アビジット・V・バナジーのレビュー一覧

  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    ビルゲイツの「今夏必読の5冊」に選ばれた本書。
    世界の諸問題を、客観的な調査や実験に基づいて、いかに解決するかを記したものである。
    とりあえずこれを読んで思ったことは「あっ、自分って現実を勘違いしていたんだな」という事。アッと驚く事実をこれだけ丁寧に、かつ説得力のある文章でわからせる著者の能力は素晴らしい。
    最後は壮大な解答が提示されているところが少し歯痒いが、とりあえず読んでみることをお勧めする。

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    2020年07月03日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    開発経済学の研究者として2019年にノーベル経済学書を受賞したアビジット・V・バナジーとエステル・デュフロ夫妻が自身が長年研究してきた社会格差、人種差別(と個人の移ろいやすい嗜好性の問題)、移民、環境破壊、自由貿易などのテーマを一般人向けに平易にまとめた一冊。

    テーマは数あれど通底しているのは、「一見、絶望ばかりに見える問題に対して、経済学が解決できる部分は確実にあり、希望を捨ててはいけない」という点である。真摯な研究者として、経済学を一つのツールとして、確実な課題解決に結びつけるための実践がまとめられており、ランダム化試験などの統計的手法をフルに活用しながら、本当に問題解決につながる政策を

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    2020年06月07日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    2019年にノーベル経済学賞を受賞した、インドの経済学者アビジット・バナジーとフランス人経済学者エスター・デュフロ(二人はご夫婦だそうです)の共著のこの本を頑張って読んでみました。
    この本では経済、教育、農業、政治を通し、人間の心理まで考えます。
    言葉が非常に丁寧で、貧乏な国や地域の問題を読者の多くがいるであろう先進国の人たちも身近に感じることができるような説明になっています。

    そもそも「貧乏な国、家庭はずっと貧乏である」、つまり貧困の罠に囚われるということはあるのかということは、長年議論されています。
    貧しいことに対して他者(他国)からの援助は必要なのか。この問題は「貧困に囚われているなら

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    2020年01月26日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    2015年に読んでいたことが判明したので再読だったようだ。貧困問題に止まらず、様々な社会問題について、考えさせられるきっかけが豊富に含まれている。原書発売から10年を経ているが、色あせるどころか全く古びていないのが素晴らしい。

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    2020年01月05日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    貧乏人が貧乏であり続け、豊かな人が豊かになれる社会構造が理解できる。
    人はカロリーの高さで食べ物を選ぶのではない。そのため餓死が起きる。
    貧乏な人は重要な情報を知らない。
    人生の多くの側面に責任を背負っている。すべて自分で決断しないといけない。やらないといけない。
    貧乏だとサービスが受けられなかったり、不利な価格になる。
    貧乏だから失敗確実ではない。

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    2018年11月01日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    面白かった!薄暗い装丁だったのでどんよりした気分にさせる本なのかと思ったら、すっごい前向き。医者が患者に問診するみたいに、色んな角度からのヒアリングと施策と経過観察が繰り返し続く。しかし文章がとにかく長いのが玉に瑕。この粘り強いというかしつこい程の慎重さはどっかで?と思ったら、末の賛辞にピケティの名前があってやっぱりーと思う。各論より後ろの訳者評と総論から読んだ方が分かりやすいかなあと思った。
    ・正しい知識と情報が必要
    ・「正しい」判断のデフォルト選択肢が重要
    ・初期に無料提供した方がトータル安上がりの場合もある
    ・制度の改良によって改善できることは実は多い
    ・希望を持つこと、達成感を得ること

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    2017年03月11日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    事例が多く読みやすかった。それが良いか悪いかは横に置いてなぜ貧困が生まれるかのメカニズムを説明し、貧乏人のお金と無形資産の使い方について筆者と訳者の独自の言葉で語っている。貧困は悪ではないが、そのメカニズムと背景を学ぶことは極めて重要だと感じた。

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    2025年07月11日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    絶望を希望に変える、、、とは、大きくでたなー、と手に取った本。
    なるほど、この大口のタイトルに負けない話、経済学者は言いそうにない(と勝手に思い込んでいた?)話もいろいろ書かれていた。

    最初に、移民と貿易の話からはじまる。
    そして、人間は経済合理性通りに動かない、それは、今までのデータから明らかことなのだと。
    でも、だから賢く経済合理性に沿った行動をすべきだ、ではなく、そういう人間の在り方を受け止めた上で、経済で傷ついている人の尊厳を守りながら方向転換する術はないか、という本なのかな、と受け止めました。

    経済学といえば、アメリカ、アメリカ、アメリカ、ヨーロッパ、のイメージだけど、インド(筆

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    2025年06月17日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    ネタバレ

    まずは現場に行け。現場の人たちに耳を傾けてることですね。それだけではなく長期的に暮らして、彼らの価値観を理解することも重要。



    最後の訳者解説のところに、全体を大きく捉えて、「ドーンと援助しないと貧困は解決しない」という言葉があります。

    生成AIに聞くと、『文字通り解釈すると、大規模な援助、つまり大量のお金や物資を一気に提供しなければ貧困問題を解決できないという意味になります。〜(抜粋)〜単純に「大規模な援助が必要」という意味だけでなく、援助の質や持続可能性、自立支援の重要性なども含意している可能性があります。』とのこと。

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    2025年01月12日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    ネタバレ

    第1章 経済学の信頼性
    職業の信用度で、一位は看護師、最下位は政治家、下から二番目は経済学者。
    経済学は医学と同じで、これが正しいと断言できる者がない。

    第2章 移民について
    移民は自然災害や戦争で起きる。経済的インセンティブだけではあまり増えない。
    マリエル難民事件=大量の移民があっても、雇用には悪影響を与えない、ことの実証。キューバからマイアミに大量の移民が押し寄せた事件。労働市場は、単純な需要と供給曲線の結論には従わない。
    1,移民がお金を使うので、労働の需要も増える。
    2,機械化の進行が遅れるため。
    3、増えた労働者を効率的に活用するべく、生産工程を変える。
    4,既存労働者の労働と競

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    2024年07月06日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    ネタバレ

    事例が多く、事例に引き込また、
    多くの本が引用、紹介されており、これ全部読めばいろいろ相当になるだろうなと感じた。時間がないのでトライ断ねん。

    貧乏人へ金銭支援をする。あげた人は解決してほしい問題に使ってほしいが、うまくいかない。貧乏人は目先の快楽にお金を使ってしまう。
    貧乏人は、何も持たないから何でも自分でしようとする。チャレンジ精神が旺盛で、小さい家業を営む者も多い。が、ほとんどが小さすぎる。家業が生活の暮らし向きを飛躍的に向上させることはあまりないと言える。
    政府からの支援は、その政策がまともで、それをしっかり実行する土壌があって成功する。
    貧乏人の多い国では。政策、実行する土壌が整っ

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    2024年04月24日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    貧困は減りはするも無くならないだろう、国によって貧困の程度が変わるけど富裕層は、どの国でももっとリッチになっていくんだろうと、地球も心配だし、経済学って考えた結果どうりにはなりにくいらしいし、希望はあまり持てませんでしたが、おもしろい本でした。

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    2024年02月21日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    強いて言えば現代日本に拡大しつつある「貧困と格差」という問題の中で、筆者の専門とする開発経済学の部分部分には触れてはいたように思う。
    人間が一見すると不都合な行動を取りうるというテーマは様々な学域で興味を引く議題として散見するが
    合理的経済人という鏡像からではなく、実際的な人々の営みを突き詰めるべくして膨大な規模や時間を費やした研究のもと、統一された正解というものは見出しがたいであろうからこそ学問として面白い。

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    2023年11月05日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    移民、関税、AIとライダット運動、温暖化、ベーシックインカムなどいろんな話題がデータをもとに書かれている。同じ著者の「貧乏人の経済学」より話題が豊富で面白かった。
    行動経済学系の本に登場する実験には結構飽きてきたが、本書のデータにはインドや途上国を被験者にした実験が多く目新しい。

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    2023年10月28日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    貧困問題について、こうだろうと思っていた先入観をバッサリ切ってくれる本。データ付きなのでぐうの音も出ないほど、論がスッキリと述べられていて面白い。

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    2023年08月29日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    なぜ未熟練労働者の賃金が移民の流入で押し下げられないのか。

    ①新たな労働者の流入によって労働需要曲線が右へ移動するから。
    なぜなら、その人々がお金を使うから。
    その結果として賃金は押し上げられ、労働者の供給拡大の影響を打ち消す。
    よって賃金水準も失業率も変化しない。

    ②機械化の進行を遅らせるから

    ③雇用主が流入した労働者を効率的に活用するべく、生産方式を再編成するから。


    雇用主は企業内の賃金格差があまりにも大きくなることに否定的。
    なぜなら労働者の不満が溜まり生産性が上がらないから。
    だから賃金が安いからと言って移民に仕事が取って代わられる訳ではない。

    高技能移民は賃金水準を押し下

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    2022年10月09日
  • 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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    世界の現状や、それに対して行われている施策/研究を理解するに良い本。貧乏人の経済学の方が個人的には好きだけど、貧乏人の経済学で述べられていたことを補強的に理解するという意味でとても参考になった。

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    2022年09月17日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    みすず書房 ノーベル経済学者 バナジー &デュフロ 訳 山形浩生 「 貧乏人の経済学 」


    行動経済学の立場から 貧困原因を検証した本。個人が貧乏から脱却するための行動をし、まわりが それを支援をすれば、国の貧困も解消されるという論調。タイトルの「貧乏人」とは 開発支援が必要な国の国民を意味


    貧乏脱却例の数々は 当たり前の事を言っているように思うが、言うは易し行うは難し
    *食事は美味しさより 栄養素を重視せよ
    *健康は 高くつく治療より、安く済む予防に支出せよ
    *教育について投資効果を期待をするな、子供の学習を諦めるな
    *保険で備えろ、貯蓄をしろ


    「貧乏人は 大

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    2022年05月07日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    読みやすい経済書。貧困層、地域の当事者にとって本当に善い助けとはなんなのかをデータや体験をもとに。。。

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    2022年03月11日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

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    2019年にノーベル経済学賞を受賞したバナジーとデュフロによる、一般向けの平易な書籍。
    貧困問題について、一発で解決する魔法は存在しないが、貧乏な人たちの生活を改善する方法については間違いなくわかっている、と主張する。彼らの十八番であるランダム化比較試験(RCT)を活用した具体例を多く示しながら、どのような問題とその原因や解決策が分かってきているのか、ということを平易に解説する。
    途上国や開発に興味のある方なら、一度は読んでおいて損はないであろう。

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    2021年07月19日