アベ・プレヴォーのレビュー一覧
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アベ・プレヴォー(Abbé Prévost、1697年-1763年)は、フランスの作家で、代表作『マノン・レスコー』(Manon Lescaut)で知られています。本名はアントワーヌ・フランソワ・プレヴォー(Antoine François Prévost)で、「アベ」(僧侶)という呼称は彼が一時期修道士であったことに由来しています。プレヴォーは恋愛と欲望の間で葛藤する人々を描き、道徳や人間の弱さについて深い洞察を与えた作家として評価されています。
生涯
プレヴォーは裕福な家庭に生まれ、若い頃から聖職者としての道を歩み始めましたが、修道生活に適応できず、何度も職を変えながら放浪 -
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主人公デ・グリュウはおバカだ、友人チベルジュはいい人だ、マノンもおバカだ……そう思い、つっこみを入れつつも、だんだんとデ・グリュウに同情し、同調し、マノンに魅力を感じるようになってしまいました。最後に死んでしまうからでしょうか。まあ、もし何だかんだで生き続けたら、たぶんつまらない話だったはず。
しかし、美貌によるハロー効果ではないかと思うほどにデ・グリュウはマノンを「愛して」いるんですね。その愛のもとには何もが正当化されてしまう。その愛がよくわかりました。さすが心理小説。マノンが「運命の女」たりうるのは、視点がすべてデ・グリュウのものだからでしょうね。
最後まで飽きさせず読めた作品でした。まさ -
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私が持っている新潮文庫版、同じ青柳瑞穂訳ですが、昭和56年36刷。アベ・プレヴォーって筆名(通り名?)は、Abbe(僧侶) Prevost だったんだ、何も知らずに読んでるものだなぁ、おそろし。男(とその人生)を破滅させる女の代名詞のようなマノン・レスコー(昔むかしのわが国の流行歌の歌詞にもあったような記憶が…)。オペラ「マノン」はプッチーニですね。プッチーニよりもヴェルディのほうが高尚だということになっているから「ヴェルディが好きです」と言ったほうがイタリアでは無難だよ、という話も聞いたことがありますが、私はどちらの音楽も好きです、それぞれに。どっちか選べと迫られたら、プッチーニかも。あの「
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青年グリュウは美少女レスコーに一目ぼれをし駆け落ち。男たちの嫉妬に2人は追い詰められ、彼女自身も欲望に忠実だったことからアメリカ追放への一途を辿り、さらにその先にも破滅への道は続く。
オペラやバレエ等で長く人々に愛されている作品なので読んでおきたく。「ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)」を描いた初の文学作品とのこと。冒頭から一貫して男女の恋愛を描きながらも、互いを想う切なさや悲恋といった儚さは全く感じられません。
愛する女性を追いかけ、振り回され、振りほどかれ、それでも追いかけ…グリュウは愚直なほどに彼女を求め愛します。対してレスコーは自他ともに認める美貌を持ち合わせていますが、享楽 -
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ネタバレ僕は全宇宙が崩壊するのをいても、知らん顔をしていることだろう。なぜだって?彼女以外のものなんてどうだっていいからだ。
バカバカバカ!!!何度そう叫びそうになったことか。愛とは盲目であるとは言うけれど、何度浮気されても、何度親友をだましても、何度牢獄にいれられても、果てには人を殺してまでも貫き通す愛はもはや美談のかけらもない。それにしても親友チベルジュを始め、グリュウ(主人公)の周りにはお人よしのいい奴ばっかが集まっている。だから脱獄もちょちょいのちょいなのだ。「現実はそんなに甘くない」とか「人を殺しといて美談に仕立てて」とか色々不満点があり、椿姫のように心から同情して泣ける物語ではなかった。