スティーヴン・ワインバーグのレビュー一覧

  • 科学の発見
    紀元前から物質の最小単位は存在すると言われていた!みたいな話を聞いても、色々適当言う中で偶々現代の事実と合うことを言った人がいただけだろう、と言う気持ちにしかならなかった。ワインバーグは当時のこれらは科学ではなくポエムだと言う。それを読むだけでもスッキリ。
    では科学とは何でどこからが科学なのか?
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  • 科学の発見
    「本書は不遜な歴史書だ!」と帯にも「はじめに」にもありますが、そこまで不遜ではありません。著者が語るとおり「現代の基準で過去に裁定を下す」ということをしているため、通常の歴史書的な視点に欠けていますよ、ということです。歴史的事実を追うとか、歴史的意義を考えるだとかは従来の科学史専門書にまかせて、現代...続きを読む
  • 科学の発見
    非常に面白い。
    一刀両断が心地良い。

    難点は余計な訳注が本文中にあること。訳注がないと分からない人だとこの本は読み切れないのではないか?

    オランダの出版社「エルゼビア」を「エルゼビール」と書いてしまうあたりで翻訳者の馬脚が現れている。
  • 科学の発見
    とてもざっくりと言ってしまうと、遥か紀元前5世紀のギリシャ物理学から21世紀の現代に至るまでの、「科学」もしくは「科学と呼ばれ、みなされたもの」を概観する「科学分野の歴史書」であり、もう少し細かく言うと、過去に「科学者」と呼ばれた人たちや理論への批評的論考、でもある。刊行された際、歴史家や哲学者から...続きを読む
  • 科学の発見
    著者のように物理学をやっている人から見たら,科学哲学など,科学研究の推進力にはならないと考えるでしょうね。例えば,ギリシャ自然哲学(アリストテレスなど)にはかなり手厳しい感じがします。でも,「現代アート」はそれまでのアートがあってこそなのと同様,それがなければもっと早く科学が展開してきたかというとよ...続きを読む
  • 科学の発見
    著者は現代の目線で歴史上のサイエンスにかかわる出来事や人物をばっさり評価していく。帯でアピールするほど激しいものではないが、もともと文系の私からすると現代から振り返るとこう見えるのか、こういう切り口があるのか、と知れてよかった。

    時間のある時にゆっくり読むのに最適な気がします。
  • 科学の発見
    ノーベル賞を受賞した物理学者が書いた科学史。古代ギリシアにおける物理学・天文学の発展からアリストテレス、プトレマイオス、ローマ帝国時代、アラブ世界へ。コペルニクス、ケプラー、ガリレオと進んで革命者ニュートンが登場する。ワインバーグの歴史に関する博識と、文章のわかりやすさにびっくりしました。
    ワインバ...続きを読む
  • 科学の発見
    アリストテレスは何かと賢人として持ち上げられるが、その主張はなにかしっくり来なかった。ものには目的があるといわれてもまあ、そういう見方もしてもいいかくらいの説得力しか私にはなかった。
    それはアリストテレスの理論が科学ではなかったからだ。
    プトレマイオスの天動説は理論としては間違いだったことがはっきり...続きを読む
  • 科学の発見
    詩的な自然哲学者たちに何より欠けていると思われるのは、必ず実証を求めるというこの態度なのである。
    現代の科学者の考え方とはむしろ、「超自然的な存在の介入を想定せずにどこまで行けるか考えてみよう」というものである。科学はこのような方法でしか研究できない。
    キリスト教徒が迫害されたのは、ローマの宗教を公...続きを読む
  • 科学の発見
    最近出たワインバーグさんの本

    古典力学,科学的手法がいかにして
    確立されていったか
    という話

    山本義隆さんの本とか板倉聖宣さんの本を
    読んでる自分にとってはそんなに新鮮さはなかったかな

    他の本は比較的,歴史の記述という点に焦点が
    置かれている気がするのに対して
    この本は,ワインバーグさんの主観...続きを読む
  • 科学の発見
    ちなみに表紙はルーブル所蔵の「天文学者」by フェルメール。センス良過ぎ。
    「はじめに」から、ホイッグ史観上等と社会構成主義者に啖呵切り。あーらら、面白くなりそう。後出しジャンケン並に卑怯者扱いされる(コトもある)ホイッグ史観だけど、分かっちゃってる私らが自分の手足を縛るマネしても限界あると思うんで...続きを読む
  • 科学の発見
    科学者を現代の目で批判的に分析したものである。デカルトが過大評価されたというのも、どうもそんな気がしていたということを解説してくれた本である。
     2022年に再読したが、どうもすらすら読めたが、内容は忘れていたのはなぜだろうか。
  • 科学の発見
    古代ギリシアから量子力学まで、科学の歴史を俯瞰する講義を基にした本。古代ギリシアの哲学者は世界史でも習うが、その詳細が一番興味深かった。実験や事実と照らし合わせて理論を確立していく現在の科学的手法が取られるまで非常に長い年数がかかった。現代の考察を基準に過去の科学者を評価することはウィッグ史観とは別...続きを読む
  • 科学の発見
    帯に書かれている文言は大袈裟だが,科学史を俯瞰していて面白い.特に後半に出てくる,ニュートンが自身の力学を導き出すまでの過程は知らなかったことであり,興味深かった.
  • 科学の発見
    科学的

    この言葉をつけるだけであらゆる理論は尤もらしくなる。ビジネスの世界でも、特に文系の人を黙らせる、或いは思考停止に持っていくキラーワードだ。

    では科学的とは何か?

    これは科学哲学の問いだが、この本の著者はホンモノの物理学者。しかもノーベル賞受賞者。彼が言う科学的とは、実際に世界を理解する...続きを読む
  • 科学の発見
    ・世界はわれわれにとって、満足感を覚える瞬間という報酬を与えることで思考力の発達を促すティーチングマシンのような働きをしているのである。数世紀かけて、われわれ人類は、どんな知識を得ることが可能か、そしてそれを得るにはどうすればいいかを知った。われわれは、目的というものを気にかけなくなった。そんなこと...続きを読む
  • 科学の発見
    科学、物理、哲学、宗教などとの結びつきがわかる。物理の話は文系学部出身には少し難しいが、読んで損はないと思う。
  • 科学の発見
    科学を発展させた思想の歴史。古代に於いて天体観測から得られたデータは、人間の宗教観や感覚のみで理解しようとする受動的な科学でしかなかったため発展が進まず誤った解釈が横行したが、ガリレオ以降観測データだけではなくそれを実際に実験によって確かめるという新たな能動的ステップが加えられたことにより発展が飛躍...続きを読む
  • 科学の発見
    若干アクの強い科学史。個人的にはサイモン・シンの方が面白いと思うが、本書の内容は講義で聞いたら大変面白いと思う。表紙の勝利か。
  • 科学の発見
    歴史的思想体系の流れを離れて、全く新しい科学体系を構築する事は非常に難しい。現在の量子力学も絶対に正しいとは言い切れないが、間違っていると証明する事も出来ない状況がいつか訪れるだろう。永遠に科学が発展し続けることは可能なのか、資源は有限である。