岩波新書編集部のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
岩波新書 「日本の近現代史をどう見るか」
日本近現代史シリーズ全10巻の最終巻。このシリーズは 黒船来航からバブル崩壊までの通史。
最終巻は各巻の著者が論点を整理し1冊で近現代史全体を一望できる
近現代史の論点
*幕末期の日本の自立
*明治期の天皇の必要性
*日清日露戦争による日本の変化
*大正デモクラシーとは
*1930年代の戦争は何をめぐる闘争だったのか
*開戦を回避できなかった理由
*占領改革による日本の変化
*日本の高度成長理由
国民国家意識が戦争時代につながり、敗戦して経済時代に変わったように読める。日中戦争以後、日本が下降している
-
Posted by ブクログ
「1票には変える力がある。憲法、景気、雇用、教育、社会保障等々、問題山積みの日本社会。その社会を1票が変えるかも知れない。その道の達人たちが、的を絞ってやさしく解説。18歳から101歳まで、あらゆる世代の熱いメッセージも集めた、自分の意思を社会に生かすためのガイドブック」(BOOKデータベース要約)と紹介されていました。
読み手に合わせて変化のできる優れものだなと、まずは思いました。初めて投票に臨む人にとっては、自分の関心に沿っての刺激を与えてくれるだろうし、投票を呼びかける人たちににとっては、相手の関心に合わせた話しをする素材の一つになります。全てのメッセージではありませんが、さらに理解を -
Posted by ブクログ
大正デモクラシーとは、1905年の日比谷焼き討ち事件から1931年の満州事変前夜までの、政党政治の実現を目指した動きが盛り上がる時期で、1918年の米騒動と、その結果誕生した政友会による政党内閣(原敬)を境にして、前期の民本主義の時代と後期の改造の時代に分けられる。この間の第一次世界大戦を契機とた経済成長により急速に社会が変化していた一方、韓国併合やシベリア出兵など植民地支配が本格化した時期でもある。
戦後の自民党政治は、高度経済成長による成長の富を地方の産業基盤整備や道路やダムに投資して選挙民から支持を得る田中角栄までの政権と、新自由主義指向で国鉄から郵政までの民政化が進められた中曽根内閣 -
Posted by ブクログ
シリーズのまとめ編。新たな視点もあるが、本編を読んでいれば、まぁ必要ないか。
・万世一系神話は、儒教の易姓革命論(君主が徳や仁を失えば、天に見放される)とは相容れない。仏教や儒教は外来思想という認識が根底に。
・出雲大社と伊勢神宮の「祭神論争」。伊勢神宮が勝ったから今がある。
・津波・火災から御真影・教育勅語を守ろうと死傷した教員などがいた。
・ルソー『戦争および戦争状態論』:戦争は敵とされた相手国の政治の基本的枠組み・秩序=憲法に対する攻撃という形を取る。
・第一次世界大戦までは国民責任論。第2次世界大戦から指導者責任論。
・グローバリゼーションのなかでの新自由主義的国家モデルやフレクシブ -
Posted by ブクログ
終戦記念日を前にして、近代天皇制に対する自分の立場を確認したくて読んでみた。本当は全巻通読すべきだけども、手っ取り早く流すにはちょうどよい。持つべき視点へのキッカケをもらえた気がする。
列島の周囲の国、列強国との相対的な関係を考えない歴史認識なんてあり得ないよなあ。
あと、戦争、武力行使って外交のいちカードなんだよなあと。それをいかに使わなくてすむようにするか。
特に印象に残った章。
第一章 幕末期、欧米に対し日本の自立はどのように守られたか
実は幕府の外交は、当時できる限りの交渉で国内の経済を守ったとか、書いてある。ハリスなんか日記は嘘が多くて、実は幕府側の文書と違うところも多い。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
近代の幕開けから一五〇年余、日本は何を求め、どのような歩みを進めてきたのだろうか。
そしてこれからどこへ行こうとしているのか。
通史を描いた執筆者九名が、各時代の日本を理解するうえで欠かせない根本的な問いを掲げ、それに答えながら、総まとめをするシリーズ最終巻。
各章ごとに推薦書を紹介。
日本近現代史への導入としても最適。
[ 目次 ]
第1章 幕末期、欧米に対し日本の自立はどのように守られたか
第2章 なぜ明治の国家は天皇を必要としたか
第3章 日清・日露戦争は日本の何を変えたのか
第4章 大正デモクラシーとはどんなデモクラシーだったのか
第5章 一九三〇年代の戦争は何をめぐる