テリー・イーグルトンのレビュー一覧

  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(下)

    Posted by ブクログ

    壮大な思考の冒険に駆り出された気分。
    時代を彩った文学理論、というよりも、人文科学全般への広い分析に繋がっていて、入門としてはちょいハードルは高い気がするけど、個人的には知的快楽に包まれた好感度な読書体験でした。
    フェミニズムはちゃんと勉強します。

    0
    2023年10月19日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパにおける文学批評論発展の歴史を著者の濃ゆい解説で辿る好著。
    英文学に親しみのない自分からしたら、おおいに知的好奇心を掻き立てられました。
    言語のこと考えると毎回頭パンクしそうになる。

    2回目。
    文学批評だけでなく、西洋哲学や近代社会など、様々な要素をかき混ぜ合わせながら批評の歴史を辿っていく。
    意識主体としての人間が、言語という媒介を通して何を得て、何を知るのか?
    古典的ヒューマニスト流の価値判断が全てなのか、もしくは、フランス構造主義者たちが生み出した科学的客観性でもって、コード読解を行うべきか?
    イーグルトンの思考の流れを共に味わえる良著。

    0
    2024年07月11日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    “Literature” の非常に政治的な生い立ちから始まって、各種の文芸理論について非常に簡潔なまとめと鋭い批判的視座を提供してくれる。文芸理論の入門だけではなく、現代哲学のへのコンサイスなまとめとしても用いることができると思う。訳出も見事で、スパイスの効いた原著の雰囲気を端々に感じ取ることができる。

    0
    2021年05月23日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(下)

    Posted by ブクログ

    下では批評理論の趨勢だけではなく、広く人文科学の在り方、政治との距離の問題について踏み込んでいく。特に新版のあとがきは、その傾向、いらだちがにじみ出ている。

    本書はまだ古典ではない。生きている。なぜなら訳者も述べている通り、文化闘争は終わっていないからだ。

    ・私たちは自分のことを、どちらかというと、自由で、統一のとれた、自律的な、自己形成をする個人としてみる傾向があるし、またそうでなければ、私たちは社会生活のなかで自分の役割をまっとうできるはずがない。ところがアルチュセールによれば、私たちがそんなふうに自分のことを考えるようにしむけるのが、まさにイデオロギーなのだ。
    ・後期資本主義の支配的

    0
    2018年06月19日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    冒頭からぐいぐいと引き込まれる。古典の名にふさわし射程の深さ、鋭さをもっている。いい意味で期待(予想)を裏切られた。お手軽ではない。原語によるルビの振り方も含めて翻訳も良い。

    批評理論をカタログ的に説明したものではない。批評理論間の関係を説明し、より根源的に文学とは何か問うていくのが本書の真骨頂だ。

    冒頭の、いくつかの「はしがき」からして、言葉が生きている。上っ面でない。挑戦的だ。

    序章の「文学とは何か?」ーーそれを誰も決められない、という議論は目から鱗だ。身も蓋もないのだが、ステレオタイプから、イデオロギーから、パラダイムから逃れるためには、まず、このような前提を共有できるかが重要だか

    0
    2018年06月05日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    文学とは組織の暴力について書かれたもの。科学本はその意味で文学とは呼ばない

    本読むとは、仮説を作っては消し、信念を更新し、複雑な推理と予測を次々と行うことだ

    難しすぎる

    0
    2024年02月20日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一読では分からない
    でもどういった議論があるかは分かった
    『文学部唯野教授』に熱狂して
    新文学入門―T・イーグルトン『文学とは何か』を読む
    を読んで勢いで文学とは何か上下を買って読んでしまった

    高いところへ登ってしまって降りられないよ

    0
    2021年03月06日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    むずい
    『文学部唯野教授』
    の勢いで読めるわけなく
    『文学とは何か――現代批評理論への招待』
    は読んだがそれだけでは駄目だ
    文学部の方は余裕なのかな

    0
    2020年11月03日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(下)

    Posted by ブクログ

    下巻ではポスト構造主義、精神分析について解説した上で終章では政治的批評という側面からイデオロギーについて語られるのだが、後期産業資本主義の支配的イデオロギーに対する文学理論の無力さといいう指摘は正に現代思想の行き詰まりと照応している。文学理論ついて触れながら最終的にそれを埋葬しようとする結論には驚きであり、新版あとがきで触れられる90年代以降の理論についてもその脱政治的であるが故に支配的イデオロギーから抜け出せないジレンマを抱えたままである。イデオロギー論には多少疑問を感じつつも興味深い内容であった。

    0
    2014年12月30日
  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)

    Posted by ブクログ

    本書は20世紀における文芸批評史であり、更に言えば2章以降は20世紀大陸哲学から見た文芸批評とは何か、という点に尽きるのだろう。そもそも現代思想が問いの中心を対象そのものから言葉それ自体に置いていることを考えればそれが文学理論と結びつくのは当然であり、現代思想って実際文学/文学批評そのものだよねってのが個人的立場。そんな訳で最初の英文学批評の誕生の箇所が個人的に一番興味深かったのだが、古典研究に対応する形で現代英文学研究が学問として成立するのが第一次世界大戦という時代背景に負っているとする指摘は興味深い。

    0
    2014年12月27日