スティーヴン・ワインバーグのレビュー一覧

  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    この本を手にとるまで、ワインバーグが
    まだ生きてたって知らなかった。
    俵万智のことを昔の歌人だと思っている人たちのように。

    科学とは何か?を書いてる本は多数あるけど、彼の発見という視点が好き。

    0
    2025年04月28日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    紀元前から物質の最小単位は存在すると言われていた!みたいな話を聞いても、色々適当言う中で偶々現代の事実と合うことを言った人がいただけだろう、と言う気持ちにしかならなかった。ワインバーグは当時のこれらは科学ではなくポエムだと言う。それを読むだけでもスッキリ。
    では科学とは何でどこからが科学なのか?
    中世の宗教との関係が長めで飽きたが、ガリレオ以降の科学の躍進、熱力学での発見が呼ぶ新たな発見の連続は読んでいて爽快。

    0
    2023年02月25日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    「本書は不遜な歴史書だ!」と帯にも「はじめに」にもありますが、そこまで不遜ではありません。著者が語るとおり「現代の基準で過去に裁定を下す」ということをしているため、通常の歴史書的な視点に欠けていますよ、ということです。歴史的事実を追うとか、歴史的意義を考えるだとかは従来の科学史専門書にまかせて、現代の科学とは結局なんなのかを考えたいということなんだと思います。その意味では、歴史を追いながら科学とはなんぞやというのを考えていく本だと思います。私はそのように読みましたし、そのように読むことで科学に対する認識を改めることができたように思います。

    0
    2021年03月03日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    非常に面白い。
    一刀両断が心地良い。

    難点は余計な訳注が本文中にあること。訳注がないと分からない人だとこの本は読み切れないのではないか?

    オランダの出版社「エルゼビア」を「エルゼビール」と書いてしまうあたりで翻訳者の馬脚が現れている。

    0
    2016年08月18日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とてもざっくりと言ってしまうと、遥か紀元前5世紀のギリシャ物理学から21世紀の現代に至るまでの、「科学」もしくは「科学と呼ばれ、みなされたもの」を概観する「科学分野の歴史書」であり、もう少し細かく言うと、過去に「科学者」と呼ばれた人たちや理論への批評的論考、でもある。刊行された際、歴史家や哲学者から猛反発を浴び、大論争を巻き起こした本らしいが、むべなるかな。

    特に科学界や哲学界に拘りも誇りもない、いち読者として読むならば、本書はとても面白い。古代を扱う1章から8章、中世を扱う9章と10章あたりは、学校の物理や世界史で習った(ような気がする)様々な散らばった知識を、「科学の発展の歴史」という一

    0
    2022年06月26日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    著者のように物理学をやっている人から見たら,科学哲学など,科学研究の推進力にはならないと考えるでしょうね。例えば,ギリシャ自然哲学(アリストテレスなど)にはかなり手厳しい感じがします。でも,「現代アート」はそれまでのアートがあってこそなのと同様,それがなければもっと早く科学が展開してきたかというとよく分からないのではないかと思います。「巨人の肩の上に立つ」という時の巨人に含めるべきものを現代の科学の視点で評価してみようという感じでしょうか。

    やっぱり,「(厳密な)理論と実験の両輪」ですよ。

    宗教と科学の論争についても「歴史は繰り返す」という印象を持ちました。今は「エビデンスベイストに関する

    0
    2022年01月24日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    ノーベル賞を受賞した物理学者が書いた科学史。古代ギリシアにおける物理学・天文学の発展からアリストテレス、プトレマイオス、ローマ帝国時代、アラブ世界へ。コペルニクス、ケプラー、ガリレオと進んで革命者ニュートンが登場する。ワインバーグの歴史に関する博識と、文章のわかりやすさにびっくりしました。
    ワインバーグの視点は、今から見ると間違ったこともあるけど、それぞれの時代の知識で解明できることとそうでないことを見極めること、また、自分の考えや理想に理論を合わせるような科学的でない態度は許せない、ということかなと思いました。

    0
    2019年04月17日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    アリストテレスは何かと賢人として持ち上げられるが、その主張はなにかしっくり来なかった。ものには目的があるといわれてもまあ、そういう見方もしてもいいかくらいの説得力しか私にはなかった。
    それはアリストテレスの理論が科学ではなかったからだ。
    プトレマイオスの天動説は理論としては間違いだったことがはっきりしているが、当時の観測結果には則しており科学としては妥当なものだった。むしろコペルニクスの地動説は未熟さゆえによく天体を説明できなかった。
    理論をたてて観察によって実証するプロセスは普遍的な知にとって不可欠だ。

    0
    2018年04月25日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    詩的な自然哲学者たちに何より欠けていると思われるのは、必ず実証を求めるというこの態度なのである。
    現代の科学者の考え方とはむしろ、「超自然的な存在の介入を想定せずにどこまで行けるか考えてみよう」というものである。科学はこのような方法でしか研究できない。
    キリスト教徒が迫害されたのは、ローマの宗教を公然と否定したからだった。
    もう一つの要因は、キリスト教が教会での立身出世の機会を、知的な若者に提供したことだった。

    歴史的に見れば、この(測定結果の)不確実性に注意が払われるようになったのはつい最近のことである。

    自然哲学者たちはもはや、自然がその原理を偶然明かしてくれるのを待ってはいなかった。

    0
    2017年05月03日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    最近出たワインバーグさんの本

    古典力学,科学的手法がいかにして
    確立されていったか
    という話

    山本義隆さんの本とか板倉聖宣さんの本を
    読んでる自分にとってはそんなに新鮮さはなかったかな

    他の本は比較的,歴史の記述という点に焦点が
    置かれている気がするのに対して
    この本は,ワインバーグさんの主観的な見方も
    随所に見られる点が特徴かな
    それが一番最初にかかれている
    「本書は不遜な歴史書だ」に現れている

    0
    2017年01月13日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ちなみに表紙はルーブル所蔵の「天文学者」by フェルメール。センス良過ぎ。
    「はじめに」から、ホイッグ史観上等と社会構成主義者に啖呵切り。あーらら、面白くなりそう。後出しジャンケン並に卑怯者扱いされる(コトもある)ホイッグ史観だけど、分かっちゃってる私らが自分の手足を縛るマネしても限界あると思うんですけどね、ってことでワインバーグに一票。
    「科学に影響を与えてきた5つの分野ー詩、数学、哲学、テクノロジー、宗教」と打ち上げた割にはあまり絡まないトコもあるのはご愛嬌。ベーコンやデカルトまでは頑張ってみたけど、現代哲学は手に余るよなあ。ダーウィンとかひとかすりだしw
    無神論者でない科学者達が己の宗教

    0
    2017年03月13日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    科学者を現代の目で批判的に分析したものである。デカルトが過大評価されたというのも、どうもそんな気がしていたということを解説してくれた本である。
     2022年に再読したが、どうもすらすら読めたが、内容は忘れていたのはなぜだろうか。

    0
    2016年10月07日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    本書の科学史としての面白さへは人それぞれだろう。
    私は、本書の後半、ガリレオ以降でやっと楽しめた。というかやっと読めるものになった。それまでは、いわゆる実証科学の要素が少なかったからだ。
    その上で、トータルとしての科学史としての面白さは、今ひとつ感じられなかった。

    0
    2025年01月28日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    古代ギリシアから量子力学まで、科学の歴史を俯瞰する講義を基にした本。古代ギリシアの哲学者は世界史でも習うが、その詳細が一番興味深かった。実験や事実と照らし合わせて理論を確立していく現在の科学的手法が取られるまで非常に長い年数がかかった。現代の考察を基準に過去の科学者を評価することはウィッグ史観とは別だと思った

    0
    2022年08月16日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    帯に書かれている文言は大袈裟だが,科学史を俯瞰していて面白い.特に後半に出てくる,ニュートンが自身の力学を導き出すまでの過程は知らなかったことであり,興味深かった.

    0
    2019年12月23日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    科学的

    この言葉をつけるだけであらゆる理論は尤もらしくなる。ビジネスの世界でも、特に文系の人を黙らせる、或いは思考停止に持っていくキラーワードだ。

    では科学的とは何か?

    これは科学哲学の問いだが、この本の著者はホンモノの物理学者。しかもノーベル賞受賞者。彼が言う科学的とは、実際に世界を理解することに貢献するかどうかである。科学哲学では、もっと正確に定義しようとするが、著者は物理学者なので、そんなことはどうでも良い。むしろ、科学哲学の議論を小馬鹿にしている。そうではなく、歴史を振り返り、どうやって理解が進んだか?どんな方法、思考が科学の進歩に役立ったのか?を冷静に分析する。そこには、当時だ

    0
    2019年09月05日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    ・世界はわれわれにとって、満足感を覚える瞬間という報酬を与えることで思考力の発達を促すティーチングマシンのような働きをしているのである。数世紀かけて、われわれ人類は、どんな知識を得ることが可能か、そしてそれを得るにはどうすればいいかを知った。われわれは、目的というものを気にかけなくなった。そんなことを気にかけていては、求める喜びには決して到達できないからである
    ・「科学」の基本を満たしているものを積極的に評価する。それは、自らの論理を観測・実験によって検証し、それによってさらに論理を発展させていく、ということである

    0
    2018年11月04日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    科学、物理、哲学、宗教などとの結びつきがわかる。物理の話は文系学部出身には少し難しいが、読んで損はないと思う。

    0
    2018年07月13日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    科学を発展させた思想の歴史。古代に於いて天体観測から得られたデータは、人間の宗教観や感覚のみで理解しようとする受動的な科学でしかなかったため発展が進まず誤った解釈が横行したが、ガリレオ以降観測データだけではなくそれを実際に実験によって確かめるという新たな能動的ステップが加えられたことにより発展が飛躍的に進んだことがわかる。科学は小さな発見の積み重ねだと思っていたので、こらは目から鱗だった。

    0
    2017年09月26日
  • 科学の発見

    Posted by ブクログ

    若干アクの強い科学史。個人的にはサイモン・シンの方が面白いと思うが、本書の内容は講義で聞いたら大変面白いと思う。表紙の勝利か。

    0
    2017年01月28日