくりした。ここ数年で出たものと読みながら勝手に勘違いしていた。

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    2025年04月11日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    貧困に陥った人は、能力主義な世界では自分に能力がないからと自己嫌悪に陥ってしまう。しかし、データで示されている通り所得間の移動は固定的であり、頻繁に起きるものではない。だから、貧困に陥ってしまった人は、自分が生まれた境遇が原因であることが多い。だからこそ、社会は、彼らを見捨てず救済しなければならない。しかしそれは金銭面だけではなく、人としての尊厳や生きがいを取り戻せるよう支援できるようなシステムが必要である。

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    2025年04月09日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    貧乏な人を悲劇の主役に添えた貧困対策はうまくいかない。貧困が生まれる仕組みやプロセスなど全体像を把握しないとダメだって本。

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    2025年03月25日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    著者の前作を読んだことがあるので、興味本位で通読。

    現代社会に蔓延している問題について、新たな視点で分析しているところが本著の面白いところだった。
    著者の前作を読んでなければ、恐らく手にとらなかった作品だが、視野が広がった本である。

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    2024年06月05日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    1ヶ月以上かかって読みました。今の日本、もう既に無茶苦茶になっているから…
    日本の政治家よ、読め!自民党読め!! 希望に進んでいけます様に。

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    2024年04月05日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    今まで章単位でしか読んでいなかったので初めて通読してみたが、どの章もよく書けていて面白いし翻訳も良い。環境問題から自由貿易までトピックは幅広いが、バナジーとデュフロが本当に書きたかったのは終盤の2,3章(給付、スティグマと尊厳、ベーシックインカム、etc.)なのだろう。ただ、ここは心情的には「そうだよな」と思っても、データで相手を納得させるのが難しい領域のようにも感じた。
    著者2人のコロナ禍を経ての更なる考えの深化があればぜひ聞いてみたいと思った。

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    2024年03月18日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    これまでに読んだ経済学の本の中で最も面白かった。読みやすい文体で具体的な課題(格差、移民、貿易、貧困等)について書かれているので、経済学に関する予備知識がなくても読み進められる。多くの人に読まれてほしい。

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    2023年10月26日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    良書だった。
    格差、貧困の中にある人と真摯に向き合い、なぜ経済学、政府が失敗するのか。

    一つの答えとして、尊厳を持って相対すること。型にはめたプログラムと金銭ではなく、一人一人の人間に尊厳を持って向き合うことが示されていた。
    福祉の現場では、生活保護であれば金銭を支給する政府とその恩恵を享受する受給者という上下の分断が発生するが、それは本来の福祉の目的から遠ざかり、不経済を産むということ。

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    2023年08月28日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    収益を得るにはある程度まとまった投資をする必要があるため,それ以下の投資では逆に貧しくなってゆく貧困の罠について,その有無を机上で論じるのは無意味でで,調査してどちらの場合になるのかRCTで確かめなくては問題は解決できない.この方針で,様々な調査結果が示される.
    防接種率を,豆のオマケを付けることで向上させる著名な例の紹介.イデオロギーでは,右派からは無駄,左派からは不道理と言われる政策だが,それよりも実効性が重要と主張している.
    イデオロギー ideology,無知 ignorance,惰性 inertia の3I問題のため,実効性のない政策が行われる.インドで親が学校の運営に関わる政策で,

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    2023年02月28日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    1年前から少しずつ読んでやっと!RCTを経済学に応用してノーベル賞を取ったお2人。“人は生まれながらにして小さなコストを先送りし現在ではなく将来に負担させたがる”
    膨大な研究結果を体系立てて平易にまとめて、経済学なのに現場感がひしひしと伝わってくる。翻訳も◎

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    2022年05月05日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    ネタバレ

    ・貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、間違ったことを信じている。魅力的で単純な方法でキャンペーンを実施。信頼できる情報源を。
    ・貧乏な人は自分の人生にあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいる。意思決定の難しさ。お金持ちであれば、誰かが正しい判断を下してくれる。⇨先送り傾向⇨既に正しいと分かっていることをできるだけ実行しやすくすれば人生は大幅に改善する。
    ・一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面したりするのにはやむを得ない理由がある。
    ・貧乏だから失敗する、不幸な過去を持つから失敗確実ということはない。大いなる陰謀のせいではなく、詳細な

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    2022年02月23日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    従来の経済学では、移動が可能なら賃金の安い地域から高い地域に移るのが当たり前だが、実際の人間は多くは移住しない。
    人間はリスクを過大評価して、リスクを取りたがらない生き物なのだ。
    さらに、人間としての尊厳が重要で、金だけの価値で動くことはないし、あったとしても幸福にはならない。
    これを前提とした政策を打ち出す政府、政治家が必要だ。

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    2022年01月21日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    この本はノーベル経済学賞を受賞した本です。

    この本は、「貧乏な人を救うにはどのような方法がいいのか?」という問題について、様々な研究や検証を行い答えを探していきます。
    「援助は無駄である❕」という考え方や「どーんと援助しないと効果がないよ❕」など、様々な意見もあるなか、本当に必要なものは何か?を探していくという内容です。

    とてもいい本なので、ぜひぜひ読んでみてください

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    2021年11月10日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    10年も前に書かれたとは思えない、今現在の状況を表している。
    貧乏人に寄り添う形でいろんな切り口で調査実験して問いかけている。食糧、医療、教育、家族、マイクロ融資や貯蓄について、漠然と感じていた事が間違っていたことも分かる。その根本に訴えないと供給ワラーだけでは解決しない。
    貧困から脱する方法、この極貧状態の人々だけではなく、全ての人々にも大いなるヒントを示していると思った。
    素晴らしい本で、海外援助などに関しても勉強になりました。

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    2021年09月24日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    ネタバレ

    今までなんとなくそうだろうと思っていたことが、実際のデータに照らすと実は間違っているということがこの本の中には多くでてきた。貿易はどの国にとってもメリットはもたらすわけではないし、移民は受け入れ国の雇用を奪うことはなく、常に賃金を下げるわけではない。移民は仕事があるからといってたくさんアメリカなどの国にやってくるわけでもない、など読んでいなかったら誤解したまま物事を考えてしまっていたので、なんとなく知っているというのは危ないと思った。全ての人間が人間らしく生きられるようにするという前提で考えることが、政策を考える上で重要だと思った。

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    2021年08月21日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    2019年ノーベル経済学賞受賞のインド系米国人とフランス人(おそらく夫婦)の著作。
    様々な視点について最新の学説を紹介しながら、筆者qとしての見解を示している興味深い著作。特にUBIや格差是正などに強い想いがあるのだろうか、踏み込んだ提言が多かった。リベラル的な立場と言って良いと思う。
    面白かった。再読したい。


    以下、備忘的な学び事項。
    国際貿易論: グローバルに貿易を行うことによってお互いの国が成長するという確かサミュエルソンの定理は、個別の産業のことに触れておらず、淘汰される産業への救済、他の成長産業への労働資本の移転が求められるが、必ずしも上手くいっていない事を最新の論説を紹介しなが

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    2021年08月16日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    専門家の意見をどれくらい信用するか、というインターネット調査があり、1位は看護師で84%、最下位は政治家で5%だった。では経済学者はどれくらい信用されているだろう?

    下から2番目、25%である。

    経済に関係する政策には経済学者が必ず関与しているが、その結果としての社会の現状に、多くの人が不満を抱いているのだろう。

    こういう社会では、分かりやすい政治家に人気が集まる。経済学者でも、分かりやすい経済施策で人気を集める人もいる。彼らの政策、市民に支持される政策は、往々にして良心的な経済学者の意見とは異なるものである。

    人々から信用されていないかも知れないが、世の中には良い経済学もある。それは

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    2021年07月07日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    ネタバレ

    著者は二人のノーベル経済学賞受賞者。

    原題は「Good Economics for Hard Times」とありますが、コロナ禍の今にあって、ちょうど米大統領選が佳境のころから読み始めたので、本書で取り上げられているテーマと、日々目にするニュースやSNSの投稿などとシンクロすることも多く、政治と経済の今についての理解を深めるには良書であったと思います。

    経済成長
    移民
    自由貿易
    地球温暖化
    社会保障
    格差

    お金だけで解決しないことや、さまざまなトレードオフが生じること、マクロな経済モデルの想定通りには行動しない人や企業、そうした複雑系の中で、良い方向に向かうための本質とは何かを二人の経済

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    2020年12月12日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    タイトルの通り経済学についての本だが、人間の行動心理について書かれている部分も多くあり、そこが私にとってはとても興味深かった。

    特に「時間不整合性」や「豊かな国に住む者は眼に見えないあと押しに囲まれて生活している」という二つの事実は、今後もずっと覚えておきたいと思った。
    まず一つ目の時間不整合性は単純に言うと「今チョコレートを食べるのを我慢できないのに、来年にはダイエットに成功しているはずと思っている」ようなことで、これはとても身に覚えがある!いつも将来に過大な目標を立ててしまい、一方で現実は全く努力ができていない。いつもそう。
    それは私がとんでもなく怠け者のせいなのかと思っていたが、人間す

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    2020年07月20日