片瀬チヲルのレビュー一覧

  • カプチーノ・コースト

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    ネタバレ

    『カプチーノ・コースト…見た目とは裏腹の現実』

    パワハラが原因で求職中の早柚。
    ふとしたきっかけでビーチクリーンを始めるも…
    最初から最後まで、違和感を抱き続ける早柚。
    何が本当なんだろう?
    この世の中、晴れることのない違和感で溢れてる!?

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    2023年01月25日
  • 八月のシンデレラナイン 北風に揺れる向日葵

    ネタバレ 購入済み

    女の友情物語!

    ロシアの混血娘エレナ(オリキャラ?)が転校してきて、再びロシアに帰るまでを描いたハチナイの小説版。混血と言ってもカタコトとかではなく、日本語ペラペラの落ち着いた感じですが。
    アニメ版は見てるんですが、こっちは男主人公の監督がいることもあり、結構話の流れが違いますね。
    ストーリーはメンバー9人揃うまで描ききれてないので(エピローグでようやく集まる)、序盤も序盤。エレナと再戦を約束して別れる終盤あたりは、野球同好会の友情が微笑ましいです。

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    2022年09月29日
  • 泡をたたき割る人魚は

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    タイトルと表紙のイメージを裏切らない雰囲気のお話でした。感覚だけでいうと「やまなし」みたい、と感じた。

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    2012年10月07日
  • 泡をたたき割る人魚は

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    大きな書店をはしからはしまでみわたしてたときに、この本を見つけた。装丁からものすごく好みだと思った。これは好きだ、絶対に、という確信があった。著者がまだ現役の大学生で90年生まれなことに驚いた。

    一文読んでやっぱり好きだって思った。頁をめくるたびこの本、この著者好きだって強く思い、最後の一文でたまらなく好きになってた。
    また若い作家さんが生まれた。嫉妬しちゃうなー。こんな素敵なお話がかけるなんて。
    群像新人文学賞優秀賞作。わたしの大好きな島本理生さんとデビュー同じ。この著者もきっとぐんぐん伸びてファンが増えるんだろうな。瑞々しくてちょっととげとげしい、若さがうまく生かされてる。あーあたしも感

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    2012年08月14日
  • カプチーノ・コースト

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    そこにあったけどずっと気が付かなかったゴミ。見えるようになってきたら見えなかった事には出来ない。
    その真面目過ぎる事は本当は正しいのに自分一人で抱えてしまうと押しつぶされて、休職中の主人公。ビーチクリーンという形を変えてまた「見えなかった事には出来ない事を」淡々と拾い集めていく。
    仕事ではうまく立ち回れなかったけど、砂浜のゴミから広がるつかず離れずの人間関係やゴミと向き合うのはただのゴミか自分の中の何かなのか。
    起承転結という点で盛り上がりはないと口コミはあるけど、生きてる人間の多くはそうである。起承転結はない昨日も今日も明日も何も大きく変わらない。でも積み重ねは自分を表す。そこでずっと気にし

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    2025年10月30日
  • カプチーノ・コースト

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    ビーチクリーンという、海をきれいにすることを題材にした本。
    あまりこの手の本は読んだことがなかったので新鮮な気持ち^_^

    物語自体は静かだけど、自分の心の動きを感じ取れるようなお話でした。

    著者の片瀬さんの本はおそらくはじめて?読んだけど、感受性豊かな方なんだろうなーと感じました。
    表現が素敵^_^

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    2025年09月07日
  • カプチーノ・コースト

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    「しんどい時ほど、まわりに頼れない」という帯で手に取った
    休職中の焦り・もどかしさ・悔しさがありありと伝わってくる
    物語は淡々と進むけど、ときどき立ち止まるような言葉がある
    自分にとっての「ビーチクリーン」はなんだろう?と考えてしまう
    読み終えたあとも折々でこのビーチに戻ってくることになるような本

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    2023年10月03日
  • カプチーノ・コースト

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    ネタバレ

    この本を購入したきっかけは、「しんどい時ほど、周りに頼れない。自分を見つめ直すひと月の物語」という帯文でした。
    今年の一月上旬。
    人生でこんなに辛いことがあるのかと絶望して、会社から一週間の休みをもぎ取った時に出会った本です。

    いつもより少し詳しめに物語の内容を以下に。

    1ヶ月の休職中に、海岸のゴミ拾いを始めた早柚(さゆ)。波間に落ちた腕時計を探している中でボタンを拾ったことをキッカケに、海辺にたくさん落ちているゴミに気付いてしまった彼女は、一つ二つとゴミを拾い、気付けばバケツいっぱいのゴミを拾い集めていました。

    時間だけは有り余っている早柚は、翌日もゴミ拾いのために海岸にやってきます。

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    2023年03月09日
  • カプチーノ・コースト

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    ネタバレ

    初めて読む、若手の作家さん。
    「群像新人賞」受賞、本作も「群像」に発表されたよう・・・
    ということは、純文系か。

    ・・・なるほど!

    パワハラにより休職中の26才の女性が
    海でのゴミ拾い(ビーチクリーン)に精を出し
    その1ヶ月の日々での出会いや想いを描く・・・

    舞台は、ほぼ海と、その周辺。
    彼女の自宅なんて、出てこない。

    登場人物も、通りすがりは何人もいるけれど、
    メインは主人公と友人と、ビーチクリーンで出会った年上の女性だけ。

    それだけなのに、ここまで、世界を膨らませ、
    主人公の想いに共感することができるって、
    さすが、「群像」!
    (昭和生まれは、純文に弱くて、ひれ伏しちゃう?)

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    2023年02月19日
  • 泡をたたき割る人魚は

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    ワニのような形の島が舞台.右半分は観光や漁業で栄え、左半分は沼地が広がっていた.主人公の薫は左半分に住み、島中をピタニィの配達をしている.絵描きの瀬戸や魚屋の村井と恋愛と友だちの間の関係をつむぐ毎日.ある日、願いを叶えてくれるという今川焼き屋の老女のもとへ行き、「魚になりたい」ことを告げる。老女は薫の脚と、配達に使っていた原チャリと引き換えに、薫を人魚にした.

    不思議な世界観.比喩の仕方が独特.
    海と砂浜の境目、上半身と下半身の境目、恋人と友人の境目、人と魚の境目、、
    さまざまなところに境目があるけれど、それはもともとはっきりしているものなのか、はっきりさせられるものなのか、限りなく同じもの

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    2015年08月23日
  • カプチーノ・コースト

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    名久井直子さんの手掛けている可愛い装丁にひかれて。海洋ごみを拾う心の疲れた大人の話だった。よくみれば装画は海洋ごみか。

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    2024年11月02日
  • 泡をたたき割る人魚は

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    薫が人魚に変わっていく様が執拗な痛みを感じさせる描写で良かったです。
    誰のものにもなりたくないから魚になることを望んだのに、完全に魚になってしまうと誰かの所有物になる。自由と恐怖は同時にやってきたけど、そうなんだと気付いたときにはもう戻れないのは怖いな。
    女性は気持ちだけを欲しがり、男性は現実を欲しがる島で。

    初めて読んだ作家さんなのでこの1冊だけではわからないけど、嫌いではない空気でした。

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    2024年02月02日
  • カプチーノ・コースト

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    悪意と海洋ゴミは似ているな。
    特定な者に向けられたものでなくとも、それは、そこに漂うだけで気持ちが悪いものだ。

    シーグラスのような波に揉まれて綺麗になるものも誰かにとってはゴミなんだよね

    時間が経てば必要なものも変わる

    必要ないものは切り捨てる
    それは人生だけれども…
    人には、癒やされる場所や、充足感は必要だ。

    大きな刺激はないけれど、
    思いのほかいい本だった。




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    2023年07月04日
  • カプチーノ・コースト

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    休職中の主人公がビーチクリーンをして
    たくさんの人と出会い、色々なことを感じ、
    日々を過ごしていく。
    文章は単調だが、復職するまでのカウントダウンに
    読んでいて主人公と一緒に焦った。
    最後も主人公の行き着く場所はやはり海だった。

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    2023年02月28日
  • カプチーノ・コースト

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    休職中の早柚がビーチクリーンを通して新たな発見をする物語。
    人は誰しも、違和感を抱えながらも自分を正当化することで正気を保って生きてる。言えなかった言葉、違和感、上司の罵声。そういうものが海に落ちているゴミで、早柚はそれを拾うことで心を浄化している。
    世の中には、自分を正当化して、その正しさを人にも押し付ける人ばかり。そんな世界で生きていくには、自分にとってのビーチクリーンのような活動を見つけるのが大事なのかも知れない。

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    2023年02月02日
  • カプチーノ・コースト

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    辛い時こそ何か現実逃避できるような行動ができたらいいなと常々感じていました。
    本作では、上司のパワハラに心を痛めた主人公が、休職中に海岸の清掃活動に勤しみ、心を落ち着かせるストーリーで、清掃活動を通して何を感じるのか、自分の迷いをどう浄化させるのか、落ち着いた文章で描かれるお話でした。

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    2022年12月20日
  • カプチーノ・コースト

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    「一度見えるようになってしまったら、見えなかった頃には戻れない。」印象に残った言葉。
    見て見ぬふりをすることは出来るかもしれないけど、それは自分に対しての嘘でしかない。だんだん心を蝕んでいく。自分を蝕むものから逃げていいんだ。戦わなくてもいいんだ。生きる意味も働く意味もなくていい。なんでもいい。死にたいわけではないけれど、大して生きたくもない人におすすめ。

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    2022年12月12日
  • カプチーノ・コースト

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    主人公の癒しになるのが海岸でのゴミ拾いのボランティアの着眼点が読んでいておもしろかった。カプチーノ・コーストの意味は読んで理解して下さい。たかが海岸でのゴミ拾いされど海岸でのゴミ拾いいろいろ変なものまで流され落ちている。人と人とのつながりも見えてきて心にしみわたるお話でした。

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    2022年11月30日
  • カプチーノ・コースト

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    休職中の早柚(さゆ)が夢中になるのは海岸にあるゴミを拾うこと。ビーチクリーンを趣味にする人たちがいることを初めて知った。
    パワハラ上司の元で我慢しながら、意味のなさそうな仕事をするよりも、ボランティアで収入にならなくても環境保護に役立つゴミ拾いの方がやりがいはありそう。ゴミ拾いだけじゃ生きていけないことは分かってる。それでも辞められない早柚の気持ちが分かる気がする。
    大きなゴミをみんなで協力して解体したり、空のゴミ袋がいっぱいになるまでゴミを集めたり…
    作品全体に、「このままじゃいけない」という早柚の焦りが感じられて、ヒリヒリする。職場復帰した早柚の行き先はどこなのか。ラストはあっけなく終わる

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    2022年11月19日
  • 泡をたたき割る人魚は

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    ネタバレ

    小さい頃から魚になりたいと思っていた薫。

    島にある家にはそれぞれ泉があり、その水は地下で管のように繋がっていた。

    男たちと話すのは楽しくて、だけど恋人という関係に縛られるのは避けたいと思っていた。

    願いをかなえてくれるおばあさんに、ついに魚にしてもらい人魚となった薫は、地下を流れる水脈を泳いで、各家にある泉から顔を出しては人間たちを観察していた。

    金持ちの男の人の家に住み着くようになり、愛のない結婚をして、恋はしなかったものの、島に住み着くワニによって完全な魚となった薫。

    自由の身となったのに、瀬戸くんの家の金魚鉢に入れられ、彼をずっと見ていることは出来ても、話すことも体を重ねること

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    2019年06月22日