サム キーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かったー。
こういう科学エッセイ大好き。
興味深い話はたくさんあったが、一番驚いたのは天然核分裂反応炉のオクロの話。
ウランと水と藍藻類だけで稼働していたというのだ。
びっくり。
そんなこと初めて聞いた。
藻類が過剰な酸素を作り、水が強い酸性になり、ウラン235を溶け込ませ、藻類が水をろ過してウランを特定の場所に集中させ、臨界量に達した。
ただ、それだけではウランが核分裂を起こしても連鎖反応は起こさない。
水があることで中性子の速度が落ち、連鎖反応が起きたのだ。
そのため、核分裂が発生すると高熱になり、水が蒸発し核分裂がストップ、冷えて水がたまると再度核分裂が発生、とのサイクルが発生していた。
(15万年かけて6トンのウランが30分/2時間半のオン、オフのサイクルで消費された)
この話だけでもこの本を読んだ価値はあったが、ほかにも失われた日本刀の作成技術の話とかフォンノイマンがメーザーに関しては誤った認識を持っていたとか楽しい話がたくさんあった。 -
Posted by ブクログ
結構な分量のある本だけど、読む手が止まらず、気付いたら読み終わっていました。
単純な元素の性質についての話だけではなく、その元素発見の背景にあった人間ドラマ(苦労や名声をかけた争い)やその元素を巡るいざこざ、失敗譚など、あらゆる角度から元素という物を眺めるような構成になっており、非常に楽しめました。
訳者あとがきからの下記引用を見るだけで、ワクワクしてきませんか?
"どんな話が飛び出すか少しばかり紹介すると、第1部では学校で習わないような周期表の見方、いちばん長い英単語、ケイ素系生物の可能性、ノーベル賞を横取りしようとした物理学者、七つの元素名の由来となった場所・・・、第2部では地球の年齢、恐竜の絶滅、毒ガス戦、コンゴ紛争、原子爆弾・・・、第3部では何度も「新発見」された元素、元KGBエージェントの毒殺、放射性ボーイスカウト、スペースシャトルの空中爆発ではない死亡事故、インドの塩事情・・・、第4部では万年筆のデザイン、トウェインのSF、マッドサイエンティスト、裏切られた女性科学者・・・、第5部ではビールが科学に果たす役割、国際キログラム原器、地球外生命体の存在確率、天然の原子炉・・・。これでもずいぶん端折ったつもりだ。"
個人的に一番面白いと思ったのは、とあるSF作家が風刺した、グローバル資本主義における通貨の最も優れた材料は何か?という話。
答えが気になる方は303ページを見てみて下さい。
なるほど、確かにそうかもしれないw -
Posted by ブクログ
周期表の各元素に纏わるこれでもかというエピソード。その中で関連する歴史的事件や人物、社会背景を交えて語る。いわば、元素を主人公にした物語。
文系のぼくにとって、化学はどちらかというと苦手科目。高校の時、必死に覚えた周期表。この本を読んだあとでは違った感覚で眺めることができる。
味気ない周期表がただの記号の差列ではなく、人類の歴史と密接に関わる壮大なドラマであることを体感した。
400ページを超える大著。ぼくにとっては消化不良の面あるため、ときを置いて再読しよう。
100種類以上ある元素。元素を構成するのは、陽子、中性子、電子。元素の違いはこの数。どうして数が違うだけでこんなにも元素の特性に違いがあるの?紅茶に溶ける金属製のスプーン。本書のタイトルにもあるが、これは原子番号31のガリウム。どうしてホウ素、アルミニウムだと溶けないの?
左巻先生の解説。「私の元素講座に、小学生や中学生が参加することがある。「乾燥空気の成分は多い順に窒素、酸素だが、3番目は?」などと参加者に問うと、子どもたちが「アルゴン」と即答する」との記載がある。恐るべし子供たち。
それにしても周期表を作ったメンデレーフは偉い。ただし、ノーベル賞の受賞は逃している。唯々残念。