スティーヴ・ハミルトンのレビュー一覧
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購入済み
一気読み!
ミステリー好きでしたが、暫く離れていました。
暫くぶりの、そして初めての電子書籍で、ラッキーな事にミステリーとラブストーリーが素敵に融合したお話しに出会えました。
思わず一気読みでした。
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Posted by ブクログ
錠を開く才能がある少年の進んだ道は。
切ない初恋に貫かれます。
8歳の時の事件以来、口を利くことが出来なくなったマイク。
「奇跡の少年」と報道され、カウンセラーにもかかりました。
酒店を経営する伯父に引き取られ、ミシガン州デトロイトの小さな町で育ちます。
高校の美術クラスで思いがけず才能を認められ、初めての友達が出来ました。
17歳半の時、上級生が卒業間近の夜の悪ふざけに、マイクが錠を開く才能を使うように求められ、事件に巻き込まれます。
奉仕活動のために被害者マーシュの家に通い、仲間の名を明かすよう求めるマーシュに、炎天下でプールを掘ることを命じられます。
その家の娘アメリアに恋をするマイ -
Posted by ブクログ
スティーブ・ハミルトンなる兼業作家の青春犯罪小説。2011年上梓。IBMに勤めているらしい。
さすが、ハヤカワポケットミステリ!はずれるわけがない。主人公マイクルの特殊スキルとトラウマ、アメリアの思春期性かつ献身的なヒロイシズム、援助者ゴーストと暗躍するあれやこれや。
グレマスの物語構造論にピッタリ当てはまるようなベタなキャラクター造型にロードトリップの要素が加わって、もちろん金庫泥棒の場面はハラハラするし、言うことなしに面白い!あとマッチョな大学生にその富裕層の親とか、ベタすぎるけど面白い!
2つの時間軸が交互に進む構成も相応に効果的だったけれど、後半からちょっと煩わしさを感じた。
深 -
Posted by ブクログ
「スティーヴ・ハミルトン」の長篇ミステリ作品『解錠師(原題:The Lock Artist)』を読みました。
古書店で懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版を見つけちゃったんで、ついつい買ってしまった一冊… ハヤカワポケミスって、若い頃に自分の中で魅力的なイメージが創り上げられていて、ついつい手に取ってしまうんですよね、、、
どの賞が権威ある賞なのかわからないのですが… 世界のミステリ賞を数多く受賞している作品らしいので期待して読みました。
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このミステリーがすごい! 201 -
Posted by ブクログ
8歳の時に、ある事件に遭い、発話が出来なくなったマイクル。不器用だが優しい伯父とともに暮らしながらも、孤独な日々を過ごしていた。
高校で絵を描くことで、自己を表現し始める。
また、鍵を開けると言う特技を持っていた。それを、先輩に知られある家に忍び込むことに加担し、警察に捕まり、保護観察処分となる。保護観察中、奉仕活動として忍び込んだ家のマーシュ家の庭にプール用の穴を掘り始める。そこで、マーシュの娘アメリアに出会い、互いに惹かれあう。
しかし、マーシュにも鍵を開けられる特技を知られ、金庫破りと言う犯罪に巻き込まれていく…。
アメリアに会った頃、金庫破りとしてアメリカを渡り歩く頃、二つ -
Posted by ブクログ
ネタバレ幼少期に起こった、衝撃的な事件。
奇跡的に生還した少年は、けれど口を利くことが出来なくなってしまった。
事件の因果か天性か、ある日手に取った南京錠から解錠の仕組みに取り付かれ、やがて錠前破りとしての人生を歩き出すことになる。
前に英語で読みかけて、面白そうだなと思いつつ挫折してました。
洋書で、口が利けないとか、実は自閉症とか、イレギュラー設定が出てくると、それが読み取れなくてもやっとして挫折すること多い…。
少年は運命に絡め捕られるように、金庫破りのプロとしてマフィア傘下の窃盗団に加担しながら生きてゆくようになるんだけど、彼自身は悪意もさほどの欲もなく、解錠という挑戦への情熱と、押し殺し -
Posted by ブクログ
こんな解錠師もいていいのだと思う。陳腐だけど唯一自分の意志で開けた鍵は恋人の心。鍵を開けることへの興味から、知人の思いつき、大人の思惑によって鍵を開ける手段としてのみの存在となり、唯一のつながりは恋人のアメリア。
しゃべることをやめた主人公と恋人をつなげるのは、芸術域まで高められた絵物語。たった1年の間に起こった主人公の大きな人生の変化と、そして守るものができた行動は、彼の人生の新しい扉を開ける。今はまだ、刑務所の中で鍵の中の生活だけれども、その鍵は時間が書けば物理的ではなく、いつか解錠される。
主人公の閉まっていた無防備な心の扉を勝手に開いていく友人や大人は、その解錠の腕前だけを認め、本当に -
Posted by ブクログ
2012 このミス 海外1位。
8歳の時に言葉を失ったマイク。
リート伯父さん、恋人アメリア、師匠ゴースト。いくつかのポケベル。
手に汗握ったー。
ラストに向かう場面では、あまりにも怖くて斜め読み。そしてまた気を取り直して、一字一句漏らさぬように読むくらい怖くて緊張させられる。
アメリアもいい。
文字での意思の疎通じゃないところも。
行った事がある地名の情景がありありと浮かび、さらにリアルさを増す。
でも、鍵の細かい描写にはあまり興味を持てず、謎解きと言うほどでもなく、嫌なヤツはとことん嫌な馬鹿で、気持ちいい本ではないという感想。
だけど、マイクの未来に幸あれと思うくらい実話の -
Posted by ブクログ
『解錠師』、原題では“The Lock Artist”。
このタイトルの響きは物語の始まる前と後では異なって聞こえ、読み終えた今ではそれはそう、あたかも錠が解放される瞬間のようにすべてが正しい位置にぴたりと収まっているような印象すら与える。
英語で「鍵師」は“locksmith”、「金庫破り」は“safecracker”と呼ぶそうだが、マイクルが単なる“smith(金属細工師)”や、ましてや“cracker(破壊者)”ではなく、本物の“artist(芸術家)”であるということには読者全員の賛成がもらえると思う。
幼い頃とある事件を生き延びた「奇跡の少年」がやがて「解錠師」となり、運命の坂